(前回記事)

心の履歴(64) 

二人で建てた山小屋
2023-06-18 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12807903364.html

 

(今回記事)

2008/03/13 著

《ギャンブルの日々》
京都の夏は殊更暑いです。
昼も、夕方も、夜も。死にそうな蒸し暑さ。

 


誘われて私も涼しいという琵琶湖競艇場に行きました。

京都駅から飛び乗って。

処が涼しくはないんです。

湿気が多く、結構ムシムシするんです。

競艇はほぼ月の半分は開催されていました。

毎回行くのは5人。
ランナーからハイドロへの変わり目の時です。(註)

(註)ランナボートのターンは独特で体を半分以上水面に投げ出し、ボートの腹を見せながらターンするのがランナのうまい選手の見せ場でした。
しかし乗りこなすには今の若手には到底無理で、結局ランナそのものが廃止されました。


連れは皆、講釈持ちですから、予想屋がレースごと私達に予想を聞きにきました。

無念なのは、舟券を買うのに⑥番の窓口に並んでいましたら、D大四回生の高田君が近寄って来るのです。「おまえ、アホか! ⑥はせいぜいら紐(二着)だよ」と言って私の腕をとり、⑥の紐の窓口に連れて行かされました。確か、⑥番の体重は60kgだったと思います。

処が、結果、⑥の頭(一着)の万馬券(百円で二万円弱の配当)。参りました。ギャンブルでは他人の意見はあくまでも参考程度ですね。

琵琶湖競艇が無いある日、10歳年上の岸田さんが琵琶湖競輪へ行こうと誘うのでついていきました。つまらん顔をしていましたから、次はすり鉢形の向日町競輪へです。

競輪は全く分からないから車券は赤③番から頭と紐の総流し。終回のジャンが鳴ってからあと半周の時、最後尾の一人を除いて皆転倒。

何と何と、③番のみが立ち上がり二番手でゴール! 
脚を骨折していたにも拘らず。

観客の皆は、流石、根性は見上げたものと称賛。
十万円車券!!夢か??と思いました。

処が処が、③に反則がありレース不成立の総払戻。
以後、二度と競輪はしませんでした。
「もう私を誘わんでくれ!」と言って。

《素敵な仲居さんに注がれて》
この年、大晦日が近づき、いよいよ忘年会。
私の希望、東山「京大和」か岡崎「つる家」は却下。
初めての所でする事になったのです。

場所は嵐山の手前、松尾大社前の「京料理とりよね」。
開始時間は午後二時。
当時私は日本酒を辛うじて冷で一合飲める程度。

芸妓(げいぎ)がチントンシャンにあわせて舞って、仲居さんがお酒を注ぎにきます。

 

私にまっ先に来たのが若くて然も素敵な仲居さんで好きなタイプ。私の胸はジーン。皆が私とその仲居さんをはやし立て、私の目の前には一升瓶がドォ~ン。

仲居さんのお奨めと皆さんのご期待に沿って、おちょこからコップ酒へ変更。


根が単純。いつの間にか一升瓶を空にしていました。
素敵な人に注がれるとうれしいですから。

中座して、ここには風呂があると言うので、汗でアルコールを流そうと思いました。


何とそこの湯舟の大きさは街の銭湯よりひと回り大きい。
それに熱いの何の。
私に言わせれば熱湯。
水で薄めても効果なし。

この熱さは松尾大社に参拝する前に身を清める為のもの。
つまり、入浴するのではなく、お湯をかぶるのです。

処がそのことを知らない私は、やむなく入浴。
熱かったです。
今は「岩風呂」と称していますが、改装前は普通のあつ~~いタイル風呂。

それから自分のお膳に戻って、仲居さんのお酌で、やはり湯上りはビール!
一気に飲んだのですが、これが致命傷。

熱湯でゆでられた私の胃袋で炭酸が一気に蒸発する。胃袋の中に溜まっている日本酒などをこれでもかとゲーゲー放出。

連中、大笑い。
素敵な仲居さんも笑っている。
ショック!

再度、仲居さんに勧められるも、お猪口で熱燗。

抱きしめたいけど口実無し。


翌朝、二日酔い無し。
寧ろ、爽快でした。

《京都の大晦日の梵鐘》
そうこうしているうちに、大晦日がやってきました。
ガレージの方ではなく、うなぎの寝床の方で寝転がって皆と紅白を観ました。

終わって「八坂神社に行かひんか!」とのお誘い。
うなぎの寝床から路地に出ますと、微かに微かにあっちから「ゴォ~~ン」、今度はこっちから微かに微かに「ゴォ~ン」の百八つ。

暗闇の中、まさに平家物語「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり」でした。
「あ~~、私は、私は、千年の古都・京都に、今、たたずんでいる!!」
          感涙でした。

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心の履歴(66) 
初詣:藁をもつかんだ女性
2023-06-20 

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心の履歴:20代編 目次
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