先日、大変に貴重な体験をした。
とある企業さんの周年行事で、日頃のご恩返しということでその企業さんの主催の講演会を開催されました。
講師は「カンブリア宮殿で」で紹介され、その後マスコミや著書で大きく取り上げられたユニークな会社の創業者の方でした。「残業禁止」「報連相禁止」とか大変に斬新な経営方針とともに大きく成長された会社です。ちなみに携帯電話も持たれない主義の方です。
なかなか福山あたりで聴くことのできない「大物」実業家。
私は開催企業の社長さんといささか顔見知りでもあり、また、動員の一助になればと思い幹部社員3名を引き連れて参加させていただいたのです。
しかし、しかし。
開演時間になってもはじまらない。
そのうちに、司会の方が申し訳なさそうに口を開いた。
「あのぉぉ、実はまだ講師の方が福山駅に見えられてないんです。秘書の方には到着時間を確認させていただいてるのですが、その新幹線には乗っておられないようで。
その次にもおられなくて、シドロモドロ、シドロモドロ…………」
この当日の講師は、携帯電話をも持たない、というポリシー。本人とも全くの連絡が取れないという事態に陥ったのだ。
あまりに時間が経ってしまってるので、駅で講師をお迎えに行っていた社長が会場に現れて、お詫びをしだした。
そのうち、その社長の友人が助け舟を出すのだ。
当日の午後まで行われていたその企業の年度経営会議での会社方針を皆さんの前で披露してください、と。
皆さんの大きな拍手に押し出されるように社長さんが話を始めたのだ。しかし、30分経っても45分経っても講師到着という連絡は来ないのでありました。
そして、社長は決断するのです。
「申し訳ございません。見ての通りでございます。本日の講演会は断念いたしました。このお詫びはまた改めて皆さん方にさせていただきます。どうか、お帰りにこの私の頭を殴るなりしてお帰りください。本当に申し訳ありませんでした」
会場内からはこの社長さんを強く励ますように割れんばかりの大きな拍手は鳴り止まない。
会社の大きな節目である周年行事として思い切った講演会をされたにも関わらず、講師と連絡が取れないで断念せざるを得ない社長の気持ちはいかばかりか。
その胸の内を察しての暖かい拍手であったのだ。
ここからがこの社長の奮闘である。
チケットを買われた名前がわかる先の皆さんに連日頭を下げて回られた。それはさぞかし大変だったろうと推察する。おそらく仕事にはならなかっただろう。
しかし、その場でも皆さんから励まされ、温かい言葉を山ほど掛けられたことは間違いない。それはその社長さんの日頃をみんなが見ていたからだ。
そして過日、改めてその社長さんのお詫び状と事情説明のお手紙が私の机に置いてあった。中には講師予定の方のお詫び状とともにその講師の方のインタビューをDVDにしてある商品が人数分入っていたのだ。
しかし、それらの封筒には消印や宛名が無い。
つまり、再度社長さんが「お詫び行脚」をされて頭を下げて回ったに違いない。
でも、おそらくまたその場で社長は大きな大きな皆さんの温かい言葉をもらって、勇気と感謝と喜びをいっぱいにいただいたことだろう。
当人には申し訳ないが、
こんなにも素晴らしい周年のお祝いはなかったろう。
無責任に言えば、
本当にうらやましい社長さんでした。
いい物語に立ち会わせていただいていただきました。
ありがとうございました。
とある企業さんの周年行事で、日頃のご恩返しということでその企業さんの主催の講演会を開催されました。
講師は「カンブリア宮殿で」で紹介され、その後マスコミや著書で大きく取り上げられたユニークな会社の創業者の方でした。「残業禁止」「報連相禁止」とか大変に斬新な経営方針とともに大きく成長された会社です。ちなみに携帯電話も持たれない主義の方です。
なかなか福山あたりで聴くことのできない「大物」実業家。
私は開催企業の社長さんといささか顔見知りでもあり、また、動員の一助になればと思い幹部社員3名を引き連れて参加させていただいたのです。
しかし、しかし。
開演時間になってもはじまらない。
そのうちに、司会の方が申し訳なさそうに口を開いた。
「あのぉぉ、実はまだ講師の方が福山駅に見えられてないんです。秘書の方には到着時間を確認させていただいてるのですが、その新幹線には乗っておられないようで。
その次にもおられなくて、シドロモドロ、シドロモドロ…………」
この当日の講師は、携帯電話をも持たない、というポリシー。本人とも全くの連絡が取れないという事態に陥ったのだ。
あまりに時間が経ってしまってるので、駅で講師をお迎えに行っていた社長が会場に現れて、お詫びをしだした。
そのうち、その社長の友人が助け舟を出すのだ。
当日の午後まで行われていたその企業の年度経営会議での会社方針を皆さんの前で披露してください、と。
皆さんの大きな拍手に押し出されるように社長さんが話を始めたのだ。しかし、30分経っても45分経っても講師到着という連絡は来ないのでありました。
そして、社長は決断するのです。
「申し訳ございません。見ての通りでございます。本日の講演会は断念いたしました。このお詫びはまた改めて皆さん方にさせていただきます。どうか、お帰りにこの私の頭を殴るなりしてお帰りください。本当に申し訳ありませんでした」
会場内からはこの社長さんを強く励ますように割れんばかりの大きな拍手は鳴り止まない。
会社の大きな節目である周年行事として思い切った講演会をされたにも関わらず、講師と連絡が取れないで断念せざるを得ない社長の気持ちはいかばかりか。
その胸の内を察しての暖かい拍手であったのだ。
ここからがこの社長の奮闘である。
チケットを買われた名前がわかる先の皆さんに連日頭を下げて回られた。それはさぞかし大変だったろうと推察する。おそらく仕事にはならなかっただろう。
しかし、その場でも皆さんから励まされ、温かい言葉を山ほど掛けられたことは間違いない。それはその社長さんの日頃をみんなが見ていたからだ。
そして過日、改めてその社長さんのお詫び状と事情説明のお手紙が私の机に置いてあった。中には講師予定の方のお詫び状とともにその講師の方のインタビューをDVDにしてある商品が人数分入っていたのだ。
しかし、それらの封筒には消印や宛名が無い。
つまり、再度社長さんが「お詫び行脚」をされて頭を下げて回ったに違いない。
でも、おそらくまたその場で社長は大きな大きな皆さんの温かい言葉をもらって、勇気と感謝と喜びをいっぱいにいただいたことだろう。
当人には申し訳ないが、
こんなにも素晴らしい周年のお祝いはなかったろう。
無責任に言えば、
本当にうらやましい社長さんでした。
いい物語に立ち会わせていただいていただきました。
ありがとうございました。











