身を挺(てい)して「あーちゃん」を守ってくれた、あるママのエピソード | ダウン症児のママはシンガーソングライター MIMOの「ギフト」な日々

ダウン症児のママはシンガーソングライター MIMOの「ギフト」な日々

ダウン症の愛娘の子育てと、シンガーソングライターとしての音楽活動を楽しんでいます。
みなさんが元気でやさしくなれる情報をお届けいたします!

夏の終わりだったろうか…うちの母があーちゃんを連れて近くの公園に遊びに行った時のことだった。そこには3歳くらいのかわいい男の子がおばあさんと遊んでいた。そしてその様子を近くで見ていたママさんがいた。母はてっきり、この三人は家族だと思ったらしい。でも実際には、たまたまその場所にいたおばあさんが、たまたま遊びに来ていた親子連れに出逢い、その坊やがあまりにもかわいいので、おばあさんが遊んであげていただけだった。

ここまでは良い話。でもね、続きがあったの。後から公園に行き、ブランコに乗るうちのあーちゃんに向かってそのおばあさん、こう言いました。

「この子何歳?何年生?どこの学校なの?!」

それに正直に答える母。それを聞いてそのおばあさん、

「そう。養護学校っていうことは、この子重い(重度の知的障害)んだね」

一瞬言葉を失った母。その後も障がい児に対する差別的発言が続いたらしい。

そうするとそれを聞いていた坊やのママさんが、即座にあーちゃんの隣のブランコに乗り、一生懸命あーちゃんに話かけ始めた。

彼女「ねえ?お歌好きなの?上手だね?なにが好き?」

あまりにも一生懸命話しかけてくれる彼女に向かって母は、

「ごめんなさい。この子話せなくて…」

それでも彼女は構わずに、まるでおばあさんの「続く暴言」を遮るかのように、あーちゃんに話しかけ続けた。

いつもなら私の話を、よそではしないうちの母、でもこの日はよっぽど腹に据えかねたらしく、思わずこう言った。

「でもね、この子のママはシンガーソングライターなのよ」

彼女「・・・・・」

この沈黙は「あれれ?この話、どっかで聞いたことあるぞ?!」だったらしい。ほどなく彼女がこう言った。

彼女「あの…それって…たちばなの…」

「えー?!なんで”たちばな”知ってるんですか?!」

彼女「あ、私、国高出身なんです。え?!ってことはあの人のお子さんですか?うわぁー!ナマで見ちゃった!うれしーい!感激ですぅー!」

もうそっからは、おばあさんはポカン顔。母と彼女が大盛り上がりになった。「たちばな」というのは私の母校、都立国立高校の同窓会冊子のこと。その頃発行になったばかりの号のトップ記事に、私のことを掲載していただいた。ちょうどタイムリーでもあったのだ。

彼女「あのたちばな、感動しました!かっこいいです!家帰ってまた、読み返そうっと!」

うぅっ…なんていいママさん…(涙)母は悲しい出来事が、まるでドラマのように感動的フィナーレを迎えたと喜んで帰ってきた。その話を母から聞いていると携帯が鳴った。CDご購入のお申し込みメール。あたたかいメッセージと共に。彼女からだった。

彼女の家はうちから徒歩3分くらい。これは郵便局に行く方が遠い(笑)どうせなら会いましょう、ということになった。ほどなくランチをした。

なぜあーちゃんのそばに近寄り話しかけてくれたのか?その理由を確かめたかった。

彼女「あの、本当におせっかいなんですが…あのおばあさんの言葉に、ちょっと”ムっ”ときてしまって…」

やっぱり…暴言を吐かれているあーちゃんを、彼女は身を投げ出して守ってくれたんだ…なんだかうれしくて胸がいっぱいになった…世の中捨てたモンじゃない。こういう人も居てくれるんだ…。彼女はこれからも良き理解者でいてくれるはず。そして彼女に育てられる坊やも…。

でもあの場所にあのおばあさんが居てくれたから、こんな感動的な出逢いの道が開かれたんだよね。おばあさんの暴言が無ければ、彼女の勇敢な行動は生まれなかったはず。一見「迷惑者」のおばあさんは実は「名役者」だったんだよね。すべての人に存在する意味があるだよなぁ、これが(笑)

今日帰宅すると、かわいいカードがポストに入っていた。彼女と坊やからだった。


坊やが車を書いてくれていた。カワイイ♡


なんだかこういうのっていいなぁ…近くで見守って応援してくれている人がいる。あったか~い気持ちになる。人の優しさを信じられるようになる…。

今年はあーちゃんを愛してくれる人にたくさん出逢えた。親以外の他人が我が子をかわいがってくれることくらい、幸せなことは無い。今年の私はまぎれもなく幸せだった…。

私たち親子にあたたかい愛を与えてくださったすべての方々に…
メリークリスマス!どうか幸せな聖夜をお過ごしくださいね!


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