万博に何度か通っている私も、「ここはハードル高いな」と思っているパビリオンの一つがアイルランドパビリオンです。今回は、整理券を手に入れて入館できたので、その様子をお伝えします。

 

 

  整理券が必要な時間帯に注意!体験内容をチェック

 

アイルランドパビリオンは、自由入場や事前予約ではなく一部整理券制を採用しています。

 

体験内容は時間帯によって異なり、以下のように分かれているようです(6月上旬確認):

  • 9:00~10:00/19:30~20:45:展示+映像体験(整理券不要)

  • 10:00~18:00:展示+生演奏体験(午前4回・午後4回のガイドツアー、各回35人、整理券が必要)

  • 18:00~18:45:展示+生演奏(先着順、整理券不要)

私が訪れたのは日曜日。「生演奏」が目的だったため、13時20分配布の整理券を狙って12時ごろから並び始めました。その時点で既に列は長く、先頭の方は何時から並んでいたのか気になるほど。椅子を持ってきている人はいくぶん快適そうに、そうでない人は地面に座るなどして静かに順番を待っていました。

 

整理券は並んでいる人本人の分しか発券されず、代表での取得は不可。さらに、予定数に達すると整理券配布列に並ぶこと自体ができなくなります。この仕組みは、万博でも屈指の“難関”といえるかもしれません。

 

 

 

  館内体験:五感で味わうアイルランド

 

指定時間の5分前に再集合。入館してまず印象的だったのは、なんとなくいい香りが漂っていたこと。アイルランドに多く見られる「ボグ(bog)」=湿原の再現展示が最初に現れます。しっとりとした空気感で、心が落ち着く感覚でした。

 

 

次の部屋では、アイルランドの手工業に関する展示。こちらの丸いのは、シンプルなのに、なぜか惹かれる不思議な形でした。

 

 

そして、アイルランドのシンボルであるハープも展示されており、実際に触れることができました。ギネスビールのマークにハープが使われているのも、アイルランドの象徴であることが理由だそうです。

 

 

展示には英語と日本語の解説がしっかりついていて、質問にもスタッフが丁寧に対応してくれました。アイルランドパビリオンでは、ただ多くの人に見せるのではなく、一人ひとりの来場者に向き合い、じっくりと体験してもらうことを大切にしている印象を受けました。

 

 

  最後は生演奏

 

展示の最後の部屋では、生演奏のセッション。


静かに耳を傾ける部分と、観覧者も一緒に踊ったりできる構成で、背景にはアイルランドの荒野の風景。風の音も再現されていて、とおい国に思いをはせる時間になります。ほんの数十分の体験とは思えないほど、心に残るひとときでした。

 

 

 

  静かな感動と出会うまで

 

確かに、並ぶのはたいへんです。でも、6月初旬の現在なら、タイミングよく並べば2時間以内で整理券を入手できるのではないかと思います。その先に広がっているのは、静かで丁寧で、どこか懐かしさを感じるアイルランドの世界。体験の密度は高く、興味のある方にはぜひおすすめしたいパビリオンでした。

 

※ 最新の整理券配布状況は、当日の現地掲示や公式SNSでご確認ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タイパビリオンは比較的入りやすいと聞いていたのですが、私が行った日はかなりの混雑ぶり。18時を過ぎてもかなりの列で、「あ、これは予約があってよかったな」と感じました。

 

 

  鏡と象が迎える、タイらしいエントランス

 

入口に近づくと、ステージ横の演目表が目に飛び込んできました。そこに書かれていたのが「赤アリの卵の狩り」。なかなか衝撃的なタイトルですよね? 併記の英語をみると、おそらくダンスみたいですが、いったいどういうものなのか、想像が追いつきません。サムライアリ的な何か?  見てみたい…!

 

 

エントランスには、象のオブジェが数体立っていて、可愛らしい印象。

建物の側面には鏡面パネルが使われていて、屋根のカーブが映り込むデザイン。実際よりも建物が大きく見えるような工夫がされていて、思わず「なるほど〜」と感心してしまいました。

 

 

  観覧は挨拶の練習からスタート

 

館内は、たぶん50人くらいの単位で案内されていたと思います。

最初の部屋では、パビリオンのマスコットキャラクターが紹介されたあと、スタッフさんがタイの挨拶について説明してくれました。両手を合わせて軽くお辞儀、というあのポーズです。実際にみんなで声に出してやってみる場面もあって、いきなりの参加型。思わず笑顔になりました。

 

 

 

  映像と展示で味わう、文化と健康

 

次の部屋では、タイの自然や文化を伝える映像を鑑賞。いわゆる観光プロモーション的な映像なんですが、水鉄砲を手にした大人たちが本気で遊んでいる姿が何度か出てきて、すごく印象に残りました。きっと水かけ祭りの様子だったんじゃないかな。楽しそうな雰囲気が画面から伝わってきました。

 

 

その次は展示室へ。この瞬間、「あ、東南アジアに来たみたい」と感じました。タイ料理屋さんに入ったときのあの香りがただよっていました。

 

タイ式のマッサージ器具は手に触れられるようになっていて、私も肩に試してみました。かなり効きそうです。そして、すごく丈夫そう。

 

 

このほか、料理の紹介もありました。

テーブルにお皿を置くと料理の映像が映し出される仕掛けもあって、子どもたちが大喜び。見た目にも楽しい工夫がされていて、全体的に体験型の要素も多かったです。

 

 

 

  最後はお土産コーナー

 

出口はお土産コーナー。今までみたパビリオンの中で一番広くスペースがとってあったと思います。スキンケア用品やシルク製品、日用品など、タイらしいものがずらっと並んでいました。

 

 

多くの人がじっくりと商品を手に取って見ていて、私もジム・トンプソンの生地を使った小物に、つい手が伸びそうに…。でもふと、「ここじゃなくても買えるかも?」と我に返って、その場ではぐっと我慢。今はネットでじっくり吟味しているところです。

 

館外にあったこれは、何だったんだろうか。登竜門?

 

 

タイパビリオンは全体的に明るくて楽しい雰囲気でした。予約も比較的取りやすいほうだと思います。混雑しているときは列ができていましたが、それでも他の人気パビリオンに比べると、わりと早く見られる印象です。

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

45分ほど並んで、ようやく入館できたアゼルバイジャンパビリオン。列は思った以上に進みがゆっくりで、「なかなか動かないなぁ」と感じました。一度に入れる人数が少ないようで、回転率はあまり高くない印象です。

 

このパビリオンの一番の魅力は、やっぱり外観じゃないでしょうか。幾何学模様(※伝統的なステンドグラス風の装飾「シェベケ」」というものとのこと。)が組み合わさった白いたてものは、パビリオンの中でもとくに目をひきます。

 

 

入口では、詩人ニザーミー・ガンジャヴィの叙事詩『七王妃』(Heft Peykar)に登場する7人の王妃が、くるりくるりと回ってお出迎え。この演出もとても印象的でした。それぞれの王妃は異なる曜日や惑星、色、文化圏を象徴し、訪れた王に寓話を語る構成になっているそうです。

 

 

 

  実はあまり知らなかったアゼルバイジャン

 

中に入ってすぐの写真パネルも印象的でした。恥ずかしながら、私はアゼルバイジャンの場所すらよくわかっていなかったのですが……パネルを見て、「フラミンゴがいるの!?」と驚き。自然豊かな国なのだと初めて知りました。

 

その後は、円形の部屋でアゼルバイジャン紹介の映像を鑑賞。天井から吊るされた天蓋?のような物があり、不思議な浮遊感のある空間演出になっていました。

 

 

次の部屋には、伝統的な楽器や服飾などが展示されています。中でも目を引いたのがX字型の書見台のような展示物で、大きな本を開いて乗せるためのもののようでした。宗教書を読むための道具かもしれませんが、「どれほど大きな本を使っていたのだろう…」と、つい想像がふくらみました。

 

展示品の後ろの絨毯?タペストリーがすごくきれいですね

 

 

  展示内容はややあっさりめ?

 

建物は美しかったのですが、正直なところ、展示内容はあまり多くはなく、映像メインの構成で「あっさりしているな」と感じたのも事実。せっかく並んで入ったのでもう少しボリュームがあると嬉しかったな……というのが正直な感想です。

 

最後はお土産コーナー。伝統的な衣装や、アゼルバイジャン特産のシルク製品などが並んでいました。

 

 

ちなみに、あとから知ったのですが、なんとこのパビリオンの3階にはカフェがあるそうです。私は入口すら気づきませんでしたが、ケーキ類が中心のカフェだとか。甘いもの好きな方は、展示のあとに立ち寄ってみるのも良さそうですね。

 

 

アゼルバイジャンという国について、これまであまり知らなかった私ですが、このパビリオンを通じて、自然と文化、そして美しいデザインに触れられたことは大きな収穫でした。

 

外観の美しさはぜひ実際に見てほしい! パビリオンの写真を撮るのが好きな方にもおすすめです。

 

 

 

 

 

インドネシアパビリオンは、「調和の中で繁構する:自然、文化、未来」をテーマに、自然・文化・未来が調和した空間を体感できる構成になっています。

 

外観は「船」をモチーフにしていて、島国インドネシアの未来への航海を象徴しているそうです。

 

 

 

  並ぶけれど、回転は早い印象

 

訪れたときはかなりの行列ができていて「これは時間かかるかな…」と思ったのですが、意外と進みはスムーズで、30分ほどで入館できました。

 

ただ、その約2時間後に再び前を通ったときには、列が大屋根リングの下までびっしりと伸びていました。タイミングによっては、かなり待ち時間が長くなることもありそうです。

 

 

  入り口ではお面がずらり

 

中に入ると、まず最初のエントランスにはたくさんのお面がずらり。いろんな形、いろんな表情があって面白く、もっとじっくり眺めていたかったのですが、スタッフの方が「インドネシアパビリオンへようこそ!」と元気よく盛り上げながら、すぐに次の部屋へと案内してくれました。

 

 

 

  熱帯雨林ゾーン

 

ドアが開くと、一気に空気が変わります。そこはまるでジャングルの中。蘭の花や食虫植物のウツボカズラがあり、湿度や温度も含めて熱帯の雰囲気が感じられました。森の中には、動物の立体や絵がそっと隠れるように配置されていて、探しながら進むのも楽しいです。

 

 

ウツボカズラの中をのぞいてみましたが、つかまっている昆虫は見当たらず、ちょっと残念(笑)。

 

 

この空間、どこかで体験したような…と思ったら、昆虫館の放蝶園でした!南西諸島の蝶が舞う展示室に、空気の感じや植物の雰囲気がよく似ていました。

 

 

 

  空間VRは酔うけど、映像は楽しい

 

次は空間VR。私はこういうのにすぐ酔ってしまうタイプなので、案の定ちょっと目が回りました(笑)。それでも思わず「おぉっ」と声が出るような迫力があって、映像の雰囲気も独特で引き込まれました。

 

 

映像はそれほど長くなく、興味のない人は途中で抜けて次の展示に進むこともできるため、会場内で人が滞留しにくくなっています。映像コンテンツがあっても、流れが止まらないのはとてもありがたかったです。

 

このお花みたいなのはパビリオンのマスコット

 

 

  武器展示が「かっこいい」

 

VRを抜けると、2階へと続く通路に入ります。ここにはインドネシア各地の武器が展示されていて、長いもの・短いもの・刃の反ったものなど、形状や装飾もさまざま。

 

「かっこいいな」と素直に感じました。こういうものを見ると、土地ごとの文化や歴史の奥深さが伝わってきますね。

 

 

 

  布地の展示に見入ってしまう

 

その先には布地の展示。

細かい模様や織りが美しく、色合いも繊細で、ついじっくり見入ってしまいました。

近寄って見られるのがいいですね。

 

 

 

  シアター

 

奥にはシアターがあり、語り部のような人物が登場して、インドネシアの伝承のような物語を静かに語っていました。映像の途中で影絵が使われる場面もあり、全体として幻想的で神秘的な雰囲気が漂っていました。

 

上映後に展示されていた影絵の人形たちは、造形が独特で、少し不気味さもある一方、どこか親しみも感じられる不思議な存在感がありました。

 

 

 

  最後はコーヒーでひと息

 

パビリオンを出ると、インドネシアのコーヒーが無料でふるまわれていました。香ばしくて美味しく、ちょっと疲れた体にちょうどよかったです。

 

子どもが「飲んでみたい」と言うので少しあげてみたところ、「にがい…」と(笑)。人生初のコーヒーは、まだ早かったみたいです。

 

 

 

  自然・文化・未来を体感

 

インドネシアパビリオンは、展示も演出も丁寧に作られていて、ひとつひとつのエリアに“らしさ”が詰まっていると感じました。私は特に熱帯植物のゾーンと布地の展示が印象に残っていてます。

 

混雑はありましたが、動線がしっかりしていて、展示の流れが滞らない点も好印象です。インドネシアという国の自然・文化・未来を、感覚を通してじかに味わえるパビリオンでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

関西の魅力が詰まっていると期待して訪れた「関西パビリオン」。ですが、実際の体験は、正直に言えば“消化不良”なものでした。今回は、訪問時の様子や注意点をご紹介したいと思います。

 

 

 

  関西パビリオンとは?

 

「いのち輝く関西悠久の歴史と現在」をテーマに、滋賀・京都・兵庫・奈良・和歌山・鳥取・徳島・福井・三重の9府県が参加。六角形の灯籠をイメージした外観に、各地を象徴する切り絵があしらわれています。館内では、それぞれの府県が独自にブースを設け、文化や観光、最先端の取り組みが紹介されているとのことです。


▶ 公式情報:

 

 

  中に入っても“見られない”?

 

関西パビリオンに入ったのは今回で2回目。前回はトイレが館内にないことに気づかず、一度出たら再入場できずに断念するという苦い経験がありました。今回はその反省を踏まえて、事前にトイレを済ませるなど、準備万端で再挑戦。

 

 

ところが、楽しみにしていた滋賀県と福井県のブースは「受付停止」の状態。どちらも少人数でのツアー形式の展示と思われ、一度に案内できる人数が限られているうえ、並ぶスペースも狭いため、一時的に受付を中止していたようです。

 

結果的に、体験型の展示として見られたのは兵庫県のみ。その他の自由観覧スペースは問題なく見ることができましたが、「事前予約で入館しても、見たい展示にたどり着けない」というのは大きな課題に感じました。

 

 

  体験ブース型パビリオンは長時間滞在に注意

 

関西パビリオンや大阪ヘルスケアパビリオン、未来の都市のように、複数の事業者や自治体が合同で運営しているパビリオンは、「体験ブース型」の構成になっていることが多いです。これは、館内に複数のブースが設置され、それぞれが独立して展示や体験を行う形式です。一見自由に見て回れそうに見えますが、実際には多くの制約があるのが実情です。

 

たとえば各ブースでは個別に受付が必要だったり、案内可能な人数が限られていたりするため、次のような状況になりがちです:

  • 入館後もさらにブースごとの待機列に並ばなければならない

  • 人気のブースでは待ち時間が非常に長くなる

  • 結果として、予定より滞在時間が延びてしまう

実際に大阪ヘルスケアパビリオンを訪れた際は、あるブースで「90分待ち」と表示されており、体験を断念することになりました。

 

さらに、館内での誘導や案内の統一感に欠ける印象もあり、動線が交錯していたり、人の流れがスムーズでなかったりと、全体として“自由に見られない”構造になっているのも残念なところです。

 

展示内容自体は魅力的なので、見たいブースをあらかじめ絞り込んでおくことが大切です。訪問時には時間に余裕をもって行動し、混雑や待ち時間にも対応できるようにしておくと安心かなと思います。

 

 

 

  イベントの多様性は魅力!

 

とはいえ、関西パビリオンの良い点ももちろんあります。それが日々開催されるイベントの多さ。ステージパフォーマンスや地域PR、伝統工芸の実演など、毎日違う企画が行われています。

 

イベント目的での来場であれば、むしろ「人が多くても楽しめる」印象。訪問前に公式サイトやSNSでスケジュールを確認しておくと、タイミングよく楽しめる可能性が高まります。

 

 

 

  訪問前の計画がカギ

 

関西パビリオンは、関西の多彩な魅力が詰まった場所。ただし、「中で見られない」「滞在時間が延びる」リスクも高いため、計画的な訪問がとても大事だと思います。

 

見たいブースが明確にある場合は、時間に余裕を持ったスケジュールを組むこと。そして、トイレの場所や再入場のルールなども事前にチェックしておくと安心です。

 

 

 

 

 

 

  外観から涼しげ

 

私がバーレーンパビリオンを訪れた日は、入館までに約30分ほど待ちました。30人ほどのグループごとに案内される形式で、列はゆっくりと進んでいきます。


外から見える建物は、まるで帆船の骨組みのようなデザイン。バーレーンの伝統的な木造帆船「ダウ船」から着想を得ているとのことです。

 

「これ、雨が降り込まないのかな?」と心配になるくらい、骨組みの構造が印象的で、風通しも抜群。夏開催の万博にはぴったりの設計だと感じました。

 

 

 

  海とのつながりを伝える展示。知らなかったバーレーンの魅力

 

館内に入ると、まず階段の前でスタッフの方が展示の概要を説明してくれます。ただ、時間に余裕がない場合は、その説明を聞かずに先へ進むことも可能とのこと。自由度が高いのがありがたいですね。

 

展示は自由に見て回れる形式で、古い道具から現代の技術まで、さまざまなものが紹介されていました。

 


私自身、バーレーンについてほぼ何も知識がなかったのですが、今回初めて「島国」であることを知りました。なるほど、海との関わりに関する展示が多いのも納得です。

 

 

印象的だったのは、青い布が風にたなびく演出。自然の風と調和し、とても美しい空間が生まれていました。

 

 

F1も有名なんですね、バーレーン

 

 

  展示のボリュームはちょうどいい

 

展示品の数は多すぎず少なすぎず、じっくり見る方も、さっと見たい方も、どちらでも楽しめるようになっています。


建物の構造上、ところどころに隙間があり、そこから見える外の景色も、まるで展示の一部のようで印象的でした。

 

閉鎖されてしまった「文明の森」がすぐそば

 

 

バーレーンパビリオンは、「海とのつながり」をテーマにした、明るく開放的な建築と、ちょうどよいボリューム感の展示が魅力的でした。

 

▶ レストランメニュー

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近、万博会場を歩いていて驚いたのが、「並ぶことすらできないパビリオンがある」という事実。

 

えっ、並べない? 入館制限!?
 

そんな看板を目にする機会が、明らかに増えてきました。

 

 

  並べないパビリオン、増えてます

 

これまでは、どんな人気館でも、早めに並べばそのうち入れるという感覚がありました。
ところが最近は、ピーク時には行列そのものを締め切ってしまうパビリオンが続出。

 

私が実際に見かけた限りでも、
スイス館、ヨルダン館、サウジアラビア館、インド館は、「受付停止」や「入館制限中」の札が出ていました。
 

つまり、並ぶことさえ許されないという状況。

これはかなりショックですよね…。
おそらく安全上の配慮や動線確保のためだと思われますが、来場者としては対策を考えたくなります。

 

 

  パビリオンの「見学スタイル」は大きく3タイプ

 

実は、どのパビリオンも同じように回転しているわけではありません。 見学スタイルの違いによって、回転率や待ち時間が大きく変わります。以下に、完全予約制のパビリオンは除外し、私が現地で確認できた範囲で3つのタイプに分類してみました。

 

※状況は日々変化しており、私の訪問時と現在では異なる可能性がありますし、今後変わっていく可能性もあります。最新情報はSNSなどで随時ご確認ください。

 

 

1. 自由見学型(回転が速い)

中に入ったら自由に展示を見て、好きなタイミングで出てこられるスタイル。 映像展示があっても途中退出OKで、館外に行列ができていても、比較的早く入れます(そうはいっても、待つことは待つのですが…)。

 

該当例: アゼルバイジャン、アラブ、インドネシア、オーストラリア、カタール、シンガポール、スペイン、中国、バーレーン、ベルギー、フランス、マレーシア、モナコ、北欧など

 

 

2. 順路移動型(回転が遅い)

決められた映像や展示を順番に見ながら、部屋を移動していくタイプ。 途中退出は不可で、パビリオン側が入館者の移動を完全にコントロールします。

 

そのため、入館待ちの行列が長くなりがちで回転率は低め。 このタイプのパビリオンは予約制にしているところが多いですが、以下は予約不要、または予約と当日待ち列を併用して運用しているパビリオンの例です。

 

該当例: アメリカ、イギリス、エジプト、オランダ、クウェート、韓国、ルーマニアなど

 

 

3. 制御型(中間)

一定人数をまとめて案内し、一定時間映像などを見せる方式です。映像展示をパスはできませんが、順路移動型よりは短時間で済むことが多く、中程度の回転率です。

 

該当例: ウズベキスタン、オーストリア、タイ、フィリピン、マルタなど

 

イタリア館は本来はこのタイプに分類されますが、来館希望者が非常に多く、待ち時間が4時間を超えることもあるなど、行列の規模が他と比べて桁違いです。そのため、ほかの同タイプのパビリオンとは分けて考える必要がありそうです。

 

 

  効率よく回るための戦略

 

では、これらをふまえてどう動けばいいのか?


1日でできるだけ多くのパビリオンを楽しむために、見学スタイルと混雑傾向をふまえた戦略を組み立ててみました。 ただし、会場の状況は時間帯や天候によって大きく変わるため、現地での判断やSNSなどを通じた最新情報の確認も重要です。

 

◆ 基本方針はこれ!

  • 午前中は“受付終了リスク”の高い人気館や、順路型・制御型など時間のかかるパビリオンを優先的に回る
     

  • 昼前後は、比較的回転率の良い自由見学型で数を稼ぎつつ、休憩も意識する
     

  • 午後は、体力や空き時間に応じて体験型や、当日予約が取れていれば予約時間にあわせた行動を調整する

 

◆ その他のコツ

  • 自分でペース配分できるパビリオンは“時間調整役”に便利
     

  • 「行きたい順」は大事だけれど、「回転率」も考慮して計画を立てると、より多くのパビリオンを回れる
     

  • 大屋根リングは休憩や時間調整時に見学して効率化

 

 

  作戦を立てて、充実度UP!

 

どのパビリオンも魅力的で、「たくさん見たい!」という気持ちになりますよね。
でも、現実には1日ですべてを回るのは難しい…。

 

だからこそ、

  • 見学スタイルの違いを把握して、優先順位をつけて動く
     

  • どのパビリオンでどんな展示があるのか、どのくらい待つのかを事前に調べておく
     

  • 現地では少しの工夫と柔軟な対応がカギ

とはいえ、予定通りにいかないのもまた万博の醍醐味かもしれません。

偶然立ち寄ったブースでの出会いや、意外な発見もたくさんあります。
無理せず、自分のペースで楽しむことも忘れずに楽しみたいですね!

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、万博会場のあるパビリオンで、前に並んでいた人が小さな壺のようなものを手にしているのを見かけました。


それを見た子どもが「あれなんだろう?」「どこで手に入るの?」と興味津々。どこで買ったか聞いてみたら?と促してみたものの、恥ずかしがって自分では声をかけられなかったので、帰宅後に私がSNS(X)で調べてみたところ、チュニジア館の前で実演販売されている壺であることがわかりました。

 

さらに調べていくと、購入すると生乾きのまま裸で持ち帰るスタイルであることも判明。なるほど、だから手に持っていたんですね。 そうと分かれば準備もバッチリ。今回訪問時には紙袋を持参して、実際に買いに行ってきました。

 

 

  チュニジア館前で出会える器づくりの実演

 

チュニジア館の前に行ってみると、出口あたりに赤と白のチュニジア国旗を背景にした実演スペースがあり、足で蹴って回すろくろを使って器を作っている様子が見られました。

 

 

くるくると回る台の上で、粘土がみるみるうちに壺の形になっていく過程は見ていてとても楽しく、つい足を止めてしまいます。

 

 

机の上には、たくさんの小さな水差しのような壺がずらりと並んでいます。
高さは10cmほどで、フォルムも様々。

価格は1個500円です。

 

 

  名前を彫ってくれるカスタム体験

 

欲しい人は、職人さんに(英語OK)に「この形がほしい」と伝えるます。

すると、「Your name?」と聞かれ、アルファベットで名前を伝えると、その場で名前を彫ってくれるサービスつきでした。

 

発音では若干伝わりにくい感じもしたので、スマホのメモ帳などに名前を書いて見せるのがおすすめです。

 

仕上がった壺は段ボールの小さな台に載せてくれて、最後は笑顔で記念撮影タイム!

 

 

  支払いは館内で。乾くまでは30分〜1時間

 

支払いは館内のレジで「買いました」と申告すればOK。


注意点としては、焼かれていない=乾燥途中の粘土なので、すぐに壊れやすいこと。

レジの方からは「乾くまで30分ほどです」と説明されました。

 

実際、30分ほどで表面が落ち着いてきて、ちょっと当たったくらいでは壊れない程度に硬化していました。ただ、柔らかい状態の器を人込みの中で持ち歩くのは無理だったと思うので、あらかじめ紙袋を持参しておいて本当によかったです。

 

1時間ほど経つと、壺は段ボールの台から自然にはがれるほどに乾いていました。紙袋の中でゴロンと転がって焦ったものの、すでに壊れるような柔らかさではなく、無事でした。

 

館内には色とりどりの器

 

 

  焼成なし。器の状態は「なまきじ」

 

この壺は焼成されていない状態で提供されており、「なまきじ(生素地)」と呼ばれる段階のようです。釉薬もかかっていないため、水を入れるなどの実用には向きません(水を入れたら、かちかち山の泥船のように崩れてしまうかも)。

 

でも、その素朴さや、素手で触れられるやさしい質感には、焼き物とはまた違った魅力があります。

 

1日経過すると、表面は白っぽく乾いた感じになりました。ただ、あまり乾燥しすぎると今度はヒビが入ったり割れたりしそうで…どうなるかちょっと心配でもあります。

 

 

 

  世界でひとつだけのクラフト体験、いかが?

 

チュニジア館の外で出会える、小さな異国体験。その場で形を整え、名前を彫ってもらえる壺は、万博の思い出としてもぴったりでした。子どももこの壺をきっかけに、チュニジアという国をしっかり覚えたようです。

 

ただ、実演している方は常にブースにいるとは限らず、休憩時間などで不在の時間帯もあるようです。さらに屋外での実演なので、雨の日は行っていないかもしれません。そもそも会期を通してずっといるのかどうかも不明で、実際に5月初旬に訪れた際は見かけませんでした。

 

見つけられたらラッキー、くらいの気持ちで立ち寄ってみるのがよさそうです。興味のある方は、紙袋の準備も忘れずに。

 

なお、館内の映像展示は、めちゃくちゃ印象に残ります。夢に出そう。

 

出口のお花のカーテン

 

 

 

 

 

 

 

 

大阪・関西万博で訪れたフィリピンパビリオン。テーマは「Woven(織りなす)」。コンセプトは「自然、文化、共同体― よりよい未来をともに織りなす」です。その名の通り、伝統と現代、地域と世界、人と人が交差するような展示が印象的でした。

 

 

  外観と構造:織物でつくられた建築美

 

まず目に飛び込んでくるのは、212枚の伝統織物で彩られた外観。まるで巨大なタペストリーに包まれているような建物です。これらの織物は、フィリピン各地から集められたもので、18の民族言語圏を代表しています。東ゲートから入るとほぼ正面なので、印象に残りやすいですね。

 

 

私が訪れたのは休日でしたが、待ち時間は20〜30分ほど。列が長く見えても意外とスムーズに進みました。およそ20人ずつのグループ単位で案内されていたようです。

 

 

  最初の部屋:幻想的なライトショー

 

入場後すぐの部屋では、天井から吊るされた短冊状の布に光が投影され、美しい光の演出が広がっていました。ふんわりと光に包まれた空間は、“織りなす”というテーマを象徴しているようでした。

 

 

 

  メイン展示:織物とインタラクティブ体験

 

メイン展示では、各地域の織物が紹介され、それぞれの文化的背景も感じ取ることができました。少し照明が暗めで見づらい部分もありましたが、布地好きとしては興味深かったです。

 

 

奥にあるスクリーンでは、来場者の動きに反応して植物や花で構成された人型映像が映し出されるインタラクティブな演出も。動きにあわせて映像が変わるしくみで、小さな子どもでも楽しめるつくりになっています。うちの子も夢中で動き回って、映像とのやりとりを満喫していました。

 

 

 

  最後のコーナー:AIによる顔変換体験

 

展示の締めくくりには、来場者の顔をAIでフィリピンの自然(花や魚など)と融合させた画像を生成してくれる体験コーナーがありました。私も試してみましたが、完成した画像は…誰だかわからないレベル(笑)。まったく面影がなくて笑ってしまいました。

 

このコーナーは少し時間がかかるため、やや列ができていましたが、余裕がある方はぜひ体験してみてください。写真はウェブからダウンロード可能です。

 

 

  ショップ:ドライマンゴーが美味しい!

 

出口近くには小さなお土産コーナーがあり、フィリピンの工芸品をはじめ、ドライマンゴー、バナナチップス、チョコレートなどが販売されています。私はドライマンゴーを購入しましたが、とてもおいしくて満足でした。

 


マスコット? メガネザル??

 
 

フィリピンパビリオンは、見た目の美しさに加え、実際に体験できる展示が豊富で、家族連れにも楽しめると思います。

 

展示を通して感じたのは、フィリピンという国が大切にしている「多様性」や「つながり」。文化を「織りなす」力を体感できる、とても意義深い時間になりました。

 

 

 

 

 

 

 

カナダパビリオンは、「氷山の中で体験する再生」がコンセプト。春に氷が溶けていく川の風景をモチーフにしたという外観は、白を基調に赤い「CANADA」の文字が際立っています。

 

私は事前に予約をして訪問しましたが、入館までにはおよそ45分待ち。予約なしの列は120分待ちという表示もありました。夕方ということもあって処理が追いつかず、全体的に列が滞っていた印象です。せっかく予約をしていてもなかなか進まない列には、正直少しストレスを感じてしまいました。

 

ただ、そんな中でもちょっとした心の和みが。 入り口で予約チェックをしていた男性がとてもフレンドリーで、子供に向かってQRコードリーダーで撃つふりをしてくれるなど、遊び心たっぷりの対応に子どもは大喜びでした。

 

 

 

  入場後は専用端末でAR体験!

 

パビリオンに入ると、まずはスタッフによる簡単な説明がありました。「フランス語の方は?」という問いかけもあり、英語とフランス語が公用語のカナダらしい配慮を感じました。

 

そしていよいよ、AR体験のスタート。
 

1グループにつき1台、しっかりした持ち手のついた端末が貸し出されます。これが意外と手に馴染みやすくて、子どもが使っても安心。形はまるで横に広い玉子焼き器のような…。

 

冷んやりとした室内には、いくつもの氷山のようなオブジェが並んでいます。このオブジェに端末をかざすと、ARによる映像が現れるという仕掛け。カナダの自然や文化、エンタメ、歴史など、さまざまなトピックが飛び出してきます。

 

 

特に子どもはこの「探してかざす」という体験が楽しかったようで、夢中になって歩き回っていました。端末の反応にはちょっとコツがあって、ゆっくりじわーっと動かすと、ちゃんと映像が現れます。大人も一緒になって楽しめるインタラクティブな展示でした。

 

 

 

  技術と体験のバランスに感心

 

このAR体験は、実際に手に取って動かしてこそ、その面白さが伝わる仕組み。氷山のようなオブジェに端末をかざすと、画面に鮮やかな映像が現れる瞬間は、思わず「おおっ」と声が出てしまいます。何が映るかは実際に行ってからのお楽しみということで、今回はあえて映像出現後の写真は載せないことにしました。

 

端末の操作や貸し出しに時間がかかるぶん、列の進行がゆっくりになることもありますが、それを差し引いても体験価値の高い展示だと思います。

 

ただ「見る」のではなく、「自分で動かして発見する」プロセスがあると、記憶にも残りやすいですね。

 

 

カナダパビリオンは、未来に向けたテクノロジーの可能性と、多様な文化への敬意が込められた空間でした。氷の中に秘められたカナダのメッセージには、私自身とても惹かれるものがありました。

 

ただ、端末の貸出などに少し時間がかかるようなので、予約がある方も時間に余裕をもって訪問するのがおすすめです。

 

 

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