さよなら!日比谷公会堂 アーカイブカフェ。その不思議空間。 | お出かけ大好き  みみみのごはん

お出かけ大好き  みみみのごはん

東京近郊の食いしん坊なお出かけブログです。
※現在は、お出かけブログと日々の小さな楽しみを見つけるブログを書いています。



日比谷公会堂をご存知ですか?


1929年(昭和4年)に、当時の東京市長 後藤新平氏の発議と安田善次郎氏の寄付金によって建設された日比谷公会堂。

戦前、戦後にかけて、内外の著名演奏家による演奏会が行われ、日本のカーネギーホールと称されました。






しかし、施設の老朽化が進んだため、2016年4月から大規模な改修工事が行われることになりました。







そして、この改修工事に合わせて、3月15日で静かに営業を終了するお店がありました。





それが、「アーカイブカフェ」です。






それはちょっと不思議な世界のカフェでした。





まずはカウンターに行き飲み物を注文し、あとで席まで運んでくれます。


ブレンドコーヒー520円、アイスコーヒー550円、ケーキセット850円 ほか。


若い男性が一人で切り盛りをされている様子。

私が、「シフォンケーキ デコレーションセット」を注文すると、「今はデコレーションしてないんです。以前はクリームとあんこなどを出していたんですけど、シフォンケーキが紅茶なので合わないってことに気付いたんで」と言うと、いたずらっぽく笑いました。


あはは、そうか気づいたのか、じゃ仕方ないね。

というわけで、普通のシフォンケーキとアイスカフェオレのセットを注文し、ソファー席に着きました。


撮影可能ということだったので、まわりをまずはぐるりと見学。

この独特の雰囲気はなんだろう。




よくあるタイプの、町の資料館みたいな要素があります。

日比谷公会堂の歴史が書かれた年表や資料がありました。


高めの天井に、そっけないほどの明るさ。

イメージとしては、古い町の資料館やお役所みたい。


ここは、カフェを利用しなくても「見学無料」と書いてありました。

でも、せっかくならコーヒーでも飲んで少しゆっくりしたいですね。









レトロといえば聞こえはいいですが、その雑多な感じはわざとそれっぽくしてあるというよりも、自然とそうなったみたいです。


椅子のバラバラさ加減も、オシャレカフェのそれとは違って、「本当にあるものを寄せ集めたんだろうなぁ」という感じ。






そうこうしているうちに、ケーキセットがきました。




わお、かなり大きいサイズのシフォンケーキ。

水玉みたいにシナモンが振ってある斬新なデザイン(笑)


そして、アイスカフェオレもかなり大きいサイズ。

ふわふわで甘さ控えめ紅茶のシフォン。

優しい味です。



BGMには、クラシックが流れていました。

私は全く疎くて、演奏家どころか曲名すらわからない感じ。

でも、それは息を詰めて聞くような雰囲気ではなく、ソファーにゆったり腰かけて、本でも読みながら時を過ごすというような嫌味の無い過ごしやすい空間でした。


お店には、常連らしきおばさまグループや、クラシックやオペラに詳しい男性、私のように明らかに「閉店前だからやってきた」という感じのおひとり様女性などがいました。

スタッフの男性とオペラの話しをしていた客の男性が帰ろうと立ち上がりました。


すると、そのスタッフの方が小走りで「じゃ、すこしだけ今かけますよ」と蓄音機にレコードをのせ、針を置いたのです。






蓄音機は80年前の英国製とか。

しばし聞きほれました。


目の前で見ていた私に、スタッフの方が「いやー、忙しくて音楽をかける時間も無いです」と笑いました。

その一言で、なんとなくこのお店の日常が目に浮かびました。


公演の無い日、常連のおばさまや男性たちがふらりとやってきて、音楽の話しやちょっとした世間話をしながらレコードをかける。


そのスタッフの方は、どこにどのレコードがあるかは把握しているとおっしゃっていました。


「じゃあこれをかけましょう」なんて言いながら、レコードに針を落とす。

きっとそんな静かな毎日だったんだろうなって思います。

ここのところは、私のように閉店を知ってから訪ねる人が多くて、きっと彼は好きな音楽をかける時間も無いのでしょう(笑)


こうなる前、もっと静かに昭和の時間が過ぎていたころ、このお店を訪ねたかったなと思い少し残念でした。



ソファーの上に、ギターが置いてありました。

よく見るとボディーにどなたかのサイン。

ここで演奏をした方の置き土産でしょうか。










気になったのは、あのカーテンの向こう。




この部屋はもともと、何だったんでしょう。


楽屋のようであり、事務所のようであり。

でも、あのカーテンの感じはまたちょっと違うし。


店内の展示を見ていたら、そこに書いてありました。


ここはもともと、日比谷公会堂のエントランスホールでした。

切符を買い、クロークに手荷物を預け、2階のホールへ向かったのです。


ということは、あのカーテンのある場所は、チケット売り場とクローク!!

そしてちょっと天井が高いこの部屋ですから、妙に納得です。





蓄音機の蓋の内側には、有名なアレだ。




His Masters Voice






出入口のドアがまた、リアルなレトロ。




アーカイブ・カフェをご紹介しました。

いかがでしたか?


携帯をいじるよりも、のんびりとお気に入りの本でも読みながら時間を過ごしたいお店でした。

3月15日までの営業です。

もし気になった方は、のぞいてみてくださいね。







最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。




ランキングに参加しています。
下の「京情報」のボタンを押して頂けると、明日からまたがんばれます!







にほんブログ村 地域生活(街) 東京ブログ 東京都情報へ



にほんブログ村



日比谷公会堂 ⇒  http://hibiya-kokaido.com/




今日も番外編ブログ「みみみのおやつ」で弱音を吐いています…

もしよかったらご覧になってください。

「みみみのおやつ」 ⇒ http://ameblo.jp/nanatsunoumidenanami