②の続きになります。
母の望みの中に
「 写真が見たい 」
というものがありました。
「写真って、ああいうの? ☝️🙄
(デイサービスの写真が飾ってある)」
「違う。そこは今でも行ける。
もう行けない場所の写真が見たいの」
「 昔の写真が見たい 」
と言っていました。
体調の良い時
椅子に座らせて
目の前でアルバムを広げながら
「 昔 旅行で行ったところだよ 」
等 説明しながら、
遡って見せていきました。
アルバムはモノクロから始まり
途中からセピア色になり
徐々に鮮やかな
カラーになっていきました。
母は
ゆっくりと
アルバムに手を伸ばしていきました。
手の動きは鈍くブルブル震えています。
普段は視点が定まらない事も
多かったのですが、
その時はしっかりと見ていて
割と長い時間、逸らさなかったのです。
本当に見たかったんだなぁ…
って思いました。
私は本人の意思を
間接的に伝えてるだけなので
実際 やってみた時の反応とかは
普通の家族と変わりません。
母が言っていたことは、
こんな感じでした。
*( 学生の時の写真を見て )
高校の頃 仲の良い女友達がいた。
2人いて特にそのうちの1人が
よく話しかけてくれた。
*( 旅行中、全身映ってる写真を見て)
この服、お気に入りだったの。
シルエットが素敵だと思ってた。
*( スーツ姿の父の写真を見て )
密かにかっこいい…と思っていた。
*( 海の写真を見て )
水着はね、本当は恥ずかしかったの。
私の知らない 私が生まれる前の
母だなぁ、と思いました。
写真は子供が生まれてからも
引き続きあったのですが、
特に強く伝わってきたのが
結婚前の、父と2人でデートしている
姿でした。
母にとって父は
特別な存在だったのだと思います。
いつまでも恋心を大切にする乙女。
そう見えました。
④に続きますね。
過去の記事はこちら ↓↓↓