ネパールに来るきっかけになったあのカトマンズのチヤ屋さんがなくなった、と聞いたのは昨日。
あまりにも突然で、失意のままポカラからカトマンズに着いた。
先週ここに来た時はまだあったのに。
お客さんもいっぱいで、ダイ(おじさん)もディディ(おばさん)も何も変わらずそこにいた。
かつてのその場所は、味気ない駐車場になっていた。仕方ないと言い聞かせながらも呆然とその場に立ち尽くす私。
しかしなんと、ダイと偶然道でばったり。
『あっちの路地の奥でチヤ淹れてあげるからおいで。』と。
…嬉しすぎた。もう会えないと思っていたから。
案内された路地の奥の小さなスペースでは、いつものお客さん、その更に奥の小さな台所では、ディディがチヤやカジャを作っている。
相変わらずの青空営業だけど、変わらないダイとディディとお客さんの姿に心から嬉しくなった。
聞けば、立ち退きだそう。。長く長くお店をしていても、突然の立ち退きはネパールではよくあること。今は仮にこの場所で営業していて、新しい物件をダイが毎日探している。タメルの中心で、あれだけの広さの場所で同じ条件で見つけるのはなかなか難しいと思うけど、たくさんのお客さんに守られているこのお店。どこに移ってもあのなんとも言えない雰囲気の、みんなの場所であってほしいのだ。
いつも当たり前にあったものがなくなる。
鎌倉のmimiもそうだったのかなー、なんて反対の立場になって初めてほんとにわかってみたり。
やっぱり、そのときが大切なんだと思った。
会いたい人、行きたいところ、欲しいものも、言いたいこともそのときじゃないと意味がない。次いつあるかはわからない。こんな生活をしていると、改めて思う。
けれどそれと同時に、縁があれば必ず時と形は変わってもまた逢えるんだとも思った。