『ウエイトスミス版』R塔
世の中の技術は感動をもたらすほどの進歩。それなのに人間は、相も変わらず愛人をこさえたりと、本能に理性が屈する動物的な側面を残す。技術が進歩すればするほど、人間が動物化している感すらある。
技術の進歩は恩恵をもたらすだけでなく、わたしからやりがいを奪ってゆく。
生活は便利に楽になるが、一抹の寂しさを感じてしまう。大変だった日常の出来事がボタン一つであっけなく終わってしまう。
この変化の波には、どうしたって抗えない。
わたしが守らなければと思っていたものも、べつにないならないでよいものなのだろう。
だからといって、わたしが否定されたわけではない。
そのことさえ忘れなければ、この変化を前向きに受け入れることができる。そして、これまでのわたしの頑張りをわたしだけは忘れないでいよう。