ちょっとつぶやき -17ページ目

ちょっとつぶやき

徒然に書き綴っております

月のない夜
雨が音を奏で 強く弱く
寂しげに もの悲しげに
降っている

何故 復讐を選んだの
何故 私を選んではくださらなかったの

想い焦がれ 貴方と重ね逢えた時間を慈しむ間もなく

貴方は 私を捨てて復讐を選んだ

あの頃は 私も貴方も添い合う夢を見ていた

貴方が憎い でも 私の愛さえ強く大きければ 貴方は私を選んでいたのかも知れない
貴方が歩む復讐に 愛が 私が注ぐ愛が勝てなかった私自身が憎い

貴方の復讐が終わった時に
私を失った悲しみにうちひしがれるように

私は 憎い貴方の心に住み着くように
私は心を壊した振りをしてあげましょう

貴方に出逢っても 重なり逢えた時間を忘れたように 微笑んで貴方の前を通り過ぎましょう

でも 愚かな私は私を本当に壊してしまった




雨が音を奏でている
強く弱く

女の儚くも哀れな物語を

半月の浮かぶ夜に
風が強く吹き荒れる

百鬼夜行も荒れる風に恐れて姿を現さず

風の音で夜が過ぎてゆく


東殿 東殿
目を覚まされませ

そなたが願われた世は そう願われたままでおりゃしゃりますか

東殿 東殿
目覚められませ 


わちと伴に 時を語らいましょう

世を平たくと願ったわちの思いはまだまた叶われず
世を平たくと願う人々が多くなり この世もなかなか捨てがたいのですが

東殿 東の鬼殿

月を見上げて そなたに問う

そなたが願われた世は 叶われましたか
雲の切れ間が月明かりで青さが増し
闇が透けて見える紛い物になる

人は もののけに怯え
夜を嫌い朝を待つ

綺麗に弓のようにしなる月が浮かぶ

杯を空にしては 月を眺め人の愚かさや儚さに考えふける

黙って酒を注ぐ鶫もまた 月を眺め人の冷たさと温かさに思いを馳せては 思い出せぬ産み落とした母の顔を浮かべて己の時の永さを知る

金木犀の薫りが漂い 時は移り変わる

金木犀の薫りに紛れて 北の地から蛇が気配を送り込んできた