月灯りが竹林の隙間から零れている
三尾の狐が目の前に立つ狐面の童子に聞いた
これは お前の仕業か
狐面の童子は 帰るのが正しいと言っております
と答えた
捜し物さえ見つけたら帰る
道を開けてはくれまいか
狐は そう言うと身体を掻いた
この地は鬼の姫の棲む場所
無断で立ち入るとは 如何なるおつもり
身体を掻きながら 狐は返した
ある碑を捜しており そなたに話す話でもあるまいな
道を開けよ
風が吹いたかと思うと 狐面を頭に被り鬼姫が現れた
柊が 鬼姫の肩で言う
三尾の狐でも 阿呆がおるとはなんと情けない
三尾の狐は 唸りながら後退りする
お主らが捜しておる場所は 永久に行かせぬ
対価は頂いておるゆえに
そうじゃ 長に伝えよ
男狐の子は こんなに可愛い子じゃとな
狐面の童子は 狐の姿に変わった
七尾の狐
三尾の狐は 争う訳ではない
と言って姿を消した
風雅は その姿のまま鬼姫にすり寄ると童子の姿に戻った
気にするな
さて 山の実を摘んで帰るとしよう
そう言うと 山の奥深くに消えて行った
走り帰る三尾の狐の一匹に 矢が放たれた
青い羽の矢を受けながら 館に着いた
その矢を見た長は 鬼に近づく事はなかった
暑く照りつける陽射しも柔らかくなり
人々が垂れ落ちる汗に笑みも浮かべるようになった季節風が駆け抜ける
姫鬼の身体を狐の気配が纏いだす
柊が逸早く気付いた
いかがなさいますか?
そう言うと 風雅が慌てて廊下を走ってきた
母様 三尾狐が山に入ってきております
姫鬼はにやりと微笑んだ
柊 そなた如何する?
風に歪みを作って頂き 帰って頂くのが良いかと
三尾ならば 馬鹿では御座いませぬ
読んで帰られると思います
そう言うと 風雅を見た
風雅 そなた如何する?
私も帰って頂きたくございます
そう答えると うつむき歯をぎしりと噛み締めた
ならば 帰って頂こう
目的がなんであるかは わちにも解る
そなたの心の場所じゃ
そなたの思う通りにすればよい
姫鬼に言われて 風雅は結界を曲げくるくると同じ場所を走らせた
二回りして首をかしげた
三回りして 狐は足を止めた
目の前には 狐の面をした子供がいた
そなたの仕業か?
狐が聞く
人々が垂れ落ちる汗に笑みも浮かべるようになった季節風が駆け抜ける
姫鬼の身体を狐の気配が纏いだす
柊が逸早く気付いた
いかがなさいますか?
そう言うと 風雅が慌てて廊下を走ってきた
母様 三尾狐が山に入ってきております
姫鬼はにやりと微笑んだ
柊 そなた如何する?
風に歪みを作って頂き 帰って頂くのが良いかと
三尾ならば 馬鹿では御座いませぬ
読んで帰られると思います
そう言うと 風雅を見た
風雅 そなた如何する?
私も帰って頂きたくございます
そう答えると うつむき歯をぎしりと噛み締めた
ならば 帰って頂こう
目的がなんであるかは わちにも解る
そなたの心の場所じゃ
そなたの思う通りにすればよい
姫鬼に言われて 風雅は結界を曲げくるくると同じ場所を走らせた
二回りして首をかしげた
三回りして 狐は足を止めた
目の前には 狐の面をした子供がいた
そなたの仕業か?
狐が聞く
陽の光が射す中
降りしきる雨が 人を称え
不浄を忌ましめ
人で在らざる物に嘆きを謳う
母様 母様
童子達は 嫌なものを噛み潰した顔をして鬼姫に駆け寄る
致し方ない
たまの事 天の嘆きはわちでもどうにも出来ぬ
時が経つのを待つしかあるまい と鬼姫は童子達を宥めた
ふてぶてしく空を見上げて 童子達は時が経つのを待ちながら 各々の悪口を言っては けらけらと笑い 怒り または鬼姫に泣きついては また悪口を言う
まるで 人の悪意を曝すかのように童子達は雨が止むのを待っている
降りしきる雨が 人を称え
不浄を忌ましめ
人で在らざる物に嘆きを謳う
母様 母様
童子達は 嫌なものを噛み潰した顔をして鬼姫に駆け寄る
致し方ない
たまの事 天の嘆きはわちでもどうにも出来ぬ
時が経つのを待つしかあるまい と鬼姫は童子達を宥めた
ふてぶてしく空を見上げて 童子達は時が経つのを待ちながら 各々の悪口を言っては けらけらと笑い 怒り または鬼姫に泣きついては また悪口を言う
まるで 人の悪意を曝すかのように童子達は雨が止むのを待っている