不用品 | 群衆コラム

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耳目を惹きつけて止まない話題の数々。
僭越ながらお届けいたします。

今年のゴールデンウィークはめずらしく連休となったが、

 

いまのところ不用品の選別と処分に

 

明け暮れている。

 

 

 

三辺の合計が140センチになる段ボール箱に

 

一杯の物品が、

 

今後使われないものと判断された。

 

これらの物品を寄付できるところがあると知り、

 

まとまりしだい発送する。

 

 

 

それにしても、けっこうな大きさの箱である。

 

こんなにたくさんのものが

 

うちからなくなろうとしているのに、

 

部屋がすかすかになった気がしない。

 

この箱の中にはたしてなにを入れたのだか、

 

もうあまり覚えていない。

 

思い出さないうちに封をして

 

送ってしまうのがよいだろう。

 

 

 

これらの物品はそのまま再利用されるそうなので、

 

ぜんぶ使えるものを入れた。

 

困っている人のお役に立てれば、

 

という気持ちで送るのではない。

 

いらないものを処分したい。

 

でも捨てるには忍びない。

 

それだけである。

 

まったく自分の都合で寄付という形を利用した。

 

いいことをしたとは思えない。

 

 

 

寄付をするなら、お金が一番便利だろうと思う。

 

いらないものを送るのを「寄付」というのは気が引ける。

 

「あんたのいらんものは、わたしもいらん」

ゴミが捨てられる現場に立てられた看板の写真を見たことがある。

うちから出た不用品のどれくらいのものが

ほしいと思ってもらえるだろうか。

少しだけそんな心配はあるけれど、

やっぱり送ってしまうのである。