司馬遼太郎著『竜馬がゆく』を読んでいる。
もう(四)まできた。
これは小説というより、
司馬さんの語りを聞いているような本であり、
幕末の世がどのようであったかが
詳細に描かれている。
桂小五郎、高杉晋作、大久保利通など、
名前は知っているけれど、
じつは何をしたのか全然知らない人たちだったが、
こういうお話で聞くと
なるほどそうだったかとわかりやすい。
わたしの歴史の知識とはひどいもので、
「大久保利通とはどんな人ですか」という問いに、
「鹿賀丈史がやっていた人です」
くらいしか思い浮かばない
(大河ドラマ「翔ぶが如く」のこと)。
こんなわたしのような人間には、
まことにありがたい本なのである。
さて、本を読んでいて驚くのは、
当時の人についてである。
新聞やラジオなどメディアらしいものがなかった時代に
「わしは坂本竜馬じゃ」と言われて、
「これがあの坂本!」とわかる。
ぜんぜん違う藩の人間でもわかるのである。
さらりと書かれているが、
これ、じつはすごいことではないだろうか。