漫画への道のり | 群衆コラム

群衆コラム

耳目を惹きつけて止まない話題の数々。
僭越ながらお届けいたします。

ビフォアとアフターよりも

その過程がおもしろい。

これをどう残したらよいか。

はじめに思いついたのは、新聞である。

カイゼンに関する新聞をつくってはどうだろう。



すぐにだめだと思った。

文字ばかりの文書を

だれが読む気になるだろう。

「カイゼン」というトピックだけで

人を引きつける紙面をつくるのは厳しい。

はじめはよくても、

すぐに飽きられてしまうだろう。



読んでもらうために、

わざとおもしろおかしく書きそうなのもよろしくない。

おもしろおかしく書かなくても、

カイゼンの過程はそのままで十分におもしろい。

へんな味付けはいらない。



カイゼンの過程のおもしろさを

できるだけそのまま伝えるには

どうしたらいいか。

カイゼンをした人を主役にして書くのはどうだろう

と思いついた。

書かれた人も喜んでくれるかもしれない。

自分が主人公の記事なんて、

そうそうお目にかかれるものではないのだから。

もちろん、その逆もまたありうる。

だから気をつけなければならないけれど、

書かれた人が喜ぶなら、

「わたしも描いてもらいたい」という気持ちが

つぎのカイゼンアイデアを生むかもしれない。



こんなことができるのは漫画しかない、

と思ってしまったから、

もう描くしかなくなった。

漫画を描く手間と

おもしろい話が消えてなくなることを秤にかけたら、

漫画の手間はとても軽かった。