科学する心を助ける環境造り - 子供たちの好奇心へ | プロムナード

プロムナード

古いこと、新しいこと
いつでも、どこでも
思いつくまま、気の向くまま


ふと、思ったんだが、誰にでも知的好奇心というのはあるわけで、しかし、それを助ける段取りやお膳立てがないと、その芽は伸びないかもしれない。特に子供の場合にはそれが顕著だ。

人が何か試してみようと思ったとき、事前に試すための道具や器具などが揃っていればいいが、それがない場合には自分で準備する必要がある。実はこれが大きな障壁だ。たいていの場合、それが揃っていることが難しい。

だから、

せっかく確かめてみようと思っても、試す環境がないことによって挫折する。もったいなさ過ぎる。


小生の場合、現職であるエレクトロニクス関連でいえば、子供の頃、自分で組み立てたゲルマニウムラジオがうまく動いたので、もっと感度をよくしたいとか、混信を避けたいとか、様々な欲求が生まれ、アンテナ線の長さを変えてみたり、或いはアースの取り方を変えてみたりなどと、色々な実験ができた。

これは、更に感度をよくするにはどうしたらいいかといったことを子供なりに考え、仮説を立てて実証するという手段を講じることができたことに他ならないのであるが、ここで大切なことは、その試行錯誤を行う前提として、最初の段階、つまりラジオが動いたという大前提があってのことだったことだ。

もし、組み立てたラジオが動かなかったら、その後の行動も思考も停止。もちろん、なぜ動かないかということに集中し、動くように直していくという行動もあるにはあるが、原理も何もわからずに作っているのだから、トラブルシューティングもクソもない。当然そこで諦めて、あとは忘れてしまうというところがオチ。凡人たる所以だろうが、そんなところが事実だと思う。

つまり、人が(少なくとも子供が)、何か考えついて試すときには、試すための「動くシステム」がないと先に進まないわけで、試す以前にシステムが動かなければそこで挫折するか諦めるか、そして忘れてしまうということになってしまうのだ。
子供たちが何かを試したいというときには、こういう基になる「動くシステム」を先んじて用意してあげる必要があると思う。大人になれば金を使ってとか、なんとかして「動くシステム」を入手するだろうけれども、子供にとって、試す前にそれを用意することは大変な壁だ。そこで行き詰る。いきおい、科学する心の芽が萎れてしまう。

もちろん、子供たちに仮説を実証するための必要器材である「動くシステム」そのものを作らせることはとても良いことであり、作ったもので更なる段階へとステップアップさせることも大切だ。しかし、もしも「動くシステム」を作るという段階で挫折すると、更なる段階へのステップアップは大変困難なものとなる。

ラジオに限らない。なんでもいい。

とにかく何かを試してみたいと思ったら、それを試すための環境づくりをしてあげることが大切だと思う。

小生が子供の頃には、学研が発行していた「科学」という雑誌があった。あの雑誌の付録はまさしくそういった実験の基となるシステムの提供だった。今覚えているだけでも、電磁石を使ったテスターとか、太陽熱温水器とか、簡易顕微鏡、望遠鏡、とにかく好奇心で頭がはち切れそうな子供たちにとっては、まさに好奇心を試すための「動くシステム」の提供であった。ああいう試みがないものかと。

そんなことを考えている矢先、先日、東京で開かれていた展示会の会場で、科学教材を手掛ける(株)アーテックの大変ステキな商品を見つけた。様々な実験をするための「動くシステム」が、各々およそ1500円程度で販売されるという。


これは素晴らしい。

科学するという大上段での構えではなく、子供たちの「試してみよう心」への真正面からの「動くシステム」の提供だ。どのテーマを見ても大変魅力的であり、すべてを調達しても大した金額とはならないので、オトナ買いも可能だ。

こういう商品、大体は学校向けとしての販売が主体のようだが、Amazonでも入手できるという。

今後、同社の手腕が問われることになるとは思うが、是非頑張ってほしいし、同様の企画がたくさん出てくることを祈りたい。