アカボシゴマダラ  - 本当は、いてはいけない蝶たち | プロムナード

プロムナード

古いこと、新しいこと
いつでも、どこでも
思いつくまま、気の向くまま

我国には237種類の蝶が棲息しているという。小生が小学生の頃、近所にあった古本屋で買った保育社発行の「原色日本蝶類図鑑」に記載されている蝶の種類数はそれよりも少なかった(当時は沖縄が米国統治下にあったので、本土と沖縄が別々に記載されているところに時代を感じさせる)。

写真の蝶は、先日、埼玉県の行田市自然公園で撮影したアカボシゴマダラ

実はこの蝶、いわくつきなのだ。


この蝶を見かけたとき、ヒラヒラと優雅に舞う姿や翅の紋様などから、当初はアサギマダラだと思った。アサギマダラ自体、埼玉県ではそれほど見かけない蝶なので、木の葉に止まるのを待って撮影したのだが、撮影しながら、どうもアサギマダラとは違うと思った。とにかく撮影して自宅に戻り、図鑑で確認したところ、この蝶はアサギマダラではなく、アカボシゴマダラであることが分った。


このアカボシゴマダラ実は日本に棲息していない蝶らしい。

よく調べて見ると、朝鮮半島や台湾に棲息している蝶であり、日本では数年前、突然発見されたものだという。しかもピンポイントで埼玉県の荒川河川敷で、だ。


蝶に限らないと思われるが、棲息地域の拡大は拡散によるものであり、拡散過程で、離れた場所に現われることはない。つまり、連続であるはずだ。ところがこの蝶の出現は極めて特殊で、朝鮮半島や台湾から遠く離れた埼玉県に突如として出現したということになる。

地球温暖化の象徴とも言われるツマグロヒョウモン、この蝶は南方系の蝶であるが、序々にその棲息地域を北上させていき、1980年に初めて埼玉県で発見されて以来、今日現在では埼玉各地でごく普通に見られるようになっているが、棲息地域はそういう具合に拡散していくものなのだ。ところがアカボシゴマダラについては全く不連続に出現したということになる。


どうやらその理由は、何者かによる放蝶によるものらしい。



ということは、ブラックバスみたいなものか??


ブラックバスは生物の生態系を乱すということで問題となっているが、蝶は別の蝶を摂って喰うということはないものの、自然の流れとして拡散していく結果であるならばともかく、人間が関与して棲息地域を変えるということは如何なものかと思う。


いつの間にか日本に住むことになってしまったこの蝶。罪があるのは人間だ。そう考えながらこの蝶を見てると、困惑しているようにも見える。

蝶には何の罪もない


この蝶が繁殖することにより、他の蝶が排除されてしまったり、或いは植物の植生が変わってしまったりということがない様に祈るばかりだ。