食の安全 - 有毒(かもしれない)土の上で育つ無農薬の野菜 | プロムナード

プロムナード

古いこと、新しいこと
いつでも、どこでも
思いつくまま、気の向くまま

巷には無農薬栽培とか有機栽培とか出回っているけれど、良心的なものばかりじゃないという気がしてならない。実際、賞味期限の改ざんとかが、恐らく今でもどこかでやっているだろうと思うと、農薬を使っていないということ自体が信用できない時代でもあります。一体何を信じればいいのか??

究極は、自給自足?少なくとも食料ぐらいは、地産地消という意味でもローカルに「見える」ところから調達したいものですね。
僕等の世代は、チクロやサッカリンといった人工甘味料世代です。子供の頃、これらをどんだけ摂取したことか(笑同様にして、人工調味料(合成化学薬品と表現した方が正しいかも)についても、様々なものを「おいしく」頂いて成長しました。
「でもさ、俺たち、大丈夫ジャン?」 ところが、そこに大きな誤解がある。
よく考えてみると、当時の化学調味料といっても、その種類は知れた程度しかありませんでした。だからそれらを使う、或いは使われているとしても、さほど影響が無かったわけです。つまり摂取量といっても、実はそれほど多くは無かったのではないかと思うのです。
ところが、今、口にするものに含まれている甘味料や調味料は極めて多様化し、しかも恐らく奥深いレベルで使用されている。これが問題ではないでしょうか?

ちょっと例が異なりますが、我々の業界では、電気製品の製造販売に対し、環境や人体に悪影響を及ぼす環境負荷物質の使用が厳しく制限されています。例えば、鉛、水銀、六価クロム、臭素系化合物、カドミウム等々。
だいぶ前の話ですが、某ゲーム機製造メーカーがヨーロッパに製品を輸出した際に製品の中からカドミウムが発見され、100万台以上が差し押さえとなったことがありました。カドミウムなんて一体どこに使っていたのか?

誰も気付かなかったのですが、実はゲーム機の中の赤い配線コードの顔料に含まれていたのです。確か、鮮やかな色彩が出せるいう理由だったと思います。
某メーカーとしては、「そこまで知るか!」といいたいところだったと思うのですが、100億円以上かけて回収したと聞いています。
それ以降、このメーカーに限らず、総ての電気製品メーカーは、この規格(RoHS指令といいます)を遵守すべく、多額のコストをかけて部品一つ一つの物質を詳細に分析しています。極端に言えば、たった1cmの電線であっても高価なX線回折装置を用いて組成するすべての物質を検査し、報告レポートを作成して提出しなくてはなりません。

翻って、食品なのでしょうか???

大メーカーであればともかく、中小メーカーの場合、使用している調味料の末端までのトレースなど甚大なコストもかかるし、立場も弱いから、そんな細かな分析など間違いなく不可能だと思います。
「大丈夫といわれている」。そういう前提の上に前提が作られ、挙句の果てにはその前提が正しいのかどうか誰も判っていない、そんな状態なのではないでしょうか?

冒頭に述べたように、僕等の世代はチクロ・サッカリン世代として発癌物質を大量に摂取してきました。しかし、要はその程度のこと。それに比べて現代は、より多くの物質が深いレベルで使用されているし、知らないうちに摂取している。しかもそれらの物質は単体では毒性をもたないとしても、化合することによって毒物に変貌しているかもしれない。小生は化学の専門家ではないので判りませんが、でも、そんな可能性だって否定できないと思うのです。
現代の子供たちのアレルギーやアトピーは、早い話、「疑わしいけれども、問題なさそうだから使用している」、或いは「使用しているかもしれない」という前提の爪痕かもしれませんね。
さらに盲点として考えなくてはならないのは、「土」。これなんぞ、まさしく様々な物質が物理的・科学的に結合している、とんでもなくアヤシイ物質だと思います。これを養分として育つ植物。つまり、せっかくの無農薬野菜も、素性のしれない土の上で育った植物であれば、ゼッタイ安全とはいえない。

ある意味、安全性が立証されている農薬の方が、アヤシイ土よりは、ある意味安全かもしれません。。。