前に、短波のことを書いたが、あれ以来すっかり短波熱が出てしまった。
写真は、その昔短波遊びをしていた頃に買ったソニーのICF-6800という往年の名機。35年ぐらい前になる。
しかし、たとえ名品と言えども寄る年波がもたらす経年劣化が着々と進んでおり、もともと受信可能な周波数が短波では1.9MHzから30MHzまでの帯域だったのだが、35年経ったら僅か15MHz~20MHzの帯域のみとなってしまった。
これは仕方ないだろうなぁ。。。ジジイなんだし。てか、これまで良く生きていたというべきかも。しかもここ暫くは通電すらしていなかったから、PLL回路とかの部品達は半死状態なんだろうなあ。ということで、一応分解までしてみたが、案の定、使用されているコンデンサなどは表面がボロボロで容量値も満足に読めない。その他の部品も取り替える気を起こさせない状態だ。尤も、回路図はないから、直す自信は殆んど無かったが。
しかし、さすがは名作、唯一生き残っている15MHz近辺の「キレの良さ」は今でも健全。はっきりいって最近のソニー製品でこんなに品質の高い製品は見当たらない(笑
そういえば、製品の裏には、今日すっかりお見かけする機会が殆ど無くなった「Made in Japan」の銘版が貼られてある。スゴイ。若い衆に見せたい(^^)どう思うか、どんな意味なのかって聞いてみたい。
短波遊びをしていた頃は、こいつを使って各国の国際放送はもとより、もっとコアな通信、つまり放送ではない船舶通信とか某国の工作員向け暗号放送なんかよく聴いていた。意味なんかもちろん分かりようも無いが、放送の終了後などに女性が数字をひたすら読み上げているのなんか聴いていると、すごい緊張感があって身震いしたものだ。こっちは興味本位で聴いているけれど、工作員の方々は必死でメモッているんだろうしね。その内容によってはなんかするのかもしんないし。。。そんなスパイ映画の様な世界が現実として展開していたわけだ。こんな面白いこと、他にあったか!!ww逆転テープを流すという話を聞いたときは、実際に録音して逆転して聞いてみた。だって、逆回ししている声って、日本語じゃなくても分かる。
一方、フツーの放送の方は、もっぱら海外からの日本語放送を良く聴いていた。近隣諸国はもとより、ドイツとかバチカン市国とかVOA(Voice of America)とか。日本語じゃなかったけど、南アフリカなんかを受信したときは結構興奮した。
当時の小生は、英語なんかまるっきしダメだったから英語放送聞いても何言っているかさっぱり分からなかったのだが、それでも放送局名ぐらいは聞き取れたから、それもある意味、刺激になっていた。
短波は、遠距離地の送信地から送信された電磁波が地上と上空にある電離層との間で反射されながら電波伝搬されてくるというメカニズムによって、ゲインが低ければ感度そのものをあげなくてはならないため、ノイズも一緒に大きくなる。いまでこそ、ノイズのみを削減する(ノイズサプレッサ)はデジタル処理によって当たり前になってきているけれど、まだ最近のことだ。当時はノイズにひたすら耐えるか、アンテナやアースの施工方法など、職人的手法で最適化を計っていたものだ。この試行錯誤が楽しかった。思えば、それが勉強にもなっていたと思う。そういえば、大学の授業でも電波工学の教授が「アンテナの設計は素子数が増えるほど計算が複雑になりすぎるから、最後は試行錯誤だ わはは」てなことを言っていた。
さて、最近になってホテルのベッドサイドラジオで聞いた短波が小生の短波病を再発させた結果、当たり前のことだが、ちゃんと聞けるラジオが欲しくなってしまった。で、探してみたのだが、どうやら国産ではソニーしかないみたい。なので秋葉原の量販店へ実機を見に行ったのだが、オールバンドのものとなると、やはりそれなりの値段がする。買えない値段というわけじゃないが、もう少し安いのないかなと探してみたが、ないんだよね、実際。こういうラジオって今日び、はやっていんだろうなぁ。
ということで諦めかけていた時に目に入ったのが、防災グッズコーナーみたいたところにあった「釣るし」のラジオ。そうか、ポータブルも小型品は釣るし販売なんだあ!知らなかったワイ。
見ると、このラジオ、放送バンドはすべて網羅している。どの程度の実力なのかゼンゼン不明だけど、2000円もしないんだから悩むほどじゃない。場合によっては分解して改造してもイイ。ということで、殆んどソッコーで調達してみた。それがオーム電機のRAD-S512Nと云う製品。
To Be Continued...