A signage of "Radio Frequency Emissions Present" on the high voltage transmission cables implies "Probatio Diabolica". It might be a good policy made by PG&E before disputing an issue.
- at Los Gatos, CA. USA
送電線の鉄塔が好きなので、どこにいても気になるのだが、それは米国出張中も同じ。
なので、いつも車を走らせながら目に付く鉄塔を眺めているのだが、先日、出張したシリコンバレーのLos Gatos市で、見慣れた「High Voltage Warning」の看板とは違う黄色い看板が並んでぶら下がっているのが目に入った。黄色い看板は見たことがなかったのでその正体を確認すべく車を止めて見に行ったのだが、それがこの「電磁放射あり」の標識。
フムフム。さすがはアメリカの会社である。
高圧送電の、人体への影響についての因果関係はまだ科学的に立証されていないので危険とは書いていないものの、将来立証された場合を鑑み、電力会社が先んじて警告板を掲げているということか。
送電線の場合、交流の周波数は60Hz(米国)であるから、ある程度離れれば人体に対する電界磁界の影響は相当に少ないはずだが、だからといって影響がないとまでは言い切れない。この「少ない」と「ない」の違いは、実は天と地ほど違う。なぜなら「ない」は何をかけても「ない」のまま。しかし「少ない」については、掛け合わせる要素によっては大きな数字に変身する。
当初は「人体に影響がない」であっても、やがて「人体に影響がある」に変わる可能性が出てくる。そこが「少ない」と「ない」の違いだ。
しかも悪魔の証明として良く知られている様に「ないことの証明は甚だ困難」である。これが最も厄介な点だ。
くだんのケースでは、高圧が人体に及ぼす「影響は全く無視できるほど少ない」ということであって、「影響がないとは言い切れない」と云うことを意味する。
したがって、PG&E社では事実として「電磁放射は存在する」とし、但し、人体への影響については述べないと云う作戦を講じた。危険とはいっていないものの、存在することは述べているのだから「警告を無視するのであれば、それ以降は自己責任」とする。さすがである。
一方、日本の送電線鉄塔で、こうした看板を見た記憶がない。
我国の場合、今回の福島原発事故を例にあげるまでもなく、確実であることが判るまでは隠匿するという政策を取る傾向がある様に思えるが、もっと積極的に情報を開示して国民にもっと自分で考させても良いのではないだろうか?隠蔽するということが「話してもわからないだろうから」という仮定に立脚しているとすれば、あまりにも国民をバカにしているような気がするのだが。。。