はじめに
以前こんな怪文書を作成しました。
たくさんの方に読んでいただけたと共に、未だに検索からか訪れる方がいらっしゃるようで、お役に立てているようでしたら何よりです。
……なのですが。
上記記事、我ながら異様に長く、友人に「読んどいて」と言うのはちょっと躊躇うんですよね。
またここ数年で情勢も大きく変わり、記載してある内容が当てはまらないことも出てきました。
というわけで、今回はもっと手軽に友人に送りつけられる分量を目指し、かつ昨今の状況に合わせた最新版として、「観劇のマナー」を綴っていきます。
前回に引き続き、ターゲットは「舞台を観に行ったことがない」「これから2.5次元舞台を観に行く」そこのあなた。
また、今回は特に「観劇当日とその準備」に焦点を当てています。
内容は若干変わっていますので、もしお時間が有り余っているようでしたら前回の記事も合わせてどうぞ。
用語集
お時間のある方は前回をどうぞ。
知らなくても特に問題ありませんが、知っておくと楽しいかもしれません。
チケットについて
チケットの購入方法等については、今回は割愛します。気になる方は前回をどうぞ。
1つだけ書いておくと、
高額転売ダメ絶対!!!
その他、少しだけ新規で書いておきます。
チケットの発券についてです。
新型コロナウイルスの感染が収まらない現在、舞台は常に中止の危機と隣り合っています。
考えたくないですが中止になってしまった場合、チケットの払い戻し対応が行われます。
一例として、
・未発券かつクレジットカード決済の場合はそのまま何もしなくても払い戻される
・支払い方法等に関わらず、発券したうえ、コンビニで払い戻し手続きをする必要がある
・発券したコンビニと同じチェーン(ロー○ンで発券したなら全国のロー○ン)で手続きをする必要がある
・発券したコンビニその場所(セ○ンイレブン〇〇店で発券したならそこ。セ○ンイレブン××店は駄目)で手続きをする必要がある
といった対応が考えられます。
厄介なのは最後で、旅行のついでに家から遠いコンビニで発券してしまうと、払い戻し手続きが実質不可能になります。
最悪の可能性を考えるなら、家の側かよく行くコンビニで発券するのが良いでしょう。
なお、チケットの発券開始日はまちまちですが、公演の1月〜半月前が基本でしょうか。
発券に関しても、払い戻しに関しても、購入したサービスからメールが届くと思いますので、しっかりチェックしましょう。
持ち物
・最低限必要なもの
チケット
スマホ
・あった方がいいもの
買ったグッズを入れる袋(A4)
現金
羽織るもの
目薬
ハンカチ
(双眼鏡)
数年前まではグッズ物販といえば現金オンリーだったのですが、最近は現金・クレジットカード・電子マネー・QRコード決済、とよりどりみどりです。
一方、当日券販売は現金オンリーの場合もあります。もしあなたが当日券狙いであるなら、現金を持っていった方がいいでしょう。そうでないなら、最悪スマホかカードがあれば大丈夫です。
利用可能な決済方法については、公式ページの「グッズ」の下の方に書いてあるので、チェックしてみてください(交通系ICは使えるけどQRコードは使えない、使える電子マネーが限られている、現金かクレジットカードに限る、ということもあります)。
また、物販ではほとんどの場合レジ袋やショッパーがもらえません。パンフレットは9割以上の確率でA4サイズなので、それが入る袋を持っていきましょう。
あなたの持っているチケットに「プレミアム」「S席」等の記載がある場合、買わなくてもパンフレットやブロマイドがもらえる可能性があります。詳しくは公式ページの「チケット」をチェックしてみてください。
特に夏、席によっては冷房が直に当たって寒い……なんてことがあります。最近は換気の関係で空調の効きが不安定な場合もあります。苦手な人は脱ぎ着のできる上着があると良いです。ただし脱ぐ・着るは極力開演前に。
ハンカチは嗚咽や咳を抑えたり、涙を拭いたりで必要になります。
席が後方の場合は双眼鏡があると良いかもしれませんね。ただし双眼鏡だと全体が見れないので、使うかどうかはよく考えて。
時々、二部やカーテンコールにライブパートのある作品があります。ここではペンライト、時にはうちわが許可されていることがあります。
ただし大きさや装飾、出しておけるタイミング等には決まりがありますので、行く作品ごとに公式サイトをよく確認しておきましょう。
その他の公演では、応援グッズは使用禁止です。
また、公演中には必要最低限のもの(ハンカチ、双眼鏡、上着、許可されている場合のみ応援グッズ、程度でしょう)を残して鞄の中にしまいましょう。
鞄はしっかりと口の閉まるものを選ぶか、椅子の下に入れてしまうとよいです。
公演中や休憩中、鞄の中の財布やチケットを盗まれた、盗まれそうになった、という話がちらほらあります。
もちろん、席を離れる場合は貴重品を持って動きましょう。
大きい荷物について
客席はそう広くないので、大きな荷物は事前にコインロッカーなどに預けましょう。
劇場によってはロビーにロッカーがあったり、スタッフがキャリーを預かってくれたりする場合もありますが、無い劇場の方が多いです。
劇場のホームページにロッカー等の案内が載っていることもあるので、確認しておくと良いです。
また、劇場のロッカーはすぐいっぱいになるので、駅で預ける方が安心。
ちなみに、私はトートバッグ+小さめのリュック(+買ったグッズの入っている袋)までなら持ち込みます。大きめの鞄やキャリーがある時は預けます。椅子の下に収まる程度まで、という判断です。
服装
ひさしの大きな帽子、高さのあるヘアアレンジなど、後ろの人の視界の妨げになるものはNG。
また、動くときに音の出る服も避けましょう。
人との距離が近い上に密室空間ですので、香水の付けすぎも注意です。
家を出る前に
新型コロナウイルス感染拡大予防対策について、公式ページに注意事項が書いてあります。これは必ず家を出る前に確認しましょう。
体調不良の方は来場をお控えください、であったり、緊急連絡先を以下のフォームに登録してください、であったり、チケットの半券に電話番号を記入してください、であったり。
特に最後の半券への記入については、会場で行うと混雑の原因になりますので、必ず事前に行いましょう。
(この場合の「半券」とは、チケットを表から見てミシン目より右側の、小さい方の部分です。こちらは入場時にスタッフに渡します。残りの大きい左側(こちらも「半券」と呼称します。ややこしいですね)は自分で持ち帰ります)
これらの注意事項については、
・公式トップページのどこかにリンクがある
・「Q&A」ページの注意事項にリンクがある
到着時間
基本的には、開場時間を目安に着けばよいでしょう。
ただし道に迷う可能性を考えて、余裕を持ったスケジュールを立てておきたいですね。
また、最近少なくなってきましたが、
混雑を避けるため、座席別で入場時間が指定されていることもあります。公式ページを確認しましょう。
そこからズレたからといって何か言われることは無いので、神経質になる必要はありませんが。
物販に並ぶ予定がある場合は少し早めに。
目当てのグッズが売り切れる可能性がある場合は、もっと早めに。
売り切れ情報は公式ツイッターがお知らせしてくれるので、前日までの情報を見て決めると良いでしょう。
ただし会場が街中にある場合は、近隣住民の迷惑にならないよう気を付けましょう。大声で話さない、道路や他の敷地に入らない、広がらない。
大きい施設などに入っているホールの場合は、屋内に待っていられる場所があることが多いです。この場合も、あまり広がらないように気を付けましょう。
ちなみに、入待ち・出待ち(会場の外で、役者さんを待ち構えること)はNGです!
場合によっては、役者さんへのプレゼントや手紙を預かるためのボックスが用意されていることがあります。が、コロナ以降ほぼ見ない気がします。
用意されている場合は公式ページで案内がありますので、チェックしてみましょう。
無ければ大人しく事務所に郵送しましょう。
トイレは先に済ませること
開演してしまうと2時間くらい客席に座りっぱなしです。
最近は途中で休憩が挟まる舞台も増えてきました。が、休憩時間のトイレは混みます。
出来るだけ開演前に済ませておきましょう。
開演直前もやっぱり混むので、最善を期すなら、駅か近くの商業施設で行っておくと良いです。
途中入場の注意
交通機関が遅れた、道に迷った……等々、開演時間に間に合わないことはままあります。もちろんないに越したことはありませんが。
そんなときは必ず、会場スタッフの指示に従いましょう。
開演後に行くと、スタッフがタイミングを見計らいつつ席まで案内してくれます。
この際他の観客の前を通らないといけなくなると思うのですが、「すみません」「失礼します」などの声は掛けないように!
歩きにくくない程度に屈んで、出来うる限り素早く座りましょう。少しでも周りの邪魔をしないことが重要です。
客席内は撮影禁止
基本的に、客席でのカメラの使用は禁止です。
開演前や終幕後の誰もいない舞台セットも同じく撮影禁止。
ただし作品によっては、前説やカテコで「今だけ撮影OK」というコーナーがあることもあります。キャストやスタッフのアナウンスに従いましょう。
客席内は飲食禁止
客席内で食べ物を食べるのはもちろん、ペットボトルの飲み物も駄目です(ごく一部の劇場を除く)。
のど飴がどうかは微妙ですが、どうしても咳が不安なときは舐めることがあります。
ただし上演中にごそごそしていると気になるので、客席に入る前に口に入れておきましょう。
客席外のロビーは飲食OKなことがほとんどですので、基本的にこちらで済ませましょう。について、(最近は?)「蓋の付いた飲み物のみOK」なことが多いです。やっぱりスタッフさんの指示、アナウンスに耳を澄ませましょう。
スマートフォンの電源
間違ってもアラームや着信音が鳴らないように、電源を切りましょう。
接触確認アプリ/COCOAを利用している場合は、電源を切るのではなく、機内モードにした上でBluetoothをオンにし、鞄の中へしっかりしまいましょう。
また、演出に影響を及ぼす可能性があるため、スマートフォンのWi-Fiはオフにし、モバイルWi-Fiルーターなども電源を切りましょう。
詳しくは前説や公式ページのアナウンスに従ってください。
通路を塞がない
作品によっては、客席内の通路を用いた演出があります(余談ですが、一時期コロナの影響でほぼ無くなり、最近また少しずつ見られるようになってきました)。
また、開演時間に間に合わなかった観客が、途中で入ってくることもあります。
荷物を通路に置いたり、足を投げ出したりといった行為はこれの妨げになります。
好きなキャラクターや役者が近くに来てくれたから、と手を伸ばすのももちろんやめましょう。
音を立てない
特に最近は感染拡大防止のため、ロビー及び客席内では上演前であってもお喋りを控えるよう注意喚起されています。
ロビーに関しては、大声でなければそこまで神経質にならなくて良いとは思いますが、劇場によってはかなり厳しく注意されます。その場合は必ずスタッフの言葉に従いましょう。
上演中は小さな声でも、連れとお喋り、役者に話しかける等は絶対に駄目。
感染拡大防止の観点から、コールアンドレスポンスのようなこともめっきりなくなりました。
が、ギャグパートの多少の笑い声であれば大丈夫でしょう。周りに煩いと思われないこと、だけは意識してください。
咳は仕方がない部分もありますが、ハンカチで押さえるなどの配慮は必要です。
あまりにも収まらない場合は、一旦客席を離れることも考えましょう。
大きく動かない
どうしても前の人の頭で見えない部分はできてしまいますが、それで左右に動いたり、伸び上がったりしては隣や後ろの人が集中して見られなくなります。ぐっと我慢しましょう。
特に前のめりは一見関係無いように思われがちですが、前の人にやられると結構視界が狭くなりますし、隣の人の視界にもチラチラと映ることになります。
こちらの写真が分かりやすいです(宝塚Official Web Site)。こちらでは他の観劇マナーも紹介してくださってますので、読んでみるとよいでしょう。
退場時
終演後は、99%くらいの確率で「規制退場」です。
混雑を避けるためのもので、「○階×列から△列の方」という感じに順番に退場します。
終電が!という場合を除いて、自分の判断で立ち上がらず、スタッフからの指示を待ちましょう。
また、待っている間もお喋りは極力控えましょう。
Q&Aは一通り読もう
舞台を見る前に知っておきたいことはおおむね書いたつもりですが、作品によって違うこともあります。
これ以外にお願いなどが書いてあることもあります。特にライブパートのある作品は注意事項が多いです。
公式ホームページにある「Q&A」「注意事項」には必ず目を通しておきましょう。
SNSなどでの注意
ここについても今回は割愛します。気になる方は前回をどうぞ。
普通に感想を呟くのであれば 問題ありません。
役者さんやスタッフは割とエゴサされてますので、過剰な表現には気を付けましょう、ということです。
おわりに
なんだか結局長くなってしまいましたね。
前回も書きましたが、気を付けなければならないのは「周りの邪魔をしないこと」、これに尽きます。
劇場の全ての人が、関わった全ての人が、少しでも幸せな時間を過ごせますように。
まだ暫く、業界にとって厳しい時期が続くとは思いますが、これからの益々の発展を願っています。
そして、最後まで読んでくださったあなたへ、深く感謝を。
よい観劇ライフをお過ごしください!