はじめに




昨今の2.5次元ブームにより、漫画、アニメ、ゲームと様々な作品が舞台化されています。

これまで舞台に興味のなかった人が、劇場へ足を運ぶ契機になったことでしょう。
同じように2.5を入り口に舞台沼へ足を踏み入れたものとして、その輪が広がることに嬉しさを感じたり、当時を懐かしく(といってもそんなに前ではありませんが)思ったりしています。
 
しかしそれと同時に、客席のマナーが悪いという声も増えています。
“舞台”に馴染みのない観客が増えたのですから、当然といえば当然かもしれません。でも知らないからといってそのままで良いわけもない、何よりそのせいで舞台を100%楽しめないのはもったいない!
 
ということで、舞台観劇にあたって知っておきたいマナーを、私が観劇を始めたばかりの頃に悩んだ事柄と一緒に、纏めてみました。
長くなってしまいますが、見出しだけでも読んでもらえるといいかな、と思います。
 
かくいう私も歴数年のひよっこですし、偉そうにマナーを説ける立場ではないかもしれませんが……。
有識者の方々、間違いや気になる部分があればそっと教えてください。
 
(少しでも読みやすくなれば、と目次ごとにジャンプできるようにしたのですが、スマホは効かないっぽいですね……)
 

 

 

 

観劇マナーがなぜ必要か

 

そもそも、観劇マナーの必要性は?
あなたと、周りの観客と、役者と、スタッフ。劇場にいる全ての人が、気持ちよく舞台を楽しむために必要なものだから。

 

舞台作品では、客席に座っているあなたも、作品を構成する1ピースです。
また、ちょっとした雑音で、その雰囲気は簡単に壊れてしまいます。
 
この作品を作るために、並々ならぬ力を注いできた人達がいます。
この作品を観るために、決して少なくないお金と時間を使った人達がいます。
 
多くの人が時間をかけて準備し、作り上げてきた世界を、最大限味わうために。
アニメやゲームで見ていた物語を、よりリアルに感じるために。
全員で協力し、マナーを守った観劇ライフを送りましょう。
 

 

用語集


マナーについて書く前に、いくつか用語を並べてみます。

 

舞台だけでなく他の界隈でも使われている言葉もあったり、そこそこ有名な観劇用語があったりしますので、読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
分からない言葉が出てきたとき、参照してみてください。 
 

用語集を読み飛ばす

 

 

・マチネ

 昼公演のこと。昼間に始まって、昼過ぎか夕方に終わる。

 

・ソワレ

夜公演のこと。夕方始まって、夜終わる。地方勢にはハードルが高い。

 

・ロビー

 あまり聞かないけどホワイエとも言う。チケットを見せて入った先の部分で、客席よりは手前。大体はここで物販が買える。

 

・上手

客席から舞台を見たときの右の方。
 

・下手

 客席から舞台を見たときの左の方。
 

・通路席

すぐ横に通路がある席のこと。出入りがしやすい、遮蔽物が無いから少し斜めが見やすい、という理由からここが当たると嬉しい。客降り(後述)のある舞台では特に人気。
 

・センブロ

センターブロックの略。舞台正面(真ん中)のブロックにある座席を指す。
 

・開場

「客席開場」または単に「開場」と書いてあった場合は、客席に入れるようになる時間。「ロビー開場」だとロビーに入れるようになる時間。
(客席)開場はおおむね開演の30分前、ロビー開場は1時間前が多い。
 

・開演

舞台が始まる時間。これよりは前に客席に座っていたいですね。
 

・前説

 開演前に注意事項などを述べるアナウンス。作品によってはキャラクターが説明してくれる。多くの場合声のみの放送(影アナとも言う)だが、時々舞台上に出て来て直接してくれることもある。放送形式だと開演の5分前。舞台上に出てくる形式だと10~15分前くらいが多い気がする。

 

・客降り

キャラクターが客席の通路で芝居すること。作品によってあったりなかったりする。

 

・カテコ

カーテンコールの略。物語が終わった後、キャストが順に出て来て礼をする時間。キャストから挨拶がある場合も。

 

・ダブルカーテンコール

2回目のカーテンコールのこと。ちなみに3回目はトリプル、4回目はクアドラプル。観客の拍手が鳴り止まない時にやる。
大体の舞台でダブルまではある前提。千秋楽(後述)とかだとトリプルまで。クアドラプル以降は稀。
 

・スタオベ

 スタンディングオベーションの略。観客が称賛の意を示すために、カテコで拍手しながら立ち上がること。大体ダブルカテコ以降。

本来なら素晴らしい作品を見たときにやるべきだが、初日・地方楽・大楽(それぞれ後述)でスタオベが起こるのがもはや定型と化している。それ以外の公演ではまずほとんどやらない。

 

・楽

 千秋楽の略。複数回ある公演のうち最後の公演を指す。大楽、地方楽などがある。

 

・大楽

大千秋楽の略。全公演の中で一番最後の公演。

 

・前楽

大千秋楽のひとつ前の公演。

 

・地方楽

大阪楽、東京楽などと言う。複数の都市で公演を行う場合の、それぞれの地方での最後の公演。
 

 

 

チケットについて

 

さて、ようやく本題です。

観劇マナーなど、観劇にあたって知っておきたいこと。まずはチケットについてのあれこれ。
 

・各種先行を利用しよう

 
 ニュースサイトなどには「○月×日チケット一般販売開始」と書いてありますが、チケット入手のチャンスはこれだけではありません。一般販売が始まる前に、各種「先行」というものがあります。
 
「一般」が申し込んだ先着順でチケットがご用意されるシステムなのに対し、「先行」はほとんどの場合、期間内に申し込んだ人の中から抽選でチケットがご用意されます。
特に人気のある舞台になると一般でチケットを確保できることはごく稀ですので、いかに先行を使うかが重要になります。
よって、この存在を見落とすと悲惨なことになりかねません。2.5次元作品は比較的アナウンスが丁寧なので、見逃す心配は少ないと思いますが。
 
一例として、とある舞台の先行一覧は以下の通り。
公式最速先行・公式二次先行・キャスト先行・各種プレイガイド先行。
作品によってはここにマベメン先行とか、2.5フレ先行とか、DVD購入者限定先行とかが加わってきます。早いものは公演期間の半年以上前に受付を開始しています
 
多くの場合は公式ページでお知らせしてくれますが、やはり一番はTwitter。公式アカウントでおおよそ、先行の受付期間にはお知らせツイートをしてくれるので、気を付けてチェックしておきましょう。
 
あとは2.5フレンズに登録するとか、プレイガイド(チケットぴあ、ローチケ、などのチケットを代理で販売しているサイト)のメルマガを登録しておくとか、打てる手はありますが追々でいいと思います。
 
 

・高額転売ダメ絶対!

 
高額転売滅ぶべし!
 
令和元年6月14日より、「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」(チケット不正転売禁止法)が施行されました。
舞台やコンサートなどのチケットを公式の定めていない方法で、かつ定価より高い金額で転売してはいけない、というものです(厳密には適応されるチケットに条件があったり、転売の定義が難しく書いてあったりするのですが、おおむねこういうことです。2.5次元舞台のチケットは、まず間違いなくこの法律が適応されます)。
 
ここで気を付けなければならないことが、「定価=券面に記載されている、チケットそのものの値段」ということです。各種手数料や送料は含まれません。譲渡ツイートの「求:定価+手数料」は、ほんとはアウトってことですね。法律が出来る前は手数料込みの譲渡が標準でしたので、未だにその風習は残っていますが。
 
売るのはもちろん、買うのもダメです。
高額転売には手を出さない、これ重要。
 
 

・その他

 

さて、一部の作品では本人確認を行う場合があります(現状本当にごく一部で行われている印象です)。
券面に記載されている名前と、身分証の名前が同じかどうかを確認し、違う場合は入場を止められます。幸か不幸か、私は本人確認が必要な舞台に行ったことが無いのでその実態は分かりませんが。
名前が違ったらダメ、ということは、定価以下の譲渡でも止められると思った方がいいでしょう。
本人確認がある場合は、大体は公式ページのどこかにその旨が載っているはずです。譲渡を探す前に確認してみてください。
 
この他に、最近増えているのが「公式リセール」。
チケットを取ったけど諸事情により行けなくなった人が、公式を通して、希望する誰かに定価にてチケットを再販できるサービスです。今後もっと普及して欲しいですね。
 
 

観劇当日

 
無事チケットが確保できたとします。
いよいよ観劇当日、気を付けなければならないことあれこれ。
 

・服装の注意事項

 
ひさしの大きな帽子、高さのあるヘアアレンジなど、後ろの人の視界の妨げになるものはNG
また、動くときに音の出る服も避けましょう。
人との距離が近い上に密室空間ですので、香水の付けすぎも注意です。
 
後にも書きますが、背もたれから体を浮かせての観劇はマナー違反です。
そのため和服は……と言われることもあるのですが、和服自体が駄目というわけではありませんので、そこはお間違いなく。
よっぽどボリュームのある帯の結びでなければ良いでしょう。
 
 

・必須の持ち物と注意事項

 
・最低限必要なもの
チケット
現金
スマホ
 
・あった方がいいもの
物販を入れる袋(A4)
羽織るもの
目薬
ハンカチ
 
クレジットカードではなく現金を持ちましょう。物販はクレジットが使えないことも多いです。
また、物販ではほとんどの場合レジ袋やショッパーがもらえません。パンフレットは9割以上の確率でA4サイズなので、それが入る袋を持っていきましょう。
特に夏、席によっては冷房が直に当たって寒い……なんてこともあります。苦手な人は脱ぎ着のできる上着があると良いです。ただし脱ぐ・着るは極力開演前に。
ハンカチは嗚咽や咳を抑えたり、涙を拭いたりで必要になります。
 
席が後方の場合は双眼鏡があると良いかもしれませんね。ただし双眼鏡だと全体が見れないので、私は複数回観劇する作品を除いてあまり使いません。
 
ミュージカル作品だと二部にライブパートのある作品があります。ここではうちわ、ペンライトが許可されていることが多いです。
ただし大きさや装飾、出しておけるタイミング等には決まりがありますので、行く作品ごとに公式サイトをよく確認しておきましょう
 
その他の公演では、応援グッズは使用禁止です。
 
また、公演中には必要最低限のもの(ハンカチ、双眼鏡、上着、許可されている場合のみ応援グッズ、程度でしょう)を残して鞄の中にしまいましょう。
鞄はしっかりと口の閉まるものを選ぶか、椅子の下に入れてしまうとよいです。
悲しいことに、公演中や休憩中、鞄の中の財布やチケットを盗まれた、盗まれそうになった、という話がちらほらあります。
もちろん、席を離れる場合は貴重品を持って動きましょう。
 
 

・到着時間

 
劇場には何分前に着けばいいのか。
 
特に用事が無ければ開場時間を目安に着けばよいでしょうか。
ただし道に迷う可能性を考えて、余裕を持ったスケジュールを立てておきたいですね。
 
一方物販に並びたい場合は、こうも言っていられません。
作品の人気度などによって混み具合が全然違います。早々に目当てのグッズが売り切れてしまったり、並んでいる内に開演時間になってしまったり……。
参考までに私の場合、混雑が見込まれる舞台でどうしてもゲットしたいグッズがある場合は、物販開始(ロビー開場と同時が多い)の1時間くらい前に着くように予定を立てます。たいてい予定通りに着けませんけどね。
ただし会場が街中にある場合は、近隣住民の迷惑になるので気を付けましょう。大声で話さない、道路や他の敷地に入らない、広がらない。
大きい施設などに入っているホールの場合は、屋内に待っていられる場所があることが多いです。この場合も、あまり広がらないように気を付けましょう。
 
ひとつの判断要素として、開場前物販(ロビー開場する前、チケットを持っていなくても並べる物販)が用意されている場合、ロビー物販はそれほど混みません。
時間に関しては何度か経験する内になんとなく分かってくると思います。
 
ちなみに、入待ち・出待ち(会場の外で、役者さんを待ち構えること)はNGです!
手紙やプレゼントを渡したい場合は、多くの作品でロビーにプレゼントボックスが用意されていますので、そちらへ入れましょう。
 
 

・大きい荷物の持ち込み

 
客席はそう広くないので、大きな荷物は事前にコインロッカーなどに預けましょう。
 
劇場によってはロビーにロッカーがあったり、スタッフがキャリーを預かってくれたりする場合もありますが、もちろん無い劇場もあります。
劇場のホームページにロッカー等の案内が載っていることもあるので、確認しておくと良いです。
また、劇場のロッカーはすぐいっぱいになるので、駅で預ける方が安心。
 
ちなみに、私はトートバッグ+小さめのリュック(+買ったグッズの入っている袋)までなら持ち込みます。大きめの鞄やキャリーがある時は預けます。椅子の下に収まる程度なら、という判断です。

 

 

・トイレは先に済ませること

 
開演してしまうと2時間くらい客席に座りっぱなしです。
トイレは開演前に済ませておきましょう。
劇場のトイレは混むので、駅か近くの商業施設で行っておくと良いです。
 
 

・途中入場の注意

 
交通機関が遅れた、道に迷った……等々、開演時間に間に合わないことはままあります。もちろんないに越したことはありませんが。
そんなときは必ず、会場スタッフの指示に従いましょう。
 
開演後に行くと、スタッフがタイミングを見計らいつつ席まで案内してくれます。
この際他の観客の前を通らないといけなくなると思うのですが、「すみません」「失礼します」などの声は掛けないように
 
歩きにくくない程度に屈んで、出来うる限り素早く座りましょう。少しでも周りの邪魔をしないことが重要です。
 

 

・客席内は撮影禁止

 
基本的に、客席でのカメラの使用は禁止です。
開演前や終幕後の誰もいない舞台セットも同じく撮影禁止。
 
ただし作品によっては、前説やカテコで「今だけ撮影OK」というコーナーがあることもあります。キャストやスタッフのアナウンスに従いましょう。
 
 

・客席内は飲食禁止

 
客席内で食べ物を食べるのはもちろん、ペットボトルの飲み物も駄目です。
 
のど飴がどうかは微妙ですが、どうしても咳が不安なときは舐めることがあります。
ただし上演中にごそごそしていると気になるので、客席に入る前に口に入れておきましょう。
 
劇場によっては開演前と休憩中のみ飲食が許されている場合もありますが、少数です。表示をちゃんと確認しましょう(2.5次元舞台の劇場ではほぼ無いと思いますが)。
なお、休憩中がOKな場所でも上演中は絶対禁止です。
 
客席外のロビーは飲食OKなことがほとんどですので、こちらで済ませましょう。
 
 

・音の出る機器の電源はオフ

 
開演前アナウンスでも言われますが、スマホなど音の出る機器の電源はオフにする。
マナーモードなら、と思いがちですが、客席ではバイブも意外と響きます。
公演中にスマホを開くのはもってのほか。客席は真っ暗ですから、液晶の光は遠くからでも目立ちます。通知があったことを示す小さなランプですら、視界の端に入ると気になるものです。
 
もうひとつ、スマホの発する電波が音響に用いる電波と干渉してしまう……と、言われていたのですが、ふと思い立って調べてみたら、これについては根拠が無いらしいんですよね。
 
一方、最近は演出で舞台上の装置を遠隔で操作するものがあります。これは実際に観に行ったとき、開演前アナウンスで「演出が電波によって影響を受けるのでスマホを切るように」と言っていたはずなのでそうだと思うのですが、あいにく記憶力には自信がありません。
 
何はともあれ、スマホ及び音や光の出る機器の電源は切りましょう
絶対に開かない!音も光も漏れないようにしている!と自信のある方もいるかもしれませんが、ここは郷に入っては郷に従え、切ることがマナーなので切ってしまってください。
 
 

・通路を塞がない

 
作品によっては、客席内の通路を用いた演出があります。前に述べた客降りですね。
また、開演時間に間に合わなかった観客が、途中で入ってくることもあります。
 
荷物を通路に置いたり、足を投げ出したりといった行為はこれの妨げになります。
 
好きなキャラクターや役者が近くに来てくれたから、と手を伸ばすのももちろんやめましょう。
 
 

・音を立てない

 
小さな声でも、連れとお喋り、役者に話しかける等は絶対に駄目。
作品の世界を壊してしまうことになりますし、やはり周りの人の迷惑になります。

ただし、面白かったときに笑うことや役者からの呼び掛けに応えることはOKです。場合によっては拍手が起こることもあります。
いずれもコメディパートがほとんどですね。
シリアスな場面では極力音を出さないように、泣き声もすすり泣きくらいに留めておくのがおすすめです。

咳は仕方がない部分もありますが、ハンカチで押さえるなどの配慮は必要です。
あまりにも収まらない場合は、一旦客席を離れることも考えましょう。
 
 

・頭を大きく動かさない

 
どうしても前の人の頭で見えない部分はできてしまいますが、それで左右に動いたり、伸び上がったりしては隣や後ろの人が集中して見られなくなります。ぐっと我慢しましょう。
 
特に前のめりは一見関係無いように思われがちですが、前の人にやられると結構視界が狭くなります。隣の人の視界にもチラチラと映ることになります。
こちらの写真が分かりやすいです(宝塚Official Web Site)。こちらでは他の観劇マナーも紹介してくださってますので、読んでみるとよいでしょう。
 
 

・Q&Aは一通り読もう

 
舞台を見る前に知っておきたいことはおおむね書いたつもりですが、作品によって違うこともあります。
これ以外にお願いなどが書いてあることもあります。特にライブパートのある作品は注意事項が多いです。
公式ホームページにある「Q&A」「注意事項」には必ず目を通しておきましょう
 
 

SNSなどでの注意

 
最後に、SNSなどで作品について呟くときの注意事項です。
 
漫画やアニメの二次創作に対して、実在する人物を題材とした二次創作を「ナマモノ」と言いますよね。
舞台作品を題材とした二次創作は「半ナマ」と言います。
なぜこのような呼び分けがされているかというと、配慮が必要だからです。
2.5次元舞台が増え、2次元界隈から舞台界隈へと人が流れてきたことで、この住み分けが曖昧になってきているように感じます。
 
大前提として、舞台作品では「キャラクター≒役者」です(この話が出る度に「アニメにも声優がいるだろう」とか言う人がいますが、それはまた別の話です。ここではあくまで「舞台作品でのマナー」の話をします)。
キャラクターについての言葉が、そのまま役者さんへの言葉に転じかねません。
 
特に恋愛や性の絡むことはデリケートです。役者さんに敬意を持ち、そういった話題はご本人の目に入らないようにしましょう。役者さん方、割とエゴサされてます。
 
では具体的に何が駄目なのか、ですが、はっきりとしたラインはなくて、判断基準は人それぞれだと思います。が、問題になりがちのは“腐った”あれです。
その感想が「公式からの提供に対するもの」なのか、「自分の妄想によるもの」なのかをじっくり考えてみてください。前者なら大っぴらに呟いてOK、後者ならある程度隠す必要があります。
役者さんがSNSにツーショットをあげていてもそれは妄想をさらけ出すことへの免罪符ではありません絶対に。
 
その他、いわゆる二次創作は作品名と一緒に載せない。間違ってもご本人に送りつけない。あ、レポ漫画やファンアート(恋愛要素の入っていないもの)はその限りではありませんよ。
 
といっても気を付けたところで分からないことはあるわけで。周りから「それは駄目じゃないか?」と言われたら、素直に削除して鍵アカかふせったーのフォロワー限定で呟き直しましょう。
そうすれば誰も怒らないはず。
 
 

おわりに

 
さて。
改めて見返すと相当長い文章になってしまいました。これ読んでくれる人どれだけいるんでしょうか。
 
あれこれ書きましたが、そう難しく考えなくて大丈夫。結局気を付けなければならないことはただひとつ、「周りの邪魔をしないこと」です。
みんながそれを意識すれば、みんなが楽しく観劇できるようになるのはもちろん、役者さん方も演技に集中できます。
結果、より素晴らしい舞台が観れるでしょう。
 
よく「演劇は 生物 なまもの 」と言われます。アニメやドラマのようにきっちり決められたものではなく、公演の度に少しずつ、そのときの空気によって見れるものが変わります。
そこで見た景色と記憶は、そのときだけの、あなただけのもの。
それこそが舞台の醍醐味です。
 
もちろん、私たち観客と物語の空間とが地続きであることも、舞台ならではですよね。
画面越しでない、リアルで感じる感情というのは言葉にし難い感動があります。
 
少しでも多くの人が、舞台という物語の世界を楽しめますように。
ここまでお読みいただきありがとうございました。