アウトドアを始めたいと考えるようになり,必要になってくるものの一つが刃物であります。

 ネットを眺めてみてところ,だいたい,斧>鉈>大型ナイフ>小型ナイフ(と,別枠で鋸)を組み合わせて使うのが一般的な様子。斧と大型ナイフを購入するとなると出費が大きいし,とりあええず小型の折り畳みナイフと鋸はあるので,当面,鉈があれば大抵のことには対応できそうです。

 幼い頃のおぼろげな記憶では,亡祖父宅の小屋に鉈が複数転がっていたのですが,その小屋があった亡祖父宅も鉄道が通るということで区画整理されてしまい,きれいさっぱりなくなっているため,新たに購入するしかありません。ネットで調べると,鉈にも角鉈や剣鉈,尻尾のある鉈(海老鉈というらしい。)などいろんな種類があり,また,様々なサイズや刃も片刃と両刃があるなど,調べれば調べるほど決めあぐねておりました。

 そこで思い出したのが,高校生の頃,友人から¥5,000で買い取っていたククリというネパールの鉈のような大型刃物です(お父さんが買い取ったのはインド製ですがね。)。グルカナイフとも呼ばれ,現地では生活に密着した刃物ということであります。これなら鉈の代わりになりそうだし,何より新たな出費もしなくて済みます。

 そこで,このククリを帰省の折にマウンテンサイクルと化した実家から発掘しました(探してたのは青紙割込と本割込の肥後守だったんだけどな。見つからなかった。)。

 さすがに20年以上放置しておりましたので,少々錆が発生しておりましたが,実用に支障はない程度。耐水ペーパーで錆を落としてやりました。

 さて,せっかく発掘したこのククリ,転勤先の東京で活躍させる山林はあるんだろうか?という不安がございます。しかし,お父さんが敬愛する吉幾三先生が銀座に山を買うと歌っておられましたし,銀座は次の職場の近くなので,問題なくアウトドアできそうな気がします。楽しみ。

 近所のホームセンターで肥後守を発見して無性に欲しくなり,¥698でお買い上げ。

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 三共コーポレーションが販売元で,パッケージには「全鋼登録商標英雄肥後守定かね駒」とあるが,中身は普通の永尾かね駒製作所の肥後守である。

 お父さんは他に2丁の肥後守を持っているが,今回買ったのが最も廉価なタイプで,SK鋼の一枚ものとなる。

 

 言っておくが,お父さんは肥後守で鉛筆を削ったり竹とんぼを作ったりしていた世代ではない。こういうことをしていたのは,お父さんのお父さん世代である。

 お父さんは小学校に上がると同時に電動鉛筆削り機を買ってもらった世代であり,肥後守に取って代わったボンナイフで鉛筆を削った世代ですらない(持ってはいたけどな。)。

 そんなヤングなお父さんが肥後守を知ったのは,平成一ケタ代半ば頃,何かの雑誌の特集でだった。もう20年以上前に読んだだけなので正確には覚えていないが,先代職人(四代目永尾元佑氏)が最後の肥後守職人として取り上げられ,「もう先のない仕事だから弟子は取らない」,「自分の代で終わり」みたいなことを述べており,記者がそのうち手に入らなくなるよ~と煽った記事に踊らされ?最初の青紙割込のを買い,続けて本割込のを買ったのであった(どんどんグレードが下がって来てやがる…。)。

 どうやらその後の20数年間の間に後継者が現れたようで,現在は五代目永尾光雄氏が製造を続けているが,同氏は昭和41年生まれとまだ若いので,しばらくは心配なさそうだ。

 

 先代製作の青紙割込や本割込と並べて鑑賞したいのだが,残念ながら度重なる引っ越し(19歳で実家を出てから10回くらい引っ越してるな。)でどこにやったか分からない。今持っている荷物の中に入っているかもしれないし,実家にあるのかもしれん。ポロリと出てこないかなあ?

 5回目の転勤になる。

 今回は初めての年度の途中で,しかも,初めての中国5県以外への転勤であり,業務も初体験ということで,初めて尽くしになる。

 漠然と次も鳥取店かなぁと淡い期待を込めて思っていたが,蓋を開けたら今度は東京本社勤務だそうな。一般的に見れば,御栄転だ。広島支社にも,関東に帰りたがっている人は少なくはない。

 でも,お父さんにとって福岡はさらに遠のいた。

 が,嫌と言っても仕方がない。

 行けと言われたところへ行って,やれと言われたことをやる。

 それだけだ。