昨日の午後「村上RADIO」特別編~小澤征爾さんの遺した音楽を追って~(タイトル長)を聴きました。

小澤征爾さん独特の人懐っこさが、いくつものエピソードから浮かび上がっていました。

村上RADIO 世間話4」も含めて村上春樹を介して、私がここ数日考えたことを何回かに分けて綴ります。

 

クラシック演奏は長時間掛かって小澤さんの長いキャリアを聴き尽くすには時間足りないので、ゲストを呼ばなかったのは賢明、ジャズピアニト大西順子などの。

追悼番組がなんで断頭台の曲から入るのって???村上春樹のそういうところが分からないけども。

でも、全ての楽曲から小澤さんのタクトの流麗な動きが感じられた気がして。

 

小澤さんの街中でのいろんなエピソードと私が家族から聞いたエピソードが良い具合に混ざって温もり増したようです。

 

小田急線に乗って通院されていた小澤さんは、乗客からよく声を掛けられたそうで、「よく分かるよねぇ」って村上春樹におっしゃったとか、「そりゃ分かりますよ」と私同様に村上春樹も思ったそうです。

昔、母たち三人が、「映画館から小澤さんを追っかけて参りました」と追いついてお話しすると、

「よく分かりましたねぇ。そりゃたいへんでしたね」とおっしゃったそうで、

そんな場合、「相手の立場に立つ」なんて普通しないというか出来ないですよね?

 

ヨーロッパの、ええっと、ウィーン?じゃないかスイスか?

小澤さんが「オーケストラ団員育成プログラム」の監督をなさった際のお話。

日本の「斎藤記念コンサート」会場で村上春樹がインタビューした音源があって、小澤さんが、欧米人と日本人のコミュニケーションの差異をさらっと的確に語っておられて。

 

お二人共あまり流行語志向ではないので知ってるけど普段使わないからすぐに出て来なかった「KY」。収録が2010年だったかしら?KY流行りの頃。私は「ああ、それKYですよー」と突っ込みたかったってことは…私も会話に参加したってことかも。

(KYと言われたくなくて)自主規制して自己主張しない人が日本には多いが、ヨーロッパではそれは有り得ない。自己主張の応酬。(だから欧州!って言ったのは私)

どちらが良いと決められるものではないが、オーケストラの場面では、ヨーロッパ型が絶対的。オーケストラはヨーロッパ発のものだから。

 

小澤さんは、日本の風土的なものを断ち切ったというより、独自の自然体を持ってヨーロッパ型自己主張と合流した方なのかも。

 

小澤征爾さんを惜しむと同時に、日本が小澤征爾さんのような人材を失った欠落感も覚えました。