戦争が産んだ子供達 | 星の輪ネットワーク

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金 銀花の独学パン工房 .
山ぶどうから生まれた自家製天然酵母で焼くパンを楽しみ、緑に囲まれて暮らすワンダーフルな日々の出来事を綴ります。

フランスで過激派が事件を起こしました。

実行犯のうち二人は兄弟です。


アルジェリア人ですが両親を戦争で亡くし、フランスの孤児院で育ったと云うその経歴を聞いて,

年末に読んだ「悪道日記」と云う本の中の主人公を思い浮かべました。


ハンガリーの作家アゴタ・クリストフと云う女性作家の作品です。


戦争に依って孤児同然となった双子の兄弟がどんな人間に成長していったか。


それが粗筋ですが、


人間はこうまでなれるものだろうかと疑問が残る、後味の悪い作品です。


しかしその後味の悪さこそが気付きの妙薬となるのかもしれません。


こんな事、絶対に有ってはならない、

有って欲しくないと強く思わされるのです。


読んだ人の身体にある種の震えを起こす事がこの作品の意味なのでは無いでしょうか。


話の内容は驚きの連続です。


その兄弟の成長を短い文章で淡々と綴っていきます。





20年程前に初めて読んだ時その短い文体に感激しました。

内容は良く覚えていなかったものの独特の文章が好きで少なからず影響を受けたものです。

去年、この作品が映画化されたと云うニュースを見て何となく再び読んで見たくなりました。

内容を良く覚えていなかったからです。


長い年月の後に読み返した話は衝撃的でした。

目的のためにはどれだけでも残忍になれる、

自らの命をも厭わない、感情などとうの昔に捨てているようにみえたフランスの兄弟実行犯が

まるで本の中の兄弟の様に思えます。




戦争が人の心をここまで変えてしまったのでしょう。


戦争だけがこんな人間を作れるのだと思います。


だからこそ戦争は止めるべきなのです。

戦争は直接に戦う兵士だけが犠牲になるのではなく,その家族や関係者までもが何かしらの被害を受けるのです。

そこから生まれるものは憎しみだけ。


20年前には理解出来なかったアゴタ・クリストフが込めた反戦の意味が、


フランスの事件を通して理解出来た気がします。

こんな子供達を作り出しては駄目。



戦争が無ければ全く別の世界で生きたはずの兄弟です。


おいしい料理に舌鼓をならすのも良いでしょう。

楽しいひと時に夢中になるのも良いでしょう。

日々の幸せを享受しながらも。


心にいつも平和を望む気持ちを意識し続けましょう。

戦争の無い世の中が来る事をイメージし続けましょう。

お願いします。


































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