こんにちは、福祉専門社労士の三木です(*^^)v
今回は能力不足職員への対応方法について。
どこの職場でも、一人か二人、他と比べて仕事の能率が悪い
方というのはいらっしゃいます。
自分の仕事が遅くて、定時過ぎても残って残業をしているような場合。
職員さんに残業代支払っていますか?
多くの場合、そんな残業にお金はだしていない、もしくは出したくないと
考えておられる事業主さんが多いではないでしょうか?
ただ、労基法の理屈でいえば、定時過ぎて仕事をさせてしまうと
その分の賃金(残業代)は支払わないといけなくなるんですね。
ずっと見過ごして支払っていないまま、となると
労務的に不健全な状態になるわけです(汗
基本的には、定時過ぎれば、仕事が終わっていようといよまいと
帰らさなければいけません。
ちゃんと時間までに仕事を終わらせるように指導をしなければ
いけませんね。
出来る人は出来ます。
出来ない人にはどう対応するか。
仕事が遅い、だけでなく
利用者への応対の態度が悪い、クレームが多い。
仕事を覚えるのが遅い、ミスが多い、
注意しても治らない、反発する、など。
いわゆる問題が多い職員さんなわけです。
欠勤が多い、遅刻が多い、
重大な懲罰にあたる行為をした、
など、客観的に見て、わかりやすいマイナスの行為が
あった場合には比較的対処はしやすいんです。
でも、仕事が遅いとか覚えるのが遅いなど
能力不足が原因の場合、客観的に証明しづらいです。
利用者への態度が悪い、クレームが多い、なども
結局根本は同じな訳です。
出来る人と比べて、対処能力が不足する部分が
あるから、クレームが出るんですね。
能力不足が原因の場合、すぐに解雇や降格などの
法的な処分をとるのは難しいんです。
客観的に能力不足を証明するのが難しいですからね。
能力不足を法的に客観的に立証する手段はありますが、
かなり長くなるので
専門的な部分はちょっとここでは端折ります。
実務的に、事業所で明らかに職務に対する能力不足が
疑われる職員さんがいたらどうすればよいか?
事業主は、毎日、イライラして過ごす事になるわけです(汗
かといって、安易に解雇などの処分をとるわけにもいきません。
万が一、不当解雇などの訴えを起こされたりしたら、
解雇の理由をきちんと証明できなければ大抵負けてしまいます。
頭が痛いです。
雇い入れた責任がありますから、まずは地道に注意指導を
繰り返すしかありません。
その上で、改善されない場合は、
文書などで、改善を促すのも方法です。
事業所が求める業務内容に対し、現在どの部分が足りてなくて、
どのようになって欲しいのか?
万が一、争い事になった場合に
それなりの客観的な資料が必要になってくるのです。
文書で客観的に、注意指導の証拠として残す、
それ以前に、何が問題なのか、
本人に自覚してもらう、
事が大事です^_^;
案外、何が問題なのか本人はよくわかっていない、
あるいは、職員にどうなって欲しいのか
指導する側も上手く伝えきれていない
このような事は実際の労務の現場では起こっているんです、
ミスマッチですね(*^^)v
中小規模の事業所のばあい、能力不足が疑われる職員に
注意、指導をしようとしても
業務のマニュアルが確立できていない、
指導する側の人材不足、あるいは注意、指導をしようとすると
逆に、事業所側の労務管理の不備を指摘される、など
色々諸問題が出る場合も多いです。
「何故、わからないんだ!」
「入社時にちゃんと教えてもらっていない」
「早く帰りなさい!」
「時間管理なんて普段していないじゃないですか」
あー言えば、こう言われる状態になりがちです(汗
業務の能力不足が疑われる職員に論理的に対応しようとすると、
根本的な事業所の労務管理を整備しておかなければいけない、
中小規模の事業所の
能力不足職員への対応を難しくさせている問題の本質なわけです。
事業立ち上げ当初は、このような問題は一般に起こりづらいです。
仲の良い仲間同士や隣人で立ち上げますからね。
開始当初は一般にモチベーションが高い、メンバーが
集まっているわけです。
段々といろんなタイプの職員さんが集まってきて、
必ずグループ分けが起こります。
出来る人、普通の人、出来ない人、
2:6:2の法則ですね。
見方を変えれば、御社の事業も、そろそろ
労務管理を本気で考えなければいけない、
そういう時期に入ってきているのですよ(*^^)v
前向きに捉えていただければ幸いです。
考えるきっかけを与えてくれてるんです(そう思いましょう)
業務の能力不足や、問題行動のある職員に対して、
指導や注意、上記の文章発行など、
個別に対応するのも勿論必要ですが、
まずは、事業所全体の管理の問題として、
取り組まれる方が、解決に至りやすいんです。
いきなり個人に落とし込むと、個人攻撃を受けた!
と考えられてしまいますから。
何故、仕事が遅い→遅くても構わない(と思われてしまう)状況がないか?
何故、注意・指導を聞いてくれない→指導・管理の体系は整備できているか?
その上で、どうしても劣る職員がいる場合に、
個人的な指導にはいるのが得策です。
事業所全体の管理のレベルの底上げを図る訳です。
急がばまわれ、実際はその方が、効果は早いですね。
実際に、事業所内で明らかに能力の劣る、周りの足を引っ張る、
反抗的、このような方がいたら、本当に会社は大変です。
人件費が無駄になるばかりか、周りの職員にも悪い影響がでます。
事業所の評判が下がるかもしれません。
放置せず、早急に対応を考えていただければと思います。
本日はこの辺で失礼いたします!
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