男性の道、女性の道 | 御木白日のブログ

御木白日のブログ

学習院大学 仏文科卒業。大正大学大学院文学博士課程修了。
詩人活動をとおして世界の平和に貢献。

 『魔女の宅急便』、『となりのトトロ』、『物のけ姫』・・・等々、アニメ映画で独自の世界を切り拓(ひら)いてこられたスタジオジブリ社の宮崎駿監督。
 宮崎監督は4年ほど前に引退を表明されていましたが、最近復帰されたそうです。それを機会に新人を養成しようと思って、アニメーターと背景を描く人々を合計11人を採用されたそうですが、なんと10人は女性とのことです。
 「今、自衛隊でも募集すると優秀なのはみんな女性だという話を聞きました。消防士も警察官もそうだそうです。そういうふうな国になっちゃったんです」とも宮崎監督はいっておられます。
 海外に出て活躍している人も男性よりも女性が多いというのも最近の日本の若者の実態だそうです。
 「男性には男性の、女性には女性の道がある」とPL処世訓第13条は教えてくれています。
 若い女性の方々は「大和(やまと)なでしこ」としてサッカー(なでしこジャパン)にかぎらず見事に「女性の道」を世界に向って発揮されているようです。
 他方、若い男性の方々は女性に比べて影が薄いように感じられます。「元気がない!」というのが若い男性一般に対する評価になっているようです。
 どうしてこんなことになってしまったのでしょうか、日本の若い男性にいったい何が起きているのでしょうか。
 戦争に敗けたことによって、戦前、戦中のわが国の「男性の道」、「女性の道」は大きく軌道修正されることになりました。とくに戦争放棄の「平和憲法」の下、「男性の道」は大きな衝撃を受けました。
 それでも経済的に豊かになることを目指して頑張ることができた時代は「男性の道」の喪失もそれほど目立つことなく済んできました。
 ところが、わが国の経済的、社会的バブルがはじけたことによって、かろうじて残っていた「男性の道」の方向性も見失われ、長いトンネルに入ってしまったようです。そこには、なんともいえない閉塞感が蔓(まん)延しているようです。
 どうすれば、そのような閉塞感を打ち破って、新しい「男性の道」を立ち上げることができるかが、個人の問題としてはもちろんのこと、わが国の社会全体の問題として問われているのだと思います。