二代さまの日記(その4) | 御木白日のブログ

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学習院大学 仏文科卒業。大正大学大学院文学博士課程修了。
詩人活動をとおして世界の平和に貢献。

 二代さまの日記の整理をさせて頂いていますと、二代さまのお話の中に出てきたことはこの時のことだったのかとか、その他いろいろ発見があり、当時の二代さまのご苦労なさった様子やご心境が忍ばれて感慨深いものがあります。

     クリップは何にも感じはなけれども
     ただあるままをうたうなりけり

 このお歌は私が13、4才頃、「これはためしに一分以内で作った歌だ」と二代さまがお話になったのを直接おききしたときのお歌です。おもしろいなと思いながら何となく私の記憶の中に残っていました。
 ところがこのお歌は昭和17年6月22日にお作りになったことがわかり驚きました。この日の日記に当時の様子が記されていたのです。
 「三十秒平均として十分で二十二首作ったこと、これは側(そば)にいた他の方々から題を出してもらってその場で作った」ことなどが記してありました。
 そこに、「クリップには感動がないけどやってみる」と記されていて、

     クリップは何にも感じはなけれども
     ただあるままにさながらにみる

とありました。
 私の記憶では「ただあるままをうたうなりけり」なので、当初の「ただあるままにさながらにみる」を後(のち)にかえられたのかもしれません。