トルコ紀行(その4)「聖母マリアの家」 | 御木白日のブログ

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学習院大学 仏文科卒業。大正大学大学院文学博士課程修了。
詩人活動をとおして世界の平和に貢献。

 エフェソスの遺跡から7㎞位はなれたところに小高い山があります。
 18世紀末にカタリナ・エメリッヒ(1774~1824)というドイツの尼僧が夢を見ました。その夢の中に出てきたのが、それまで彼女が訪れたこともないトルコのこのエフェソスの山中にある聖母マリアの家でした。それは石造りの家で、その家の様子を尼さんが詳細に語り出したのです。
 それがきっかけで、「聖母マリアの家」探しがはじまりました。そして、尼さんの語った通りの石造りの家が発見されたのでした。イエスは亡くなる前に使徒の聖ヨハネに母マリアのことを託したとのこと。聖ヨハネはあちこち布教しましたが、この地に落着き、最後まで聖母マリアにつきそったということです。
 法王庁はこの尼さんの夢によって聖母マリアの家が発見されたことを「奇跡」として認めています。
 1967年に法王パウロ六世が、1979年に法王ヨハネパウロ二世が、2006年には法王ベネディクト16世がこの家を訪れています。
 石造りの小さな家の祭壇にまつられた聖母マリア像におまいり致しました。
 イスラム教のこの国に聖母マリアの終焉の地であるこの小さな家がしっかりと保存されているのをみまして、イスラム教、あるいはトルコという国のふところの深さを感じたことでした。
 なぜ、聖母マリアの家がエフェソスなのかですが、431年のエフェソス公会議で聖母マリアが人間イエスの母であるだけでなく、「神の母」(テオトコス)であることが認められたという歴史的事実も

重要だったのではないかと思います。