おとといからラオスの古都ルアンパバーンに来ています。
日本もお盆休みなので、日本からの旅行者の方たちも多く見かけます。
ラオスは仏教国なので、毎朝お坊さんが托鉢をしています。
よく見てみると、中に小さな子どもが混じっていることがよくありますが、
聞いたところによると、僧侶になるのに年齢制限はないらしく何歳からでもなれるのだとか。
また、学校が近くにない山岳地帯だとお寺に入れて教育を受けさせてもらうことも少なくないそうです。
ラオスの就学率は、初等教育98%、前期中等教育77.4%、後期中等教育33.9%で高等教育になると17.7%と狭き門に。
また、入学しても留年率や中途退学率が高く、少数民族が住む農村部では約半数が留年するのだとか。
ルアンパバーンの街中では、毎夜メインストリートでナイトマーケットが開かれていますが
子どもが売り子であることも少なくありません。
夏休みが終わっても売り子を続けている子どももきっといることでしょう。
子どもは一家にとって大事の労働力だからです。
こうなると"おうちのお手伝いをよくしてえらいわね"というレベルではないですね。
子どもたちのきびしい教育事情から"貧しさ"が透けて見えるラオスですが、伝統工芸においては素晴らしく、とても豊かです。
国内には数多くの少数民族がいますが、それぞれの民族に伝統的な織物技術があり、その種類やデザインの豊富さには目を見張るばかりです。
ラオスの織布・織物は世界的に有名で、今では希少な製法で作られているものが少なくありません。
お隣り国のタイにもかつて豊かな織物文化がありましたが、経済発展と共に織手が少なくなり伝統が途絶えてしまったところが数多くあるとか。
日本の伝統工芸も織物に限らず、他の分野でも同様ですね。
ルアンパバーン近郊の織物の村を訪ねた時に「絹のストール(約2m)を一枚織るのにどれだけ日数がかかりますか?」と聞いたところ、「複雑な柄だと一ヶ月かかることがあります」という答えでした。
これでは、確かに「効率優先」の社会で続けていくのは難しいでしょう。
逆に言うと、まだ貧しいから伝統は保たれていると言えるわけです。
布・織物好きにとってラオスはたまらなく魅力的な国です。ラオスの織物文化がいつまでも続いて欲しいと願わずにいられません。
その願いは決して"いつまでも貧しいままでいて欲しい"という意味ではないですが、"豊か"になると伝統の継承が難しくなるのは目に見えて明らかなわけで…
難しいですね~(-_-;)
今回の旅では、豊かさとは何だろう?という問いを改めて突きつけられています。