ようやく予約していたレストラン「The Deck」に到着。

1階で予約していた事を告げると、3階へと案内された。


*前回のバンコク滞在記はこちらからどうぞ!


3階でさらに席へと案内される。


「!!!」


思わず息を呑んでしまう。

それほどまでに理想的なワット・アルンビューの最前列の席だった。


目の前には「暁の寺」と呼ばれるワット・アルン、そしていよいよ沈んでいく太陽が見える。



「やっぱり予約しておいて良かったなぁ」と思わず独りごちてしまうほど、最高の風景が目の前に広がっていた。


食べるものは予約サイトを通してセットメニュー(タイ料理のセット2種、西洋料理のセット2種の4種類の中から1つ選ぶ。私はタイ料理のBセットを予約していた)を注文していたが、メイン料理だけはこの場で3種の中から1つ選ぶ事になっていた。

メインは鶏・魚(スズキ)・牛肉の料理だった。


という事で、魚料理を選択。

さらに飲み物も追加注文する。

暑い中歩いて来たので水とカクテルである。

カクテルもオリジナルのものが3種ほどあり、ウェイターさんにお勧めを訊くと「アルンサンセット(うろ覚え)」がお勧めだと言う(確かに今のシチュエーションにぴったりである)ので、それを頂く事にした。


↑この時間帯にぴったり!なカクテルを飲み、ご機嫌になるが…。


料理はセットメニューではあるけれど、コースのように一品一品出てくるのかと思えば…あれ???


一気にテーブルに並べられてしまう。

何だよ、これではファミレスではないか…。



ちなみに料理はポメロを使ったサラダ・トムカーガイ・メインディッシュ+ジャスミンライス(&デザートとドリンク)である。


はっきり言って、この辺りからいろいろと「はぁ?」と思う事が続いた。


まず、このビューの素晴らしさを求め、やたら旅行者たちが上階のデッキを目指して行ったり来たりするので落ち着かない。

それに加え、食事中の私を遮るように写真撮影する女性まで現れたのである。

最初にやって来た2人組の女性は遠慮がちに「いいですか?」と尋ねて来たので快くどうぞと言えたが、何も言わずに目の前を遮って来た女性に対してはあまりの無礼さに開いた口が塞がらないほどだった。


*この出来事に関しては現地からも記事にしております


こんなにも素晴らしい風景なので観たいと思う気持ちや写真に残したい気持ちはわかる。

私もそう思ったからこそ、手間とお金をかけてこのシートをキープしたのである。


加えて、店側の対応に関しても大いにひっかかるものを感じた。

ダーッと並べられた料理は「作り置き」感があり、控えめに表現しても味は「普通」。

追加注文した飲み物も含め、私にとっては決して「安い」「お手頃だ」とは言えない料金である。


しかし、そんな感じで客は押し寄せる一方なので「美味しいものを美味しいタイミングで」「楽しい時間を過ごしてもらおう」という飲食店として基本の心構えがすっぽり失くなってしまっているようにも思えた。


おまけにタイの習慣では「チップ」も必要なのだ。

サーブしてくれたスタッフの全てが「はぁ?」と思うような接客なら最低金額のチップを残してくる事も出来たが、一部のスタッフはテキパキしていて感じも良かったので結局通常通り(飲食代金の10%程度)のチップを置いて来た。


↑“Lod Chong”というタイの伝統的なスイーツがデザートだった。


何だかんだ愚痴ってしまったが、やはりこの風景は素晴らしい。

この眺め「だけは」良い思い出となった。



帰ろうとしているのに「ありがとうございます」すら言わない1階のスタッフに一瞥をくれ、さらにモヤモヤしながら外に出ると…そこからも当然同じ風景が見えていた。


私が今回求めていたのは「美味しい食事やお酒を楽しみながら、夕景から夜景へと変わるワット・アルンを眺めたい」という事だったので店を予約して挑んだが、これならここから風景だけ見る方がよっぽど良かった。

とは言え、店はもちろんここだけではないのである。

もしかしたら次回も懲りずにまたこの辺りのレストランを予約してしまうかも知れない。


負の経験もまた経験なのである。

決して負け惜しみでは…ない?


再びワット・ポーと面したマハラート通りをサナーム・チャイ駅へと向かって歩く。

この通りでキャッキャやっているのはもれなく欧米人だった。

彼らは通りに並んだ屋台で何やら美味しそうなものを食べている。

一瞬「良いなぁ」と思ったものの、さすがに今は満腹である。


陽も落ち、パーティーピープルな欧米人たち(私にはそう見えた。実際は彼らがただ楽しむ事が上手なだけだろう)はさらに盛り上がり始め、そんな彼らをターゲットにしたトゥクトゥクの運転手はぼっちでとぼとぼ歩いている私にまで「乗らない?」と声をかけてくる。

「ただ駅に行きたいだけだから」と断り(本当は乗ってみたいのに)、足早に駅へと急いだ。


駅に着き、券売機でトークンを買おうとしたが、小銭は足りなかったし、お札は全て戻って来る(そんなにしわしわのお札じゃないのに!)。これじゃMRTに乗れない!


うまく行かない時は何をやってもうまく行かないのか?


すっかりテンションがだだ下りになっている自分がいい加減嫌になり、喝を入れる事にした。

先ほどはクレジットカードをタッチさせても通れなかったが、もう一度やってみよう。


さっきと向きを変えれば良いんじゃないか…とカード表面にある「タッチ決済マーク(?)」を改札のタッチする部分に向けると、あっさりと改札は開いた。

買い物する時にタッチ決済を使う時は表面を上に向けてタッチしていた(台湾でもそうやって決済した)ので、てっきり表面を上に向けないといけないと思っていたが、タイのMRTでは違ったのである。何だよ!


そこから一気に通常のテンションへと戻り、「もうホテルに帰ろうかな…」と弱気になっていたのが「やっぱりチャイナタウンに行こう!」と思えたのである。


サナーム・チャイからMRTに乗り、2つ目でチャイナタウン最寄りの駅である「ワット・マンコン」に到着。


駅から地上に出る階段で私の干支でもあるドラゴンが出迎えてくれる。

駅からがっつり中華テイストである事に否が応でもテンションが上がる、チャイナタウン好きな私であった。