「ドラマ 地球の歩き方」、ご覧になってますでしょうか?



このドラマは登場人物の俳優たちがそれぞれ自分自身の役を演じながら世界を歩く…という「半ドラマ+半ドキュメンタリー」のような趣向で製作されております。


*この記事は作品のネタばれも含みますので「録画したものを観ようと思ってる」という方はお気をつけください。


三吉彩花さんが歩く韓国、そして森山未來さんが歩くタイを観終わった今、この作品に隠されたいろんな仕掛けに翻弄されている自分に気付きました。


「どこまでが本当で、どこまでが創作」という事をドラマの中ではっきり語られる事がないからです。


三吉彩花さんが韓国でわずかなヒントを元にコーディネーター・ドネさんの生き別れたお母さんを探したり、森山未來さんがタイ編・2回目のラストで「もうちょっと1人でタイをまわりたい。後で連絡します」と言って消息を断ち、6ヶ月後にようやくスタッフさんに連絡した…というのはさすがに創作だと思いましたが、三吉さんも森山さんも「韓国のオモニ」や「タイのアート」に関心を持ち、それらについて真摯に取材していたのは真実だと思います。


☆それぞれの取材レポートはこちら!


今回は「森山未來さんが歩いたタイ」で取材をしていた「アート」について書いてみようと思います。


森山さんがタイを歩いた軌跡はこんな感じ。


第一回:バンコクにて最新アートスポット巡り。

漫画家であるタムくん(ウィスット・ポンニミットさん)や、グラフィティアーティストのアレックス・フェイスさん、そして彼の作品に登場するうさぎのキャラクター・マルディが誕生するきっかけとなった娘さんのマルディちゃんと会い、タイの現代アートに対する理解を深めていきます。


↑タムくんの作品に登場するマムアンちゃんのスケッチや下書きなど(2021年夏に阪急百貨店で開催された「きゅん!マムアンとララ展」にて)。


*バンコクのグラフィティアーティストたちも登場する「Not Me」についての記事はこちら


第二回:さらにタイ発信のアートを求めてタイ最北端・チェンライへ。

映画監督のジョーさんと出会い、彼の「すべてのものはそれだけで十分に美しく、アートは必要ないのではないか」という葛藤の言葉に何かを感じたような(気がした)森山さん。

その後、山岳民族であるアカ族出身のアーティスト・ブスイ・アジョウさんの作品に込められた思いを訊き、彼女のルーツであるアカ族の村を訪れます。


*アカ族の村を舞台にした「A Tale of Thousand Stars」についての記事はこちら


第三回:「また連絡する」という言葉を残して姿を消した森山さんから半年ぶりに連絡が。

何と今はプーケットにあるレムトゥッケ村で現地の人々と生活しているという森山さん。

その村では元々タイ〜マレーシア〜インドネシアの海を漂流していた海の民の子孫が漁業を営みながら暮らしているのだとか…。


タイ編のラストシーンでは、さらに旅を続けるとボートに乗り込み海へ漕ぎ出した森山未來さん。

さすがにそれは無茶苦茶だし創作であるはずですが、そのシーン自体はとても美しかったです。


レムトゥッケ村での風景や村の伝統舞踊・ロンゲンなど、村での暮らしはそこに暮らす人々からすればごく普通のものであるのでしょうが、どれも感動するばかりに綺麗であり、「確かにこんな美しい場所ではアートなんて必要ないのかもな」と思ってしまいました。


そんな私はアートには全く明るくなく、良し悪しなども全然わかりませんが、鑑賞する時に大切にしているのは「好き」という気持ちです。

だから有名であろうが無かろうが、高価だろうが安価だろうかは全く関係ありません。


見ているだけで楽しくなったり、好きな旅先を思い出せる作品が特に好きで、幸運にもそう言った作品に出会えた時は(買える値段であれば)購入して部屋に飾り、眺めて幸せな気持ちになっています。


↑波しぶきをプルメリアで表現したハワイのアーティストの作品。

その話をその場にいたスタッフの方に訊いてうっとり。

プリントがあったので(つまりは買えるものだった)、即財布を開いてしまいました。


それにしても、まだ未踏の地なのであくまでも印象ですが、タイにはアートや美しいものが溢れていますね。


南国の花や果物、美しく飾り付けられた料理にスイーツ、細かな装飾に息をのむ寺院。

そして、若いパワーが創り出す様々なアート。

伝統と最新が混沌と混ざり合う街。


実際にこの目で確かめるのが楽しみです。