【インタビュー】気力と努力で、遅咲きの花が開花。作曲家・演奏家ラーセンみどりさん | N.Y.在住インタビュア&ライターなまずみきの「言葉を力に」

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インタビュー好きフリーライター。企業とのお仕事のほかに「みきてぃ文章SOS隊」隊長として個人事業主をサポート。直感と運で生きている。ブログは遊び場。

一年前に取材したセミナーで、参加者としてお会いしたみどりさん。その後、何度か再会。この度、インタビューさせていただきました!!

 

気力と努力で、遅咲きの花が開花。作曲家・演奏家ラーセンみどりさん

 

◼️アメリカの大学で音楽の楽しさを知る

 

2019年11月に、ニューヨークで作曲家・演奏家としてデビューしたラーセンみどり(Midori Larsen)さん。実は、音楽を本格的に学ぶきかっけは、消去法での選択でした。しかも、初めて作曲に取り組んだのも、ほんの一年前だとか。みどりさんに、ここまでの道のりについて、話を聞きました。

 

―みどりさんは、アメリカ人のだんな様とニューヨーク在住ですが、生まれ育ったのは日本ですよね?

 

そうなのです。横須賀で育ち、初めてアメリカに来たのは、高校2年のとき。夏休みにオレゴン州ポートランドで、ホームスティをしました。アメリカの自由な雰囲気に、「ここで挑戦したい」と。帰国後は、アメリカの大学に行くと決めて、必死で勉強しました。

 

―そして、無事にアメリカの大学に進学できたのでしょうか。

 

はい、カリフォルニア州クレアモントのピッツァーカレッジいう小さな私立大学に入学できました。最初の2年間は一般教養を学び、専門は3年目に決めればよかったので、とりあえず一年目は、英語の読み書きが大変な科目はやめておこうと。英語のハンディが少ないコーラス、ピアノ、ダンスなどを専攻しました。

 

―確かに、少なくとも演奏中や踊っている間は、読み書きは必要ありませんからね。音楽やダンスの経験はあったのでしょうか?

 

小さい頃から運動が得意で、歌ったり踊ったりも好きでした。ただ、中学の音楽教師をしていた母の影響で始めたピアノは、全然好きになれなかったのです。クラシック音楽がしっくりこないし、練習も嫌いで。それでも、「継続することに意義がある」という方針の家庭だったので、いやいや続けましたが、高一で部活や勉強を理由に辞めました。

 

―そうだったのですね。ピッツァーカレッジでのピアノの授業はいかがでしたか?

 

先生がすばらしく、音楽の楽しさ、クラシック音楽の美しさに気づきました。「ちゃんと音楽を学んでみよう」と、3年目から音楽を専攻にすることを決めました。実は私、楽譜もろくに読めなかったのです。ずっと指で覚えて弾いていたのですよね。そんな状態だったので、音楽理論も実技も基礎から学び直し、勉強とピアノに明け暮れる日々でした。大学4年の卒業直前に、大学のオーケストラとコンチェルトを弾く機会をいただいたのは、良い思い出です。

 

◼️大学院ピアノ科を、10年かけて卒業。

 

―かつては好きになれなかったピアノを、自ら選んだのですね。卒業後はどうされたのでしょうか。

 

「もっと学びたいな」と思って、卒業後は、一旦日本に帰国し、一年間、大学院受験の準備をしました。2001年ニューヨーク大学大学院ピアノ科に合格。ここでもすばらしい先生に出会い、ドクターにも進学しました。ただ、PhD(博士号)を取得するのに、10年もかかりました。その間に、結婚・出産もしましたし。

 

―10年ですか!?それは、随分長いですね。

 

長かったです。もちろん、ピアノの練習も大変でしたし、論文のためのリサーチにも苦労しました。論文では、先生に「何が言いたいのかわからない」と言われ、「私もわかりません」という感じで(笑)。

 

―英語でもハンディがあり、音楽も遅いスタート。PhD取得は、気力と根性の賜物ですね。学びの多い10年間だったのでは。

 

はい、気力、根性、努力には自信があります。あの10年では、「わからないことを、ごまかしていると、いつか行き詰まる」ということを痛感しました。「自分に正直になる大切さ」を学びましたね。

 

◼️初のコンサートは、作曲家として。

 

―博士号を取得した後は、演奏活動をされていたのでしょうか。

 

いいえ、実は、博士論文執筆中は目の前のことに必死で、子どもが寝ている間の隙間時間は全て論文に捧げていました。出産後7年間ほどは、ピアノから遠ざかっていたのです。

一方で、ずっと「和太鼓をしたい」という思いがあって、2017年に篠笛・和太鼓奏者の渡辺薫氏に師事して、学び始めました。今は、和太鼓のパフォーマンスにも参加させてもらっています。

また、ジャズ界で活躍する宮嶋みぎわ氏と出会い、新しい可能性に気づかせていただいたことで、予想もしていなかった展開があったのです。

 

―ピアノの次は和太鼓。幅が広いですね!予想もしなかった展開とは?

 

作曲との出会いです。実は私、あがり症で、クラシックの演奏では必ず間違えてしまうのが悩みでした。それをみぎわさんに相談したら、「自分の曲を演奏したら?実は間違いに寛大な作曲家の気持ちがわかるわよ」と言われて。みぎわさんご自身、作曲家でもありますから、直接、作曲を学ばせていただきました。2019年11月には、宮澤賢治『雪渡り』を題材にたオリジナル曲をお披露しました。ステージではプロ二人と共演し、朗読に合わせて、太鼓・ピアノ・篠笛で奏でました。

 

ーすばらしいステージだったとうかがっています。初のコンサートはいかがでしたか。

 

自分の心の声を音楽に昇華させ、それを仲間や観客と共有する喜びを実感できましたし、ステージというその空間全体をデザインするのも楽しかったですね。共演者にも、観客のみなさまにも、「楽しかった」と好評でしたので、次につなげたいと思っています。

 

―高校生の時に「ここで挑戦したい」と思ったアメリカで、まさに挑戦の日々が続いていますね。今後の展望を聞かせてください。

 

「人生は即興」をモットーに、ジャンルにこだわらず、自分の音楽を演奏し続けていきたいです。私は、音楽の英才教育を受けたわけでもなく、音楽に向き合ったのも、随分遅かったと思います。だからこそ、誰でもいつでも、音楽を自由に体感し、楽しめる環境づくりをしたいと思っています。いずれは、地元・横須賀に音楽で貢献することも夢です。

 

ーありがとうございました。

みどりさんには、「活動やバックグラウンドをみなさんに知ってほしい」ということで、「みきてぃ文章SOS隊」をご依頼いただきました。一年前にお会いしたときは、再会できるとも、こんな風にインタビューさせていただけるとも想像していなかったので、本当に、人生はおもしろいですね。根気強く、こつこつと目の前のことに取り組んでいたら、予想もしない展開もあるし、花は咲く。みどりさんに、そんなことを教えていただいたインタビュアー&ライターなまずみきでした(https://namazumiki.com/

 

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