たまにしか真面目な事を書かないので恐縮ですが、今回、極真館の全日本は青少年は心臓震盪の事故に配慮した「胸部プロテクター」が、女子は乳房の出血や変形、それに伴う乳癌リスクの軽減を盛り込んだ「硬質チェストガード」が公認されています(硬質チェストガードに関しては昨年の全日本から公認になっています)
http://blog.livedoor.jp/tenkafuken/archives/1739594.html
個人的には感無量です。
以前のブログにこんな事を書いて
「紛れも無く私達はずっと全力で駆け抜けていく、この泥水の中を」http://ameblo.jp/mikenekomannma/entry-11349671514.html
実際あれこれ今でも言われたり書かれたりしてますが、
全然気にしていません。
現役選手が行動を起こすという事が、どういう事であるか、それは百も二百も承知で挑んできた事です。
ピンと来ない方も多いかと思いますが、実はこの硬質チェストガードは10年前、フルコンタクト空手の世界ではほぼ、極真と名のつく流派のほとんどで全面使用禁止になったプロテクターです。
一度使用禁止になった物を、もう一度復活させると言うことは清水の舞台から飛び降りるぐらいの気分です。
それを聞き入れていただいた極真館、メーカー販売に踏み切っていただいたイサミには、感謝しても感謝しきれません。
逆に、この日記を書いた時はメーカー販売は無理かもしれない、と思っていた時で、どうやって訴えていったらいいんだろうか、と悩んでいた時でもありました。
なので、この後予想外に色んな方々が賛同していただけるようになって、もう、驚くばかりでした。
以前の日記「女の胸は誰が守る。胸部プロテクター(チェストガード)が一般販売されます」の中の一文http://ameblo.jp/mikenekomannma/entry-11442532414.html
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青少年の安全第一。
私達はプロではありません。
あくまでアマチュアで、空手でお金をもらうわけでも、商売するわけでもないのです。
広く、多くの人たちが空手を素晴らしいと感じ、空手をする事で人生の幅と奥行が広がる事を喜びとするために、稽古をし、その稽古の一環として試合に出ているわけです。
それが大きい大会であろうと小さい大会であろうと、価値は同じです。
以前、試合はまるで激しい禅のようだとブログで言った事がありますが、確かに荒行のようにダメージを負います。
しかし、アマチュアゆえに自らの身体にリスクを負いすぎる事があってはいけないとも思ってもいます。
この画像をよく見てください。
男性は、こんなアザ、極真だったら当然だ!とおっしゃる方も現にいらっしゃいます。
しかし。
乳房は大胸筋という筋肉の上に乗っかっている腺組織、臓器です。
ここから女性に大切なホルモンなども分泌します。
そして、脂肪組織が多く血流が盛んで出血しやすい部位です。
筋肉や骨の損傷とは全く異なり、長年の繰り返しの機械的刺激や出血が続けばガン化しないとは言い切れません。実際そのような論文も出ており、どの医者に聞いたとしてしても「ガンには絶対ならない!」と言い切る医者など一人もいないと思います。
どうですか?大事なお嬢様を持つ親御さん。
自分の可愛い娘が、こんなに乳房から出血しながら、夜中に胸を押さえて痛み苦しみながら、それでもスポンジで空手で殴りあいをしろと、言えますか?
私は言えません。大会に出場してくる女子選手のほとんどが、みけマンマの娘、と言ってもおかしくないほどの歳の差の子達ばかりです。
そりゃー試合ですからガンガンにぶん殴りますけど、試合が終われば可愛い可愛い娘同然です。
だからこそ、スポンジなどでは戦わせられないと強く思いました。
もし、この子達が将来不幸にも乳ガンになってしまった時、もしかしてこれが空手のせいだったのでは?と後悔したとしたら、それはもう、悲劇としか言いようがありません。
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みけマンマ自身、長年重量級、実質無差別級で戦って来ました。
体重差が常に10~20キロ近くある相手と素手素足での殴り合いになります。連戦につぐ連戦で全身はメチャメチャになります。
関節などはもの凄い血腫で腫れ上がり、何度もデカイ注射器を身体に刺して溜まった血を抜く。
そんな作業を何回も何回も繰り返して来ました。
その度に身体にデッカイ針刺されて苦痛にゆがむ母親を見て娘達は「ママは次は死ぬんじゃないか」と泣き、自分自身も、自らの腫れ上がって血まみれの乳房を見るたびに、これでいいのか、と自問して来ました。
3年前のアジア大会。無差別級で3位になった時、初めて対戦したサニヤ・セキズバイウェア。そして、カザフスタンチームとチェストガードの一件で、みけマンマは真剣にチェストガードと向き合う事になります。
あの時負けて本当に良かった。あの時、サニヤと戦ったから、このままではいけない、と思えたんですから。
人生、何がきっかけになるか分からないものです。
ただ、いつも願う事は、
空手を愛する全ての女性が、心置きなく、空手を心の底から楽しめるような環境を作って行く事。
強くあれ。
そして、前向きであれ。
伝統という縛りの中で、思考を停止する事無く、何が必要で何が足りないのか、常に思いを巡らす。
この姿勢は、特別な物ではなく日々の空手の稽古そのもの。
私自身が、チェストガードから、そして極真空手からたくさんの大切な事を学ばせてもらいました。
たくさんの励ましのメッセージ、賛同のコメントを下さった方々、今まで本当にありがとうございました。
今後は、このようなサポーター類が普段の道場の組み手やスパーリング、地方の様々な大会で当たり前のように使われるようになる事、そして、この商品に限らず、たくさんの良品が開発される事を願っております。
押忍。