日本人のワーホリさんや留学生も部屋探しに大変苦労してるようなSNSへの書き込みを見かける。

 

以前、2回ほどシドニーの深刻な住宅事情について書かせてもらった。

 

 

 

 

 

この状況は今も続いていてかなり深刻な問題だと思う。


まずもともとの背景として・・・

 

もともとのオーストラリアの文化として、持ち家志向があり、若いうちに家を買い、

長期に渡ってローンを返していく前提がある。人口増が見込まれるこの国では不動産価格は(多少上下はあるが)長期的には右肩上がりなので、後々売って、その利益を得てさらに大きな家に買い替えればいい、という考え。

 

30年前ぐらいまでは人口も少なく家を買うことは比較的簡単だったようだ。移民が増え人口が増えるにつれ状況が変化。

 

最近では不動産をあくまでも投資目的として所有することも一般的となっている。

 

なので賃貸派は少数派という前提(最近は人口増で不動産価格爆上がりで、多くの人が手が出せずこの限りではないと思う)。

 

なのでこれまでのところオーストラリアには日本やドイツのような借家権・借地権という概念はなく法律もない。

 

大家側から来月から50%家賃を上げたいと通告があれば、交渉の余地は少なく、契約を切ると言われれば、期限までに退去しなくてはいけない。

 

この国では賃貸物件に住む限り安泰はない。

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今日は実際に、私の親しくしている友人に起きている話を紹介したい。

 

10月中旬、友人あてに突然6年間住んだアパートの契約を切りたいと大家側から不動産屋を通じて通告があった。これは寝耳に水だった。

 

不動産の売買が盛んなこの国ではこういう話はよく聞く話なのだ。

 

ニューサウスウェールズ州の法律だと(契約にもよる)、90日前までに大家側は契約終了を賃借人側に連絡しなくてはならない。

 

10月は非常にタイミングが悪い。つまり友人は来年1月中旬までに、今のアパートを出ていかなくてはならない。こちらのホリデーシーズンをまたぐ話となる。

 

オーストラリアでアパートを借りるには、まず下見(インスペクション)をし、気に入ったら不動産屋に、審査用のアプリケーションを提出する。アプリケーションには自分の仕事や収入などの情報を記入。数人からの推薦状が必要だ。

 

友人は安定した職に就いており、安定した収入がある。そして会社員として収入は悪いほうではない。

 

それでも、住宅不足でアパート競争がし烈なシドニーで、友人のアプリケーションは少し不利だった。

  • シングルで収入源が1つであること。(例えばカップルであれば収入源が2つで大家さんとしてもリスクが少ない)
  • 保護猫ちゃん三毛猫を飼っていること。

そんなわけで、全然アプリケーションが通らないと聞いた。聞くだけで他人事に思えず心が痛む滝汗

 

特にペットがいると、現状でシドニーでの家探しはかなりハードルが上がる。ペットを飼いたい気持ちはやまやまでも自分の家を買うまで我慢したほうがかなり賢明だと思うのだ。

 

友人はまだ引っ越し先が決まっていない滝汗滝汗。当座の住まいとして、シェアハウスなど貸間にまで視野を広げて1月以降の部屋探しをしている。

 

シェアハウス契約にもいろいろあるが、サブレット(また貸し)など、個人が不動産屋と正式にアパート契約するよりかはハードルも低く柔軟性が高めなものも。けれどもすべて一緒に住むことになる人にもかかってくる。

 

そんなわけでホームレスになる…、というのは、住宅不足と金利上昇で、家賃爆上がりのシドニーでは全く他人事の話ではないのだ。

 

私が住むシドニー東海岸では家賃の爆上がりがひどい。1LDKでも平均週600ドル(月23万円)以上する。こちらの給料が高めとはいえ、この額を一人で払っていくのはそれなりの収入が必要だ。

 

近所に住むあるシングルマザーが長年住んだ賃貸物件の50%家賃上昇に対応できず行き先が見つからないという記事が、シドニーヘラルド紙でも最近大きく取り上げられていた。

 

賃貸住宅に住む身としては、こういう話を聞くたびに本当に他人事とは思えずハラハラする…チーン

 

最近では社会問題となっていて、こちらのメディアでもたびたび取り上げられている。労働党政権となって、中低所得層の住宅問題は優先課題ともなっているが、不動産で大きな利益を得てきた富裕層や不動産業界、またようやくやっとの思いで不動産を買ってこれから利益を得ようとしている庶民からの反発も大きいだろうし、この分野での改革は難しいことが予測される。