秋の深まりとともに、「シミ治療」のご相談でクリニック内の賑わいも増しています。
一年を通して人気の『シミ取り放題』ですが、問診でご来院の経緯をお伺いすると、その多くが「友人・家族・知人からの紹介」に〇がついています。ブログやSNSでの情報発信が決して多いとは言えないクリニックにあって、連日たくさんの患者様にご来院いただけるのは、皆様の口コミのお陰です。大変ありがたいと感じるとともに、紹介してくださった方のお顔をつぶさないようにと、気を引き締める毎日です。
口コミで来院される患者様の場合、比較的、私のブログをご覧になったことがない方が多い傾向にありますので、カウンセリング時のお話をより充実したものにするために、ご予約の際にあらかじめ当院のホームページを読んでいただくようにお願いしたり、カウンセリングやその前後にもしっかりと説明を行うような工夫をするようにしています。最近、他院の医師のインスタグラムで「シミ取り放題を他院で受けて、ひどい色素沈着になり、相談を受けることが増えた」と、安易なシミ取り放題に警鐘を鳴らす投稿を見かけるようになりました。「しっかりとしたリスクと経過の説明を受けていればまだ良いのだが。」という注釈つきなのですが、この「しっかりとした説明」というのが大変難しいのです。
話は飛びますが、みかこクリニックの開院準備段階で、シミ取りで有名なクリニックに何度か見学と勉強に行かせていただいたことがありました。見学させていただいた先生は、カウンセリングできちんと「照射後の色素沈着」のリスクについて説明をされていました。スライドをしっかりと見せながら、です。私の感想としては、かなり丁寧な説明だと感じました。ところが、そのクリニックでの見学中、患者様から「シミ取りをしたのにもう再発してきた」とか「シミ取り後に黒くなってきたがどういうことか」という内容と思われる電話が入り、受付スタッフがその電話対応に追われている場面を数回見かけました。そこで悟ったことが「カウンセリングで１回説明したぐらいでは全然ダメだ！」という事実でした。おそらく、色素沈着のリスクの説明なしに施術を行うクリニックなど、今の時代さすがにないはずです。それでも、前述のような警鐘を鳴らす医師が出てくるのは、いかに患者様に実際のところを理解していただくのが難しいか、ということの現れだと思います。
そんな訳で、みかこクリニックでは、リスクと経過の説明には様々な工夫を行っています。
前置きが長くなりました。
今回はその「色素沈着」がしっかりと出てしまった患者様の経過をご紹介したいと思います。
まずは「最終結果」からご覧ください。
いかがでしょうか。実はまだ、一部にレーザー後の色素沈着がわずかに残っているのですが、全体的にはシミがとても綺麗になられています。
このような綺麗な結果を見ると、途中の色素沈着の経過がどうだったのか、気になるところだと思います。
照射後の途中経過が下の写真になります。
なお、始めの施術内容としては、多発する日光性色素班に、「Ｑスイッチルビーレーザー」と「ピコシュア」の『スポット照射』と、オプションでピコシュア『チューニング』（フラクショナル照射とトーニング照射）も同時に行いました。
反対側の最終結果もご覧ください。
反対側の途中経過です。
上の「レーザー照射18日後」の写真には、「炎症後色素沈着」が出ています。多くの患者様の場合、照射から３週目以降、１～２か月をピークに色素沈着が出やすいのですが、こちらの患者様は照射後18日目に既に強く出ていますので、かなり色素沈着が出やすい肌質だと言えます。
みなさんに共通することですが、レーザー後の炎症後色素沈着は口周りが特に出やすく、出る時期も早いのですが、改善も早いです。フェイスラインも色素沈着が出やすい部位なのですが、口周りと異なり、長引くという印象があります。
今回ご紹介した患者様には、レーザー後の再診時に既に強い色素沈着が出ていましたので、アフターケアとして、ゼオスキンの「バランサートナー」、「ミラミン」、「デイリーPD」、「スキンブライセラム0.5％」などをしっかりとご使用いただきました。その成果もあり、照射３か月後にはかなり色素沈着は改善され、その後も順調に改善していきました。
その後はご家庭でのスキンケアの継続をしていただきつつ、クリニックには「メディカルエステ」や「ボトックス注射」などに時々お越しいただいていましたが、初回のレーザー照射から約２年後に、２度目のシミ改善の施術のご相談がありました。
初回のレーザー照射の経過から、炎症後色素沈着がかなり出やすい肌質だということが判明していましたので、ご相談の結果、２回目のシミ治療では「レーザー照射」は行わず、光治療器『アイコン』による治療を行うことになりました。ですので、『アイコン』を１回照射した後の状態が、最初の写真の「最終結果」（２年６か月後）の写真になります。『アイコン』もとても優れたマシンで、残っているシミがさらに薄くなったことがお分かりいただけると思います。
参考になりましたでしょうか？
レーザー照射を行われたすべての患者様がこのような色素沈着が出るわけではありません。例えば、日本人における「Qスイッチルビーレーザー」の炎症後色素沈着の割合は４５％という論文がありますし、「ピコシュア」ではその確率はさらに低くなるものの、一定の割合で生じる色素沈着。仮に途中でそのような経過をたどるとしても、「最終的には美肌に到達する」ことを目指して治療に臨むことになります。お一人おひとりの肌質にもよりますが、シミ治療は「１回レーザー照射したら完了する」という簡単なものではありません。クリニックへの通院のしやすさ、相談のしやすさ、アフターケアの選択肢の多さなど、総合的に判断して、施術を受けるかどうかを決めていただきたいと思います。その判断材料の提供をさらに充実させるべく、みかこクリニックではさらに工夫をしていきたいと思います。
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