新渡戸稲造 武士道 | みかどクリニックのブログ 福岡市中央区大名

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【内科、漢方内科】

新渡戸稲造は38才の時、

欧米のある研究者から『日本では宗教教育がなくて、どうやって道徳教育を授けるのですか?』と質問されました。

その返答に窮した新渡戸が出した答えが、武士道でした。

英語で執筆された「武士道」は、日清戦争で日本が世界的に注目を集めた時期だったとはいえ、様々な言葉で訳され、世界的なベストセラーとなった。アメリカのルーズベルト大統領を始めとする多くの人に感銘を与え、世界的な大反響を巻き起こしました。

 

 

しかし、明治初期ころに来日した欧米の異邦人たちの日記によって、例えばエドワード・モースの日記から、何もエリート階級の武士だけではなく、一般庶民もまた欧米人が驚くほど躾や道徳心が身に付いていたことが分かります。

 

新渡戸稲造の出した答えは一面的であり、不十分であることが分かります。

 

 

以下に、

エドワード・モースの日記の一部を紹介します。(「よみがえる女神」清水友邦(ナチュラルスピリット)より引用)

 

『日本人は行儀がよく働き者で正直で、親切で微笑みを絶やさない。善徳や品性を、日本人は生れながらに持っている』

 

『日本人の家は開放的で鍵をかけない、日本人の子供や召使いは触ってならぬ物には決して手を触れぬ。部屋に子供や召使いが何度出入りしても物がなくならない。泥棒や乞食が少ない』

 

『貧しい家も清潔で品があるし、下流に属する労働者も正直、節倹、清潔だ。最も貧しい寒村の子供は不潔だったが、野獣性も悪性も、また憔悴した絶望の表情もなかった。子供たちは大事にされ優しく育てられている』

 

『日本人は、ある神秘的な方法で、彼等の廃棄物や屑物を、目につかぬように埋めたり焼いたり利用したりする。

いずれにしても卵の殻、お茶のカス、その他すべての家の屑は、綺麗にどこかへ持って行ってしまうので、どこにも見えない』

 

『この地球の表面に棲息する文明人で、日本人ほど自然のあらゆる形況を愛する国民はいない。嵐、凪、霧、雨、雪、花、季節による色彩の移り変わり、穏やかな河、とどろく滝、飛ぶ鳥、跳ねる魚、そそり立つ峰、深い渓谷。自然のすべての形相は、単に嘆美されるのみでなく、数知れぬ写生図や掛け物に描かれるのである』