2023年 12月。
ニュージーランドの旅 7日目、ミルフォードトラック2日目を迎えました。
ここでの朝は、まずはランチの準備で始まります。
キッチンに広げられているパンやハム、チーズ、ツナやチキン、たまご、野菜や各種ソースなどを自由に使ってランチ用のサンドイッチを作るんです。
作ったサンドイッチはジップロックに入れたりタッパーウェアに入れて、各自ザックに入れて持って歩きます。お水も自分のボトルに詰めていきます。
その準備がすんだら、朝ごはん。
朝食後、パッキングをして忘れ物がないか確認して、出発。
「8時半から9時までの間で各自出発」
って言われていたので8時50分にロッジを出発したら、すっかり最後の1組でした。
みなさん早く出発されるのね!
今日の行程は 16㎞。
アップダウンはあまりない行程ですが、あいにくの雨模様です。
クリントン・リバーにかかる吊り橋を渡って、いよいよ山歩きの始まり。
今日の行程はほとんどがこのクリントン・リバーに沿った登山道です。
最初はしばらく樹林帯が続いていて、景観は開けません。
昨日はさほど意識しなかったサンドフライ、やはりいますね。
歩いていると大丈夫なのだけど、立ち止まるとスーっと寄ってくる。
4日間もこのあたりを歩いていればどのみち何回か刺されるとは思うけど、刺されると数日ずっと痒いし赤身が残るので、虫除けはしたほうがベターです。
霧がたちこめる峡谷の草原。
雨や霧の日はコケが嬉しそうに見える。
手を広げたような赤い植物はサンドフライを食べる食虫植物なんだって。
さて、歩きだして3時間くらいかな。ランチを食べるための休憩小屋に到着しました。
小屋の中でスタッフの人に名前を告げてチェックイン。
このツアーではガイドさんがつきっきりではないので、こうしてチェックポイントを作ることで全員が何時に通過したか確認しているんですね。
小屋ではコーヒーやミロなどの温かい飲み物も出してもらえます。
日本ではご無沙汰のミロだけど、疲れるから甘いものが欲しくなるんだよね。
朝つくってきたサンドイッチ。
トラックや小屋でときどき見かけたスズメくらいのサイズの鳥は、ブッシュ・ロビン。
別名は トゥトゥワイ。ニュージーランドの固有種です。
人をあまり怖がらず、そこそこ近くまで来るので可愛かった。
登山客のパンくずを狙ってるのだろうなぁ。
食事が住んだらまた歩き出します。雨がちょっと強くなってきた。
明日登る予定のマッキノン峠の姿を初めて目にするはずのポイントを通過しましたが、峠は霧が立ち込める真っ白な空の中。
ここで目視できて、「あそこかー!あそこを越えていくのだな」と思えたりするとワクワクするのだろうなぁ。
そして、この辺から樹林帯を抜けて、岩がちな峡谷の景色が増えてきました。
とにかく、どこを見ても、滝!滝!滝 です。
フィヨルド地帯の峡谷を歩くミルフォードトラックは雨が多いため、わたしたちも雨の用意は(物理的な装備も、心の準備も)してきましたが、…なるほど。
「ミルフォードは雨の日の滝の景色が醍醐味」という声もあるらしいです。
晴れた日だとこんな風にあちこちから滝が流れ落ちる光景は見られないのかも。
途中、コースを少し外れて Hidden Lake(隠された湖)と呼ばれている小さな湖を見に行ってみました。ミルフォードにはときどきこういう「寄り道」スポットがあります。
ここもやっぱり滝と水。
とにかく水とともに歩く一日。
登山道も水があふれてじゃぶじゃぶ。
だって、滝って要するに水が山の上から落ちることだもんね。
雨がたくさん降ればそれが流れ落ちてきて滝になるのは当然か。
アップダウンのほとんどない2日目は、登山というよりただただ長時間山の中をのんびり歩くという感じ。いくつもいくつもすごい滝を見すぎて、途中から見飽きてしまいました。
トラックにときどき見つけるキロポスト。
スタートから16㎞地点ということは、今日のゴールで、宿泊地である山小屋 ポンポローナ・ロッジ Pompolona Lodge はもうすぐ…
で、ロッジ到着は14時50分!
ランチや休憩の時間を入れて、6時間で無事到着しました。
びしょ濡れ!まずは濡れたレインウェアや靴を専用の乾燥室(低温)に入れて、シャワーを浴びつつ着ていたシャツや下着などを洗い、そちらは衣類用の乾燥室で乾かします。
数時間ですっかり乾いて翌日快適に着用できるのがすごく便利。
この「洗濯+乾燥」の設備のおかげで着替えの荷物を減らせたのが助かりました。山を歩く装備と、山小屋で過ごす服(山用の予備になるもの)を最低1セットずつ持っていけば4日分が事足りるので。
今日の夕食は、前菜がスープ、メインをわたしはカレー、Utao はベジタブル&セサミのハンバーグ的なもので、デザートはクリームブリュレでした。
この日も食事のあとは明日のコースについてブリーフィングの時間です。
明日はいよいよ、ミルフォードトラックのクライマックス、マッキノン峠を越えます。
この登山道で唯一標高を上げるポイントで、ここの景色を楽しみにして参加しているといっても過言ではない大事な一日。
今回参加していた方の中には「何年か前に一度参加したのだけど、マッキノン峠がひどい雨で何も見えず、もう一度チャレンジしに来た」という方もいて(スタッフさんによると雨のために再チャレンジしに来る方は結構いるそうです)、みんなソワソワ。
でも、夜のブリーフィングで告げられた明日の天気予報は「Heavy Rain」でした。
「Ohhhh--------」と悲しいどよめきが満ちる室内。
事前に「4日間ずっと天気が悪そう」とは聞いていたので、(やっぱり…)という気持ちもありつつ… とにかく、大変な一日になりそうな明日に向けて早めに就寝です。