2019年 1月。
昨夜はイスラエルの片田舎の村で、英語圏で生まれ育ち、大人になってイスラエルに移住してきた友人の家で夕食をごちそうになりました。
今朝も 「ぜひ朝食を食べて行って」 と言われて、お邪魔してきました。
天気が良かったので、庭のテーブルで。
昨日もそうだったのですが、ユダヤ教には食べ物に関しての厳しい決まり(コーシャ)があるので、「何か手伝うよ」 と言っても、決まりを知らないとなかなか手が出せません。
卵をひとつひとつ別に割って中身を確認しないといけないので、スクランブルエッグすらいつもみたいには作れない。
今日は金曜日なのですが、彼らはずっと 「明日がシャバットなので金曜日はとても忙しい」 って言っていた。「これから食事の準備もしないと」 って。
シャバットは、「安息日」 と訳される、いわゆる週末の休日(日本で言うと「明日は日曜」的なイメージ)。それが来るとどうして忙しいのかピンと来ていなかったのですが、きっと彼らは結構厳格にユダヤの決まりを守っていて、安息日には料理をしないのでしょうね。(安息日には電気や火に触れてはいけないという決まりがある)。
英語圏に住んでいた時はここまでユダヤの決まりを守ってはいなかったけれど、イスラエルに移住したらまわりの人もユダヤ人ばかりだし、いつのまにかきちんと守るようになってきたんだそうです。
「今夜から電話も取れないから、何か困ったことがあったら早めに連絡してね」 って言われました。毎週1日 電話が使えない日があるって、すごいよね。
…さて、すこし遅めの朝食のあとは、村のワイナリーへお邪魔してきました。
フランスから移住してきた方が運営しているワイナリーだそう。
入ったら、まあ座って座って、って試飲に参加することになりました。
軽めの白から始まって、中くらいの白、重めの白。そしてロゼを2種類、赤を3種、そして最後はデザートワインへ、ここのワイナリーが作っているワインの代表的なものを試飲していきます。
ワイナリーのおじさんは、英語も話せるんだけどフランス語とヘブライ語のほうが得意のよう。詳しい話はヘブライ語で話す彼の話を、ヘブライ語と英語ができるイギリスから移住してきたユダヤ人のお客さんが訳してくれました。
日本ではそんなになじみのないイスラエルワインですが、2000年前からワインを飲んでいた土地ですからね。美味しいワイン、何本か買って帰ることにしました。
車で旅していると重い荷物が気にならないのでこういうことができます。
鉄道旅だとまず買えないよね。
さて!この日は、ガリラヤ湖沿岸のイエスの足跡をたどって行きます。
まずは、「パンの奇蹟の教会」へ。
新約聖書にある、湖のほとりで説教をしていたキリストが、2匹の魚と 5つのパンを少しずつ分け与え、5000人が満腹になったという奇蹟にちなむ教会です。
ここに最初に教会が建てられたのは西暦 350年。ただし、土地がイスラムのものになっていつしか忘れられ、いまある教会は 20世紀に発掘、再建されたもの。
床のモザイクは当時のものだそうです。ほんとかな???
わたしはなにげにこの教会を楽しみにしてきました。
なぜなら、祭壇の前の魚のモザイクが可愛いから!!
祭壇…! 祭壇の前にたしかにモザイクは見える…!
全然近くに寄れないようになっていて、よくみえなかった…(ガックリ!)。精一杯ズームして撮った写真も、ろうそくの光などが反射してしまい。
魚モチーフのネックレスなどを絶対売っているはず!と思ってきたけど、全然売ってなくてそれも残念でした。
…気を取り直して、近くにある 「ペトロ首位権の教会」 へ。
イエスが、十二使徒のリーダーともいえるペトロと、その弟アンデレと出会ったといわれる場所。漁師だった 2人をイエスがスカウトしたのがここ。
ガリラヤ湖まで行って、水に触れてみました。
そのあとは、車で丘の上の 「山上の垂訓教会」 へ。
イエスが説教をしていたのが主にこの場所だった、そうです。
「求めよ、さらば与えられん」など有名な説教がこの場所で語られたとか。12使徒が選抜されたのもここだったそうです。
それにしても、ガリラヤ湖付近の教会たちは、なんか… 少し、ガッカリしました。どこも、すごく新しい、きれいな教会なんですよ。最近建てました!みたいな。
あまりにも過去と現在でつながるものがなさ過ぎて(古いものが残っている遺跡ならまだ心を寄せやすいのだけど…)、どこに何を感じたらいいのかよく分からなかったです。わたしがちゃんとキリスト教の信者なら感動したのかなぁ?
…それはともかく。ガリラヤ湖でしたかったことがもうひとつ!
それが、セント・ピーターズ・フィッシュ、すなわち 「聖ペトロの魚」 を食べること。
ガリラヤ湖で取れる淡水魚のティラピアのことなのですが、「ペテロが漁をしていたら銀貨をくわえた魚が取れた」 という聖書の逸話にちなんで 「セント・ピーターズ・フィッシュ」 と呼ばれていて、沿岸にはこの魚を食べさせてくれるレストランがたくさんあります。
フライにしたりグリルにしたりするそうですが、今回は両方オーダーしてみました。淡水魚ですがそれほど臭みもなく、ほくほくした白身で美味しい!
イスラエルではこれを食べることをとても楽しみにしてきたので、とても満足でした。
ただ、ご覧のとおり量が多いのでさすがに食べきれず。おこぼれにあずかろうと集まって来ていた猫たちに、お店の人の目を盗んでこっそりあげてみたりしました。
食事を終えたら、キリストの奇蹟の逸話が残るカナの町を経由して、キリストの育った町ナザレに向かいます。