2018年 12月。
ヨルダンに到着し、マダバという町に立ち寄ったあとは、デザートハイウェイ(デザート=砂漠) をひたすら南下。今日はこのままレンタカーでペトラに向かいます。
周囲の風景は砂漠というよりはどちらかというと荒野って感じ。周囲にはほぼ何もありません。
交通量はそれほど多くないしずっとまっすぐの道なのですが、道路工事のためか車線減少区間が多く、そのたびに車線変更しないといけなくて意外と気を使う。
まあ、わたしはずっと助手席ですけど。
1時間ちょっと走った後、トイレ休憩のため道路脇のお店に立ち寄ることにしました。これを逃すとまた何十キロも何もありません。
大きなお店ではないですが、お茶が飲めて、スナックが買えて、トイレがあります。このお店の人たちはどこに住んでいるんだろう・・・?
ちょっと寒かったので、あたたかい紅茶をオーダー。ヨルダンの紅茶はお砂糖がしっかり入っていてとても甘い。だけど、乾燥したこの土地でこの紅茶を飲むとなぜだかホっとするのです。
カメラを構えたら 「彼もいっしょに」 って奥からわざわざもう1人呼んできて、2人でにっこりしてくれました。
お茶を飲み終えたら、となりのお店を見物。
お菓子や雑貨を置いている小さなお店なのですが、ウエハースがすごーーーく多い。とにかくものすごい種類のウエハース。
お菓子でいうと、ポテトチップやコーンスナック、ビスケットやチョコレートも一通りありますが、ウエハースの占める棚はほかの比じゃなかった。
ヨルダンの人はウエハースが好きなんだなぁ!
さて、トイレを済ませたら、出発。
再び、デザートハイウェイを南下していきます。
Google Mapのナビが言うには、ペトラまでは約 3時間。
いままでの経験上、たぶん4時間近くかかるはず。
冬のヨルダンの日の入りはだいたい 16時半なので、あとは日没との闘いです。
徐々に日が傾いてきました・・・。ヨルダンでは道路に街灯がないため、陽が落ちたら道路は真っ暗になると聞いています。大丈夫だろうか、ちょっと焦る。
デザートハイウェイを右折し、ペトラに向かう細い道に入ります。
そして、結局このあと、無情にも陽は落ちてしまいました。
実際、街灯はなく、周囲に家などもないのでひたすら真っ暗なのですが、月明かりもあるし(日暮れ後の夜の空というのは、案外明るいのですね!)ヘッドライトもあるので、スピードを出さなければなんとか…
ときどき左右の道が切れ落ちているので少し怖かったけど。
夜 18時ごろ、すでにとっぷり陽が落ちてから到着したのが、「La Maison Hotel Petra (ラ・メゾン・ホテル・ペトラ)」。ペトラの入り口から徒歩 5分くらい。良いホテルでしたが、高台にあるのでペトラ遺跡から戻るときけっこう坂を上がります。
チェックイン後、レセプションで 「ペトラ・バイ・ナイト(Petra by Night)」 のチケットを購入して、レストランのブッフェにて夕食です。
ヨルダンに到着してからピザとスナック菓子しか食べていなかったので、ここで初めてヨルダン料理を目にしたような。
野菜が多い!というのが第一印象。サラダだけでも数種類あって、どれも美味しかった。1人 10 JD(ヨルダン・ディナール)。
ちなみにコーヒーは、カルダモンの入ったスパイシーなヨルダンコーヒー。
煮出して淹れるので結構濃いコーヒーで、最初は 「苦手かも?」 って思いましたが、慣れると意外とクセになりました。
食事のあとは、完全防備で防寒し、「ペトラ・バイ・バイト」 の準備です。
「ペトラ・バイ・ナイト」 はその名のとおり夜のペトラ遺跡を歩いて、エル・ハズネの前で伝統音楽のショーを見るというペトラ遺跡の夜のイベント。
参加体験談をブログなどで読むと完全に賛否両論だったのですが、せっかくこんな遠いところまで来るのだから、昼も夜も全部堪能してみよう!ということで、開催日を調べてスケジュールを合わせてきました。
夜のペトラはすんごく寒い。この季節、ヒートテックなどの下着や防寒着などはもちろん、手袋と、耳や顔を覆うもの(マフラーでも帽子でもなんでも!)は必須。寒がりのわたしは、貼るホッカイロなども忍ばせました。
「I ♥ PETRA」 のサインが輝く入り口から入場し、ろうそくを紙で覆った燈籠がてんてんと道に置かれているのを目印に、ひたすら遺跡の奥へと歩いていきます。
足元がよく見えないので段差など注意しつつ・・・
一番奥まで進むと、暗闇のなかに燈籠に照らされたエル・ハズネがぼんやりと現れました。本当に、ぼんやりとね。「うわーーー!」 って感じではないです。
正直、暗くてあんまりよくわからない。
人が次々とここに集まるのですが、これから何が始まるのかもわからず、なんかザワザワ。スタッフ、なんとなくでいいから誘導してくれればいいのに…
この後、暗い中でどこからともなく弦楽器が聴こえてきました。
でも、どこで演奏しているのかぜんぜん見えない。
低い声で歌も聴こえるのですが、誰がどこで歌っているのかいまひとつわからない。
音楽が始まっても特にザワザワも静かになるわけでもない。
大きなお盆にたくさんのお茶をのせたスタッフが回って来た。この寒さの中なので少しでも暖かくて甘いものは嬉しいけど、紙コップを捨てる場所も困る。
ザワザワしている中で、なんとなく、歌と楽器がおわり、その後やや唐突に、遺跡がライトアップされました。しかも、なんか、色とりどりに。
このときに 遺跡の写真を撮って、まあ気が済んだら帰る、って感じ・・・なのかな。
寒いし、明日も早いので、まだライトアップがおわっていないうちにもうホテルに戻ってしまいました。
というわけで、「ペトラ・バイ・ナイト」 をについて説明するとしたら 「真っ暗な峡谷に燈籠が置かれていて、それを頼りに30分くらい歩いて、ぼんやりと照らされたエル・ハズネの前で音楽が聞こえてくるよ。そのあと、30分かけて歩いて戻ってくる。それを楽しいと思うかどうかは人それぞれ」 と答えるかな。
チケットも安くないので勧めるかどうかも迷う。
だけど、わたしたちは 「行ってよかった」 と思ってます。
理由は単純で、夜のペトラを歩ける機会はほかにないから。
昼とは全然ちがう独特の雰囲気があって、暗いのに怖くはなくて、美しい体験だったと思う。ただし、あのエル・ハズネ前のザワザワは、もうちょっとどうにかならんかなと思いますけど。
明日は昼のペトラを歩きます!