2018年 12月、ヨルダン 2日目。
今日はたくさん歩くのでしっかり朝食を食べておかなくては。
天気は薄曇り。今日は、ペトラ遺跡へ向かいます!
ペトラは、かつてこの土地に住んでいたナバタイ人の首都の遺跡で、紀元前 1世紀ごろ建造されたと言われています。ヨルダンの誇る世界遺産。
各地で遺跡を見てきているけど、ここまでの規模のものは初めてだと思う。
朝8時すぎ、昨日は真っ暗だった 「I ♥ PETRA」 の看板、再びです。
チケットが高いことで有名なペトラ。周辺のホテルに宿泊している人は割引がありますが、それでもひとり 50 JD(ヨルダンディナール)= 約8千円!
まずはペトラ遺跡の入り口から、峡谷の入り口まで。昨日の夜歩いた時は見えなかったけれど、途中にいくつか、岩壁に彫られた遺跡が点在していました。
シークと呼ばれる峡谷に入ると、左右に高い岸壁のそびえる細い道。
ときおり、馬車が走り抜けていきます。この道を歩くこと、1.5キロ。
岸壁に挟まれたこの場所は、大雨が降ると鉄砲水になりやすいそう。
(出発前も鉄砲水で日本人観光客が避難したというニュースがありました)
激しい水の流れで長い年月をかけて波打つような形状に削られた峡谷の岩壁は、先が見えないのでドキドキがずっと続いていく。
そしていよいよ峡谷の奥、突き当りにバラ色に輝く遺跡が見えてきました・・・!
ババーン!
『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』 でおなじみ、エル・ハズネが現れました。
ペトラで最も有名な遺跡です。
昨日の 「ナイト・ペトラ」 でぼんやりと見てはいるものの、全然違う。スケール感に感動! ラクダの存在感も良い!
遺跡の前でしばらく過ごした後、先に進むか、高台に上がるか迷います。
エル・ハズネの向かい側の崖には高台から遺跡を見下ろすポイントがいくつかあり、ガイドさんに案内されて登れるのです。
迷っていた時、ちょうど向かって右手にある高台に観光客が(ガイド無しで)登っていくのを見つけました。そこからはてっぺんまで登れるわけではないのですが、個人的にはぜんぜん十分だった。上から眺める遺跡は印象も変わるし、お勧めです!
なお、エル・ハズネに太陽があたるのはだいたい 午前9時から11時。この日は9時ごろに着いたのですが、冬は日の出が遅いため高台に上がったりしてしばらくたってからやっと明るくなりました。陽が差すと遺跡が輝くので、可能なら時間を合わせたほうがいいと思う。
エル・ハズネのあとは峡谷を抜けていき、まずは、ローマ時代の円形劇場へ。
3,000人収容できる劇場です。
広く開けた場所に出ると、かつて町の大通りだった場所 「柱廊通り」 を歩いていきます。見渡す限りの茶色い世界ですが、もともとはこの通りに沿って川が流れていて、緑の多い美しい通りだったんだそう。
柱廊通り沿いのローマの円形劇場と神殿を順に見学。
大神殿は巨大すぎてあまり構造がわかりませんでしたが、あとで丘の上から眺めてみてやっとその全貌を把握しました。かなりの規模です。
続いて、柱廊通りの突き当りに位置する神殿跡、カスル・アル・ビントの前を横切って、遺跡の奥へ進んでいきます。
ひとつの巨大な町がそのまま遺跡として残っているペトラ。なにしろ広大なので、入り口からここまで来るのに、実は3時間くらいかかってます。
さて、ここからが正念場。えんえんと石の階段を登って山を越え、一番奥にそびえるペトラ最大の遺跡 エド・ディル に向かいます!
ふだん運動していない人は途中で音を上げていました。思っていた以上に… というかまったく予想していなかったレベルで、結構登ります。
(どうしてもしんどい方は、ロバに乗っていくこともできますよ!)
…そして。やっと たどり着いた、エド・ディル、標高は 1,000m!
エル・ハズネから装飾を抜いたみたいなシンプルなファサードだけど、堂々としていて存在感があった。ロケーションも込みで、存在価値があって。
真正面に遺跡を眺めながら休憩できる大きなカフェがあったので、そこでお茶を飲み、ランチがわりに持ってきたパンなどを食べたり。
座ると風が冷たい。お茶を飲み終えたら、寒くなる前に切り上げるかな。
ここからは、来た道を下って、柱廊通りまで。
今回は柱廊通りをそのまま歩かず、通りを見下ろす丘の上に上ってみました。
上から見ると、大通りが左右に伸びている様子がよく見えた。大神殿の大きさや、大通りに沿って柱廊が並んでいる様子なども。
通りには石畳が敷き詰められていたんだろうな。人や動物が行きかう様子を見ていると、かつて首都だった町の様子がぼんやりと浮かぶような気がしました。
丘の上にはキリスト教時代のビザンチン教会のあとも残っています。
床のタイルのモザイク模様がまだ残ってる!
紀元前 1世紀に建造されたとされるペトラは、紀元2世紀にはローマに併合されて作り替えられ、4世紀におこった大地震でかなりのダメージをうけたあとは人口が減少。徐々に廃墟となっていきますが、19世紀になってスイス人探検家によって発見されるのです。1000年近く、忘れられてたんですね。
最後は丘の突き当りにある 「王家の墓」 と呼ばれるファサードに向かいました。
墓とは呼ばれていますが、実際に墓として使われていたかはわからないそうです。遠くからもくっきりとファサードの様子が見えていたけれど、近くで見てみてその彫刻や装飾の細かさに驚いてしまいました。
帰りは、エル・ハズネまでらくだに乗って戻ることにします!
たしか、2人で 20 JDくらいだったはず。
らくだに乗らずともぜんぜん歩いて帰れる距離なんだけど・・・せっかくなので 「ペトラでラクダに乗る」 という体験がしたいじゃないですか!
実際、らくだの高い背中に乗って、歩くのとは全然違うスピードで眺める遺跡はすごく楽しかった。ここでは公開しませんが、エル・ハズネの前でらくだに乗った写真も撮ってくれましたよ!
それでは・・・再び、というか四度(よたび)、シークを歩いて遺跡をあとにします。
これでペトラともお別れ。
出口に着いたのはちょうど 15時頃なので、だいたい 7時間くらい歩きまわっていたことになります。でも、すごく楽しかったので疲れは感じなかった。
2日券を買って 2日間かけてトレッキングしながら歩くのも良いなと思いました。
ホテルの駐車場に戻って車に乗り込んだら、これから本日の宿である、リトル・ペトラのベドウィンキャンプに向かいます。