2018年、秋。
遅い夏休みで、中国、そしてチベットへ。
杭州→西安→西寧→ラサ→成都のりかえで上海→蘇州(イマココ)
ということで、水の都、蘇州にいます。
昨夜、上海からタクシーを飛ばしてやってきました。
今日の夜には上海から羽田便に乗る予定なのですが、どうやらまた日本に記録的台風が近づいているらしく、飛行機が飛ぶのかどうかかなり怪しい感じ。
「どうする?」 って友人と話し合い、飛ばないかもしれない飛行機を上海で待つのではなく、もう運を天に任せておもいきり観光しよう、ということになりました。
ということで、朝の清々しい蘇州の街に歩き出します。
昨日の疲れもあってまだ少し眠い。二人とも言葉少なに、それぞれにカメラのシャッターを切りながら、ぶらぶらと。
蘇州の下町の地区、皮市街(ピーシー街)は昔ながらの中国の風情。
このうさぎ… た、食べるのかな…
そして向かった先は、「獅子林」 と呼ばれる庭園です。
水の都として名高い蘇州は、実は庭園の町でもあって、清代、明代、元代などいろんな時代に作られた美しい庭園が世界遺産にも登録されているんです。
蘇州四代名園はどれも良さそうですが、夜までに上海に戻らないといけないわたしたちには1か所くらいしか見る時間があまりありません。ガイドブックやウェブサイトで調べた結果、「おそらくこの獅子林がいちばん好きなのではないか」 とアタリをつけてやってきました。
太湖石とよばれる穴のあいた奇岩をたくさん配した、迷路のような岩山がヘンテコな名園。
石の迷路はそれほど広いわけでもないのに、ほんのちょっと油断して連れと別の道に入ってしまったら最後、すぐ近くにいるのに全然巡り会えません。
園内には池もあり、茶室のような建物もあり、古の時代に生きた富豪たちの優雅な暮らしが目に浮かぶようです。時間があれば、四大名園をもう一つくらい見てみたかったな~。
獅子林を堪能したあとは、平江河に沿って伸びる 「平江路」 という通りを目指します。このあたりは 「平江歴史街区」 と呼ばれ、船がゆきかう運河沿いに、古い建物の残る街並みが残っているんだそう。
平江路には古い建物をリノベートしたお店が並び、どちらかというと観光客向けの雰囲気。でも路地を覗くと美しい景色が垣間見えたりしました。
平江路を歩いて大通りまで出て、そこから自転車タクシーでホテルのほうに戻ります。この、自転車タクシーが、わたしは相当、良かったです!
少し暑い日で、歩き疲れていたというのもありますが、風を感じながら自転車のスピードでゆるゆると走っていく蘇州の街はとても楽しく美しく、ものすごく気分がよかった。
向かったのは、ホテルからほど近い場所にある 「山塘街」。
1,000年以上も昔の唐の時代に開かれた街で、歴史文化地区として古いものが残されている地域。
蘇州といえば必ずこの街の風景が出てくるので、わたしも実際に来るまではここの風景以外、蘇州のイメージがなかったくらいです。
平江路と同様、観光客用にお店がたちならぶ通りではあるのですが、平江路が原宿的だったのに対し、こちらはもう少し味わい深くて素敵でした。
ここでも売っていた、巨大な容器にはいったフルーツティー。
これは桃のお茶で、もぐもぐ食感の寒天入り。
山塘街は運河に沿って伸びていて、橋の上から眺める河と街並みの様子がとても有名。橋も古くて雰囲気だし、人が少なめな対岸も意外と良いです。
赤い提灯を垂らした街並みと、真ん中の運河。
蘇州で一番有名な光景です。
このあたりで、ランチにすることにしました。
老舗の松鶴楼に入ることも考えましたが、あんまり時間がないので早く食事が出てきそうな、お向かいのラーメンやさんに入ることに。
いろんなラーメンがありましたが、わたしのチョイスは筍(メンマ)のたくさん入った、白いスープの優しいラーメン。疲労で弱っていた胃にやさしくてものすごく美味しかった!
お店の内装も図書室のような雰囲気でオシャレでした。
そして、ここで、「今夜の飛行機が飛ばない」 ことがついに確定しました。JRが都内全線の運休という異例の決定をしたほどの大型台風のなか羽田に突っ込んで行くような感じだったので、まあ無理だろうとは思っていましたが。
急いで上海のホテルを探して当日の予約を入れ、まずは上海に移動します。
さて、どうなることか。
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蘇州では平江路と山塘街のあたりで運河の光景を楽しみましたが、実は、この運河も世界遺産の 「京杭大運河」 の一部として世界遺産に登録されています。
京抗大運河は北京と杭州を結んだ 2,500km に及ぶ運河。
途中で長江と黄河を横断させ、完成したのは 610年。国を傾けかけたほどの大プロジェクトだったそうです。
杭州でも時間があれば見に行きたかったのですが時間がとれず、今回、蘇州でやっと目にすることができました。
開かれた当時は南北をつなぐ大動脈として活躍した大運河、現在でも一部区間では大型船が通れるよう整備され、物流に使用されているそう。
蘇州では、美しい景観とともに観光のための小さな船が行き来する水路として残っていました。