世界の屋根をゆく、青蔵鉄道の旅 | * たびばな * 旅好き女子のあちこち歩き

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主に鉄道でヨーロッパ34カ国、世界57か国をぐるぐると駆け回り、とにかく歩き回った、充実した旅の記録です。いろんな人に出会ったり、いろんなものを食べたり、旅のワクワクを少しでもおすそ分けできれば嬉しいです。持ち物やルート、予算についても情報いっぱい。

2018年、秋。

 

中国 青海省の西寧から、憧れの青蔵鉄道に乗車し、チベットに向かっています。昨夜は高山病を予防するためにも、水分を取って早々と就寝。

 

そして、夜明けが来ました。

青い風景に、少しずつ光が増してきます。

 

 

 

 

そして、訪れた夜明け。車窓がキラキラ輝いてすごく美しい。

流れる川は長河の支流でしょうか。

 

 


朝食代わりに、昨日駅の売店で購入したチョコパイを。

すでに標高は4,500m を超えているので、パッケージもパンパン。


 

目が覚めたのはどのあたりだったんだろう。

 

昨夜 8時すぎに乗車して、10時間ほど走ってきたことになるので、たぶん、トトホー近辺だったんじゃないかと思います。大きな川も渡ったので、たぶんそう。

 

これから最高地点、標高 5,000mを超えていくことになります。

 

 

地図は、中央アジアに強い 「風の旅行社 」 さんにお借りしました。


 

この後、しばらく車窓を眺めていましたが、友人も起きてこないので、もうひと眠り。寝台車の旅の良さは、寝ながら移動できることですからね。


 

明るくなって、まわりの人たちや、友人も起きだしてきました。

ためしに上げてもらった寝台の一番上はこんな感じ。いちおう、大きな荷物が置ける棚もありますが、座ると頭が天井につかえる感じ。

 

 


 

6人部屋は人が多くて落ち着かないし、寝台わきの廊下の窓際の席はずっと誰かが座っている。
 

 


 

 

そこで、食堂車を超えた先の、座席のならんだ車両まで移動していきました。

ここなら人も少ないし、左右の窓に移動しながら写真を撮ったりすることができます。

(でも、景色が良いのはだいたい進行方向に向かって右側の窓でした)。

 

 

ここでやっと落ち着いて、しばらく車窓を眺める時間がやってきました。


 

変わらないようで、全部ちがう、茶色い風景。

 

 

 

 


車掌さんが捕まらずはっきりと確認はできなかったのですが、この少し前に最高地点のタングラ峠を超えてきました。「さいこうちてーん!」 って感動もなく、いつの間にか過ぎてしまっていましたが。


 

しばらくして到着したのが、アムド駅、かな?

ほんの数分の停車でしたが、外の空気に触れたくて下車します。

 

 


多くのおじさんたちが急いで煙草を吸っていました。


 

再び座席に戻って、車窓を眺める。

「この後ツォナ湖が見えるはずだよ」 って、カメラを構えつつ。

そんな折、車内販売のカートが回ってきたので、数日までに西安でみかけて気になっていたキュウリ味のポテトチップスを購入!

 

 


おおお、まあ、たしかにウリっぽい感じ。

わざわざ 「キュウリ味」 っていう商品をつくるほど、中国の人はキュウリが好きなんだなぁ。面白い経験ではあったけど。


 

そうこうしているうちに、ツォナ湖が見えてきました。

水辺にちいさなキャンプ。牛を放牧しているのかな。

 

 

 

 

 

ツォナ湖はそれほど大きな湖ではないのですが、それでも十分美しかったし、大きく感じました。


 

それにしても、シベリア鉄道でも思ったのですが、鉄道路線のわきにときどき係員がいるんですよね。ほんとうに何もない、見渡す限りの茶色い世界に、ポツンと人が立っている。そのシュールさに何度も驚かされて、競うように写真を撮ってしまった。

 

 

 

 


なんのために、どうやって、ここへ来るんだろう?と不思議でならない。


 

しばらくして、友人がソワソワし始めました。

どうやら、おなかが減ったらしい。ちょうどお弁当売りが回ってきていたので、買ってみたお弁当がコレです。やっぱりキュウリ。味は特に不味くもなく、すごく美味しいわけでもない感じ。

 

 

 

 

わたしは、車内であんまり動いてもいないしポテチも食べたのであんまり空腹は感じていなくて、日本から持ってきていたクリームブランを食べて終了。

こちらもパンパンに膨らんでいました。


 

食事を終えたころ、ナクチュ駅に到着しました。

ほんの数分の停車なので、ホームに降りて、すぐに戻った感じですが。

 

 

 

 

このあと、最後に雪を冠した 6,000m級の高山たちを眺める区間がやってきます。このニェンチェンタンラ山脈はチベット最大の氷河地域。

 

なんか、6,000mっていっても、そもそも自分たちが4,000mくらいの場所にいるのでそこまで高くは見えないのですよね。なんだか不思議な気がしました。

 

 

 

 


車窓にたくさんの牛やヤクを見た1日だったな。

チベットではヤクは非常に貴重なタンパク源であり、乳や毛皮、骨や糞まですべてが生活に生かせる大事な動物です。


 

ダムシュン駅が車窓に飛んでいき、そろそろ旅も終わりです。

 

 

 

 

そして、夕方 18時すぎ、1時間ほど遅延して、列車がラサ着。

シルクロードの道をゆく 22時間の鉄道旅が、終わりを迎えました。

 

 


やっと着いた、という気持ちと、もう1泊くらいしたかったような気持ち。

鉄道旅好きからすると、こういう寝台の長旅って至福ですから。


 

いや、待って。

鉄道ももちろん、素敵なんだけども。

 

いま、チベットに、いるんだよ。

 

なんだか信じられない。

チベットまで、来てしまったなぁ!


 

・・・・・・・・・・・・・・

 

鉄道内で高山病を発症することなく無事到着してよかったです。

5,000mの高地を走る青蔵鉄道では、飛行機のように車内の気圧が一定に保たれるようになっているほか、寝台内にはチューブをつないで酸素を補給するシステムも完備していますが、それでも具合が悪くなる人はなるらしい。

 

 

高山病対策は、富士山登山のときと原理は同じ。水分をたくさんとり、睡眠をしっかりとって、高地ではなるべく息があがらないようにゆっくり動く。病院で相談すれば、事前に高山病用の薬を処方してもらうこともできるようです。