いよいよ、「天空列車」青蔵鉄道に乗車! | * たびばな * 旅好き女子のあちこち歩き

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主に鉄道でヨーロッパ34カ国、世界57か国をぐるぐると駆け回り、とにかく歩き回った、充実した旅の記録です。いろんな人に出会ったり、いろんなものを食べたり、旅のワクワクを少しでもおすそ分けできれば嬉しいです。持ち物やルート、予算についても情報いっぱい。

2018年、秋。

 

中国各地を経由しながらやってきた西寧。

いよいよ、今回の旅の本番。チベットへ向かって出発です。

 


西寧駅の待合室を一周したり、フロアに腰を下ろして本を読んだり、時刻表の前で何枚も写真を撮ったり、トイレに行ったり、電車で過ごすために着替えを済ませたり、荷物を整理したり、うたた寝したりして待つこと数時間。

 

やっと、その時がやってきました。

 

事前に発券しておいた切符を取り出して、何度も車両番号を確認して、興奮気味に、いざ、プラットフォームへ向かいます!

 

世界一標高の高い場所を走り、「天空列車」 とも呼ばれる青蔵鉄道。

憧れの列車は、すでにわたしたちを待っていてくれました。

 

 

乗車するのは、深緑色の車体が美しい 「唐竺古道号」。

 

車体や内装にチベット文化を散りばめた特別列車で、かつて唐の長安からインドの天竺までをつないだシルクロードの古い道をゆくことから 「唐竺古道号」 と名付けられました。西寧を出て、チベットのシガツェまで1日かけて走ります。

 

 

車掌さんにチケットを渡して乗車。いよいよ、憧れの鉄道旅のスタート!

 

 

ちなみに、西寧からラサまでいく列車は一日に数本走っていますが、この列車を予約したのはまったくの偶然。というか、そもそも 「唐竺古道号」 なんていう列車があること自体、まったく知らなかったんですよね。

 

あとで調べたところ、ラサとシガツェの間を走る豪華列車として2017年にスタートしたそうです。いまは西寧からシガツェまでをつないでいるのでしょうか。

 

時刻表にもシガツェ行きはあまり見なかったので、この列車が走る頻度はかなり低そうです。ラサとシガツェ間のみの運行だったときも 1日に 2往復だったようですし、たまたまこの列車に当たったのはかなりのラッキーだったと思います。

 

 

乗車したら、まずは、自分のコンパートメントに。

基本的な列車のつくりはシベリア鉄道のときと同じで、列車の片側に廊下があり、反対側に個室が並んでいるつくりです。

 

 

 

本当は 4人部屋が取りたかったのですが、予約した時点で 6人部屋しかあいていなかったため、今回はやむなく 6人部屋。

 

しかも、全部のベッドが埋まった、満席の 6人部屋ってかなりの圧迫感。

 

チケット購入時には自分でベッドの位置などは選べなかったのですが、ラッキーなことにわたしは一番下の段、友人は一番上の段でした。

(中国の鉄道ではチケットには名前が印字されます)。

 


一番上の寝台だった友人は、一番下のわたしの寝台に降りてきて腰かけることができますが、真ん中の寝台の人はそうもいかないので、日中はだいたい廊下の窓際の椅子に腰かけていました。

 

 

湖や、遠くにそびえる高山など良い景色はだいたいこちら側の窓なので、ここをキープするのも結構アリ。

 


さて、自分のコンパートメントに荷物を置いてベッドを整えたら、まず向かったのが食堂車。青蔵鉄道経験者に 「食事をしたいのであれば早めにいかないと閉まってしまう」 と聞いていたので、まずは移動しました。(寝台車はギュウギュウで落ち着かないしね)

 

 

わたしたちの車両からは、5車両分くらい、どんどん通り抜けて行きます。

 

カーペットや天井、ドアのガラスにもチベットの文様などがあしらわれているほか、ときどき額にはいった装飾品なども飾られていました。

 

たどりついたのは、内装も美しい食堂車。

たぶん、この内装も 「唐竺古道号」 ならではなのかな。

 

 


バー車両と食堂車両があって、バーのほうではカラオケもできたようです(翌日、歌ってる人を見てビックリした)。

 

食堂車のすみにはプランターがあって、そこで育てている野菜(サラダ菜みたいな感じ)をお料理にも使っているらしい。本当かな。

 

 

メニューとにらめっこしてオーダーした食事は、野菜炒めと、きくらげと豚肉の炒め物。ごはんは 一人分をオーダーして2人で分けました。

 

 


見た目は雑だったけど、味はまあ普通においしかった。

きくらげの炒めが 35元なので、ちょっと高め。食堂車価格ですね 。
 

 

それにしてもこの食堂車、夕食のときはガラガラに空いていたのですが、その後はずっと列車の職員(といっても若いバイトみたいな感じ)のたまり場になっていて、非常に居心地が悪そうだった。(彼らが座っているので空いている席が無い)。

 

各車両に担当の車掌さんが乗車しているはずなのですが、なにか質問があっても車掌はいつも車掌室にいなかったので、たぶんずっと食堂車のほうで遊んでいたんだと思います。

 

シベリア鉄道のときに乗車していた中国人の車掌さんたちがとてもとても働き者で良い方たちだったので、なんだか今回は残念だったな。

 

 

寝台に戻ったら、共同の洗面台で顔を洗って、歯を磨いて、就寝。

 

 


 

お食事中の方はごめんなさいだけど、いちおう、列車の洗面台とトイレはこんな感じです。

 

各車両のトイレをまわって一番きれいなところを使ったりしました。

 

 

なお、車内で20時間以上を過ごすけれど、客室には荷物を広げるようなスペースが無いので、洗顔まわりやスマホ充電器、食べ物、トイレットペーパーなど、車内で使うものを別バッグに分けておくと便利です。

 

着替えのスペースもこのトイレくらいしかないので、車内をうろうろできて、そのまま寝れるようなスウェットパンツなどに駅のトイレ(比較的広くてきれい)で履き替えておきました。パンツは、裾が絞られているものなど、床につかないものがおすすめです。

 


このあと、列車は青海湖の湖畔を西に進み、青海省の西に広がる世界遺産のココシリ(可可西里/フフシル)自然地区を縦断していきます。

 

地図は、中央アジアの旅に強い 「風の旅行社 」 さんからお借りしました。

 

 


…夜発の便の場合はその大半が夜にあたってしまうので、残念ですが真っ暗、ってことで、いさぎよく寝てしまいました。

 

これからみるみる高度をあげていくので、高山病を予防するためにもしっかり寝ておかなくてはというのもあります。

 

 

就寝時は寝台内のライトも消灯。寝具は毛布と薄めのおふとんだけなので念のためフリースなどを着たまま寝ましたが、小さな客室内に 6人が寝ていることもあって意外と暖かかったです。(フリースは途中で脱ぎました)。

 

 

 

 

…真夜中に、列車が止まりました。

ゴルムド駅です。

 

敦煌方面との分岐があって車両の付け替えなどが行われるため、この駅では 20分くらい停車します。すこしの間、駅に下車させてもらいました。

 

 

 

この時点で 標高は 2,828m。ゴルムドを発つと、かなりの短時間でどんどんと高度を上げ、最高地点のタングラ峠の 5,072mまで高度を上げていきます。

 

車内で高山病を発症する人もいると聞くので少し不安。水分をたくさんとって、再び眠りにつきました。