2018年 秋。
中国入りして杭州、西安と世界遺産の旅をしてきましたが、いよいよ、鉄道で西安を出発して西へ向かう旅が始まります。
いままでのは言ってみればチベットにいくための壮大な 「トランジット(乗り継ぎ)」 なので、ここからが旅の本番!
西寧からは、「この鉄道に乗るためにここまでやってきた」 とも言える青蔵鉄道に乗車します。
…が、その前にまずは、西安から西寧に鉄道で移動。
本当は西安からラサまでずっと同じ鉄道で移動したかったのですが、チケットがとれなかったので西安ー西寧は別の電車を利用することにしました。
中国の鉄道は遅延が多いので時間に余裕を見ておきたいのと、西寧からラサまではかなりの高地をゆく電車に乗るので、高地順応の意味もあって、早めに西寧に移動して数時間を過ごすことにしたんです。
南門から地下鉄 2号線で北上し、西安北駅へ。
中国の鉄道駅ってどこもやたらに大きいです。空港並みのセキュリティチェックもあるし、発券窓口も混雑するので、早めに到着したほうがいいと思います。
乗車した列車は中国の高速鉄道。かなりモダンで快適な車両です。
想像していたのとだいぶ違っていたのでビックリ!
西安から西寧までは、約 4時間。
西安を出た時は高速ビルなども見えていた車窓は、あっという間に緑に覆われていきます。
一瞬だけ車窓を横切って行ったこの赤い建物はなんだったんだろう?
田んぼや畑の風景は見慣れたものだけど、遠くに見える山々の荒々しさは日本にはない風景。川の色もなんとも言えず中国的です。「黄河」 という言葉が脳内に浮かぶ。
…あとで地図を調べて、このとき本当に黄河を横切っていたんじゃないかなと気づきました(鉄道路線は蘭州のあたりで黄河と並走しているのです)。人生初の黄河だったのに気づけずに感動できなかったのは残念!
最初は仏教のお寺や仏像などを見かけていましたが、西寧に近づくと、イスラム教のモスクを目にするようになりました。
中国の西に位置する西寧は、漢民族、回族、チベット族、モンゴル族などが混ざって暮らす青海省の省都で、イスラム文化やチベット仏教の影響が大きい町です。
そして、西寧の駅も、やはりとっても大きいのでした。
ロシアとかルーマニアでも感じましたが、こういう、公共の施設をすごく立派に作るのって社会主義的ですね、すごく幅の広い道路とか。
駅前には広々とした再開発地区があるのですが、できたばかりなのかショッピングモールは空っぽだし川には水も流れていなくて。そのあたりもなんだか社会主義的だなと感じてしまいました。
さて、駅のなかの荷物預り所に大きな荷物を預けて(人が常駐しているタイプの荷物預り所です)、少し街を散策しましょう。
駅から市街に歩いて階段を上り下りして気づいたのですが、ちょっと、息があがります。西寧は標高 2,275m。
とくに大きな見どころのない町ですが、大きなイスラム寺院があるようなので、それを目指してなるべくゆっくり歩くようにしました。
そして見つけた、白いモスク。
ちょうど参拝している人がいましたのでそっと覗いてみたりしてみました(イスラム教徒以外は内部に入ることができません)。
西寧でつぶさないといけない過ごす時間は、7時間。
もう、目的の寺院を見てしまいました。
ううむ。いったん、お店にはいってランチにしましょう。
西安に続き、よく分からないので適当に歩いてみつけたお店に入ります。
西寧の名物はチキンのようなので、店先に出ていた量り売りのチキンを指さして注文し、さらに、水餃子であろうものをあてずっぽうで頼んでみました。
またしても辛かったらどうしよう、と思っていましたがここのは優しい味でホっとしました。とても美味しかったです。
ここでたくさんお茶をもらって飲みました。
西寧では、実は、北禅寺というお寺に行ってみたかったんです。土楼観と呼ばれる、断崖に張り巡らされるように作られた回廊や寺院を見てみたかったんですが、2018年初頭の地震で地崩れして以降、見学に上がれなくなってしまったんだそう。
まだまだ時間はすごくあるけど、どうしようか。
と地図を見ていて、何かおかしいなと気づきました。
さっき見たのは、見ようとしていた有名なモスクではないようです。
お店を出て、再びモスクを目指します。
そして間もなくたどり着いたのが、青海省最大のモスク 「東関清真大寺」。600年の歴史を持つそうです。
立派な美しいモスクで、規模は小さいけれど博物館的なものもついていました。
ここでトイレに寄ったのですが、おそらく今回の旅で一番粗末なトイレでした。(ドアがうまく閉まらないので後ろの人に開けられないかどうか不安だった)。
トイレ、ということで少し中国のトイレについて。
ホテルの部屋や空港など以外は、トイレはほとんど、しゃがむタイプの中国式でした。大きな駅でも洋式は限られた数しかないか、全くないか。
トイレットペーパーは備え付けがあるところのほうが少ないので、いつも持っていたほうがベターです。さらに、紙が備え付けてあったとしても、流さないでトイレ内に置かれたカゴに捨てるのが一般的(中国のトイレは水流が弱いので、紙などを流してしまうとすぐにトイレが詰まってしまうようです。上海のホテルですら、うっかり捨てたらあっという間に詰まってしまいました)。
地方に行くと、ドアを開け放したままトイレを使う方がまだ普通にいたりして、文化の違いにすごくびっくりさせられます。
、と。
トイレの話はそのへんで。
西寧の街をゆっくりとまた歩いて駅のほうに向かってあるき、駅の近くの商店をひとつひとつ覗いたりしながら駅に戻りました。
まだ時間はたくさんあったのだけど、朝早かったこともあってなんだかとても疲れてしまったので、早めに駅に戻ってベンチに座りたくなってしまったんです。
駅の近くの売店でお湯を入れるだけのコーヒー(紙カップつき)と水のボトルとチョコパイを買い、預り所の荷物を取り出したら、駅に入ってだだっ広い待合所の床に腰を下ろして本を読んだりしながらあとは電車を待つだけ。
さあ来い、青蔵鉄道!