マルタ共和国 ラバトの地下墓地 カタコンベ | * たびばな * 旅好き女子のあちこち歩き

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主に鉄道でヨーロッパ34カ国、世界57か国をぐるぐると駆け回り、とにかく歩き回った、充実した旅の記録です。いろんな人に出会ったり、いろんなものを食べたり、旅のワクワクを少しでもおすそ分けできれば嬉しいです。持ち物やルート、予算についても情報いっぱい。

2015年 GW、マルタ共和国。

 

「静寂の町」 と呼ばれる、マルタの古都イムディーナにやってきました。

城壁に囲まれた中世の街並みをそのまま残した、小さくて、とても静かな町。

 

 

 

迷い込むような路地が無数に伸びている城塞都市。とても静かだけれど、さんさんと光を浴びて、とても優しい印象の町でもあるのでした。

 

街並みにイスラムの影響を強く感じること、マルタに来てから感じていた 「マルタ語の響きにアラブの言葉を感じる」 こと、そして 「イムディーナ」 という町の名前はアラブの 「メディナ」 という言葉と同じだろうなということなどから、このマルタの古い首都は、マルタがイスラムの勢力下にあった時代の影響を強く受けているのではないかと思います。

 

マルタ騎士団やイギリスの影響をヴァレッタでは見て回りましたが、ここではマルタのまた違った顔を見たように思います。

 

これからは隣町の 「ラバト」 に向かいます。

イムディーナの町を出て、観光用の馬車が待機している広場を抜け、住宅地を歩いていきます。

 

 

 

 

地図も持たず、「まあこっちかな」 とアタリをつけててくてく歩いていきましたが、広がる街並みはイタリアのような感じで可愛いらしい。

 

 


 

15分くらい歩いたかな、もう少しかな?

目の前に聖パウロ教会が見えてきました。

 

 

 


町の中心にあるのかな、大きな教会です。

 

内部も壮麗で美しく、堂々たる教会。マルタの宗教はローマ・カトリックなので、やはり装飾が多くて豪華な印象を持ちますね。

 

 

 


マルタ島にキリスト教を伝道したのは聖パウロだと言われています。

 

ローマへ護送される途中の船が難破し、マルタ島にたどり着いた聖パウロは、ラバトの城壁の外の地下洞窟に 3か月の間隠れてキリスト教を広めたとか。

 

その後、その洞窟の上に彼の名を冠した教会が建てられ、中世にはいるとその周辺に大きな墓地が作られました。

 

中央祭壇の近くには聖パウロの腕が安置されているそうです。

 

 

また、奥にいくと聖パウロが隠れていた洞窟にも降りることができます。

 

でも私が見に来たのは、この教会の、内部だけではないんです。

 

教会を出て横の脇道を抜けていくと入り口のある、教会の 「地下」 が今回の目的。

「聖パウロ教会のカタコンベ」 です!

 

 

 

この教会の地下に広がるカタコンベ(地下墓地)は広さ 22万2,000㎡にもおよび、2世紀から4世紀の間に 1,000人ものキリスト教徒が埋葬されたんだそう。

 

地下は岩をくりぬいて作られた、荒い岩肌がむき出しの空間で、小さな小部屋のように区切られ、その中に複数のお墓がありました。

 

ここを見学している間、ちょうど一緒になってしまったのが社会科見学のティーンネイジャー集団。角に隠れて脅かしあったり(脅かされた方が悲鳴)、複数で走り回ったり、とにかくキャーキャーと騒がしく、雰囲気はぶち壊し。突然曲がり角から走って出てきたりするので危ないし、イラっとしました。

 

でも、明かりも十分ではなく、狭い通路がぐねぐねと続く迷路のような地下墓地。正直気持ちの良い場所ではないし、もっと言うと、彼らがいなかったらわたし一人で奥の方まで歩いていく勇気はなかったと思います。なので実際には、彼らがいて良かったというのが正直なところかも。

 

怖いものが写りそうで写真も撮っていないので、興味ある方はHPでどうぞ。

 

聖パウロ教会のカタコンベ

http://heritagemalta.org/museums-sites/st-pauls-catacombs/
 

 

 

次に訪れたのは、聖アガタ教会と、その地下にある 「聖アガタ教会のカタコンベ」。

聖パウロ教会のカタコンベからそのまま道を歩いていくと、右手奥にあります。

 


シチリアから逃れ、ラバトに隠れて子供たちにキリスト教を教えたという聖アガタにささげられた教会の下に、 4,000㎡の地下墓地が広がっています。

 

こちらのカタコンベは、教会のミュージアムスタッフがガイドツアーで回ってくれます(英語)。1人じゃないので怖くないし、カタコンベのなりたちや当時のしきたりなどの話がきけたし、質問もできたりしてとてもよかった。

 

当時のひとたちは、誰かが亡くなるとこの墓地に運び込み、遺体を囲んで最後の食事をとったそう。そのための小さな部屋と石のテーブルが残っています。(聖パウロのカタコンベにもあったのかもですが、よくわかりませんでした)。

 

入り口部分を中心に色あせたフレスコ画が残っていたり、がいこつがそのまま安置されていたりと、見どころがわかりやすく説明されるので、もし仮にどちらか一方しか見られないことがあれば、聖パウロのカタコンベよりもこちらのほうをお勧めします。

 

聖アガタ教会のカタコンベ

http://stagathamalta.com/catacombs.html


 

さて、ラバトのカタコンベも回って、これでマルタの 3大地下墓地(もうひとつは初日に見たハイポジウム。旅日記は こちら )を見て回ったことになります。

 

 

そろそろ、イムディーナのバス停からバスに乗り、ヴァレッタに帰りましょう。

 

 



ヴァレッタの町はそろそろ夕暮れ。町の高台で夕日が沈んでいくのを眺めて、夕食にしました。

 



 


 

 

今日の夕食は、騎士団長の宮殿の近くの細い路地にある、前の日から気になっていた小さなレストランの外のテーブルで取ることに。

 

 

広場を眺めることのできるロケーションと、カジュアルな雰囲気、そして Wifi が入るのが決め手。

 

 

 


マルタ最後の夜、ゆっくりとビールを飲みながら、ゆるやかな時間を過ごしました。

 

ぷらぷらと家に帰る間にみかけた、イギリス式の赤い電話ボックス。

携帯電話全盛のいま、イギリスでもなかなか見かけなくなったイギリス文化のアイコンです。

 

 


ローナさんのおうちのリビングの窓から、夜の風景。

 

この窓からはヴィットリオーザやセングリアの岬見えて、朝も夜も毎日景色を見にバルコニーに出て写真を撮っていました。

 

そうか、明日にはもう、ここともお別れかー。

 


 


入場料 € 4 (聖パウロのカタコンベ)

入場料 € 5 (聖アガタのカタコンベ)

ビールと夕食 € 15.20 (ヴァレッタ)

 

€ 1 (ユーロ) = 約130 円
 

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