前回 2014年のロンドン について少し触れてみましたが、今回はその続き。 ロンドンで見てきたとあるライブについて。 実は、2014年の夏のロンドンは、わたしがとても気になっていたイベントが開催されていました。そのイベントというのが…
「モンティ・パイソン再結成ライブ」 ! みなさんのなかには 「モンティ・パイソン」 を知らない人も多いかと思いますが、彼らは 70年代に一世を風靡したイギリスのコメディグループ。
ブラックだったり、下品だったり、タブーに触れてみたりと、攻撃的ながらも非常にばかばかしい笑いを生んできた彼らは、のちのコメディに大きな影響を与えました。 メンバーには、唯一のアメリカ人として、のちに 「未来世紀ブラジル」 や 「12モンキーズ」 などを監督する映画監督のテリー・ギリアムも参加しています。 わたしもさすがにリアルタイムでは彼らを見たりファンだったりしたわけではないのですが、解散してだいぶたってから、ビデオで見たり、映画を見たりしてすこしずつファンになってきたのです。 メンバーの一人はすでに世を去っているし、メンバーの不仲もかなりの信ぴょう性をもって伝えられてきたパイソンズ。全員がおじいちゃんになっている今になって、まさかの再結成が実現するなんて… 思いもしませんでした。 再結成が発表されたのが 2013年 11月。そして、発売されるやいなや、チケットは秒速で完売。
これを逃したら彼らを生で見る機会なんて一生来ない。ネットでニュースを見ながらソワソワしつつも、とはいえ仕事も忙しく、夏休みも取れそうにはなかったのですっかりあきらめていたのですが… …仕事での渡英のタイミングがばっちりあってしまいました! しかも、ダメもとでネットでチケットを探してみたところ… なんと、前から 2列目 という奇跡のチケットが取れてしまったのです!チケットを探したのが直前だったので、急に行けなくなった人が売りに出したチケットが運よく手に入ったんですね。これには、鳥肌が立ちました!! そんなわけで、ちょうど仕事のなかった土曜日の午後、大興奮しながらロンドンの東にある 「O2アリーナ(旧ミレニアムドーム)」 へ。ここは 2012年のオリンピックの会場のひとつになった場所でもあります。
早めに到着したので、まずはグッズ売り場に並んでパンフレットやTシャツを購入! あれもこれも欲しくなるのをぐっとこらえつつ… グッズを購入したら、いよいよ会場内へ。
さすが 2万人を収容するアリーナ、広い!この開場が満席になっているなんてやっぱりすごいです。おなじみのスケッチ(ネタ)のキャラのコスプレをしてきている人もたくさん見ました。
ステージがこんなにも近い。
ステージと客席の間にはオーケストラピットが。 今回のライブのタイトルは 『Monty Python LIVE (mostly) - One Down Five to Go』。
グレアム・チャップマンが亡くなって1人抜けた (One Down) ものの、パイソンズは 5人で続く (Five to Go)という意味です。
それぞれに Bruce で始まる様々な有名人(ブルース・スプリングスティーンやブルース・ウィリスなど)がメンバーの役を演じることになっていて、「残念ながらテリー・ギリアムの役はテリー・ギリアムによって演じられます」という但し書きつき。
そして、オーケストラがファンにはおなじみの 「モンティ・パイソンのフライング・サーカス」 のテーマ曲を演奏し始めると、会場じゅうがわっと盛り上がって、全員が手拍子。 パイソンズのメンバーが現れた時には、なんだか自分の目を疑うかのような気持ちでした。
うわーーー、目の前に本人たちがいる!!! おなじみの有名なスケッチを再構成したライブは、ほぼすべてが 「おなじみの」 やつなので、全員がオチまで含めてわかってて見ているのですが、それが会場じゅうから伝わってくる。みんな、自分のお気に入りのスケッチが始まるとワーって拍手するんですよね。
そういうのもパイソンズならではです。 会場じゅうが声を合わせて歌を歌う一幕もあり、すごく楽しい舞台でした。 わたしにとってはTVやパソコンの画面でしか見たことのなかったパイソンズのスケッチ。有名なせりふの数々を生で聞くことができて、もう、大感動。単に面白いからというよりも、嬉しくて嬉しくて笑ってました。 涙ぐむくらいの勢いでフィナーレを迎えて、興奮気味だけどほっこり幸せな気持ちで会場を出る。
心の中では、大声で 「モンティ・パイソン生で見たぞーーーー!」 って叫んでましたが。
本当に本当に奇跡のような夜でした。 ★ 後日談 ★ その後、日本でも NHK BS で放送されたりしていましたが、アメリカで放送された映像を見ていた友人からメールが。「すごい!カメラ目線!」 っていうそのメールについていた添付画像を開いたら…
会場に座って、ニヤニヤしながらこっちを見ているわたしがいました。 笑いながら、会場を映していたカメラを目で追っていたのだと思います。 その写真も奇跡の一部として、良い思い出になりました。
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