2012年 1月 1日。 今朝、フェズから鉄道で到着したメクネス。近郊まで足を延ばして世界遺産のヴォルビリス遺跡を見学したり、マンスール門をくぐって王都のエリアを回ってみました。 夕方、そのメクネスを後にして再び鉄道に乗り、今度はカサブランカまで向かいます。
フェズ=メクネス間は普通の 2等車に乗っていたのですが、カサブランカまでは距離があるため、座席指定の 1等車のチケットを購入しています。遅延が多いというモロッコ鉄道ですが、無事カサブランカまで行けるのでしょうか。 メクネス駅には、反対方向に向かう列車が停車していました。 モロッコの鉄道と聞くとなんだか砂で汚れた古臭い列車を想像してしまうのですが、こんなきれいな最新式の2階建ての車両なんですよね。ヨーロッパの電車みたい。
カサブランカ行きの電車は、15分ほど遅延して到着しました。 よし、これから 3時間、1等車の席で車窓の風景を楽しみながらカサブランカへ向かうのだ!
ところが、です。 乗り込もうとすると、異変が。乗り口まで人があふれていて、まともに乗れないんです。
え? 座席指定の 1等車なのに、なんでこんなに混んでるの!? まわりの乗客もみんな 「どういうこと?」「何が起こってるの?」 と困惑気味。結局、あまりの混雑に座席までたどり着けず、デッキ部分に立って移動するハメに。 さらに。さらに、です。
しばらく快適に走行を続けていた列車は、突然減速をはじめ、最終的には止まってしまいました。
見渡す限りなんにもない、野原のまんなかで。 わたしのフライトは、今晩 (翌早朝) 2時。 2時間前チェックインとしても、空港に最低でも 24時についていればOK。でも、空港行きの最終電車がカサブランカを出るのが、22時 7分。その 22時まで、あと、5時間。 順調にいけば、あと 2時間で到着する距離。でも、どのくらい止まっているのかわからない。
フエに向かう列車の 8時間の遅延の記憶があたまをよぎります。
遅延の可能性も考慮して、ある程度の余裕はある。
それでも間に合わなくなったとき、最悪はどこかで降りてタクシー…?でも見渡す限り町がないし、タクシーなんて走ってそうにありません。 加えて、立ち続けた足も棒のように。とうとう、大混雑している狭いデッキの床にむりやりスペースを作って座り込みました。
怒りや不安より、なんだかとても、とても、疲れました。 電車が動き出したのは、数十分後。 その後、数回に渡って停止しながらも、なんとか首都ラバトを過ぎたころ、やっと、空席を見つけることができました。
こんなに快適そうな列車だったのね。ずーっとデッキにいたから、まったく気づきませんでしたよ。
カサブランカに到着したのは 9時すぎ。2時間の遅延です。 あふれんばかりの乗客も、数回にわたる停車も遅延も、結局なんだかわかりませんでした。
列車を下り、チケットの窓口にたどり着いたのは、すでに 9時 10分ごろ。 9時 7分の空港行きは無理なので、10時 7分のチケットを買おうとしたところ、空港行きの列車も遅延しているので、まだ間に合うとのこと。 せっかくのカサブランカですが、ちょっと下車してかるく夕食を取る、なーんてヒマもなく、再びチケットを握りしめて、空港行きの列車を待つことに。
なので、カサブランカで見たものは、この真っ白な駅だけ。 というわけで、ふたたび、駅で30分遅れてきた列車を待ち、乗車。 なんだか今日は… ながい一日だな。いろんなことがありました。これ以上何もありませんように。
さすがにこの列車ではちゃんと座って移動できました。
10時すぎに ムハンマド5世空港駅に到着。 駅と空港はつながっているので、そのまま出発ロビーへ移動します。小さいながら、思ったよりもきれいで新しい空港なんですね。
美味しいモロッコ料理を食べ続けてきたしめくくりにこのサンドウィッチは寂しい限り。
12時にチェックインカウンターで手続きを済ませ、フランクフルト行きの飛行機に搭乗。
いよいよ、モロッコともお別れです。
メクネス Meknes - Casa Blanca カサブランカ (5h) カラブランカ (Casa Voyage) ‐ ムハンマドV空港駅 (約 0.5h) モロッコ国鉄
空港駅ゆき鉄道チケット 40 DLH ビール 60 DLH サンドウィッチ 40 DLH
※ €1 (ユーロ) = 約 98 円 ※ 1 DLH = 約 9 円
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