ベトナム南北統一鉄道の旅 - 夜行列車で ハノイからフエへ | * たびばな * 旅好き女子のあちこち歩き

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主に鉄道でヨーロッパ34カ国、世界57か国をぐるぐると駆け回り、とにかく歩き回った、充実した旅の記録です。いろんな人に出会ったり、いろんなものを食べたり、旅のワクワクを少しでもおすそ分けできれば嬉しいです。持ち物やルート、予算についても情報いっぱい。

2011年 8月 15日。

 

旅先で知り合った方々と楽しく夕食を取ったあと、再度ひとり旅に戻って、ハノイ中央駅へ。

待合室でポストカードを書いたりしていると、列車が到着しました。

 

 

 

今夜 23時 30分 ハノイ発の南北統一鉄道に乗って、ベトナム中部の古都フエまで南下します。

 

 

 

車両のつくりやボロ具合がシベリア鉄道に似ていて、なんだかとても親近感。

さすがにお湯を提供するサモワールではなく、冷水機が設置されていました。

 

 

 


4人部屋のコンパートメントの部屋は満席。

 

二段ベッドの上段にベトナム人の尼さん、隣の二段ベッドにシンガポールから旅行に来ていたおじいちゃんズ (となりのコンパートメントにおばあちゃんや娘や孫がいて、行ったりきたりしていた)。

 

ハノイからフエまでのチケット (一等車 / エアコン付 ソフト寝台) は、日本にいるときに、ベトナムの旅行代理店を通してネット (http://www.vietnamtraintravel.com/Home.aspx ) で購入。

わりと満席っぽかったので、事前に買っておいてよかったです。


洗面台で顔を洗って歯を磨いたら、すぐに就寝。

疲れていたのか、あっという間に眠りに落ちました。

 

 

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2011年 8月 16日。

 


翌朝 9時、携帯電話のアラームで起床。

10時 45分には フエに到着するので、顔を洗ったりして、準備を。


外を飛んでいくのは、ベトナム郊外の風景。

なんだか日本と似ているような、似ていないような、水田が広がる田園風景が続きます。

 

 

なぜか、不思議と懐かしいような。

「ああ、そうか、いま夏休みなんだなぁ」 と、突然、言葉にして思ったり。

 

 

そんなことを思ってぼーっとしていると、シンガポールのおじいちゃんに 「朝食は用意してきたのか」 と心配され、お菓子やパンなどを手渡されました。ひとりだからなのか、頼りなさそうに見えるなのか。

 

 

天気はあまりよくありません。

雨が降ったりやんだりで、電車は徐行運転。

 

 

 

フエ到着予定時間の 15分前に荷物をまとめてコンパートメントを出たら、車掌さんが飛んできて 「電車は 30分くらい遅れて到着の予定」 とのこと。

 

しょうがないので、コンパートメントに戻って、一度しまった本を取り出しました。

 

 

その後も、車掌さんがたびたび回ってきては、遅れが広がっていることをアナウンスします。30分が 1時間に、1時間が 2時間に、そしてその後は 「分からない」 に。

雨のせいで、土砂崩れでもあったのでしょうか。

 

 

フエの到着が遅れるということは、フエで出来ることが減るということなので、残念ではある。

とはいえ、わたしがヤキモキしたって何も変わらないので、腰をすえて、暇つぶし。

 

シベリアで、5泊 6日も列車に乗ってきたわたし。

電車のなかでの暇つぶしについては、もうプロです!

 

 

読んでいた本に飽きたら、カメラを持って窓際に立って、飛んでいく風景を切り取って。

 

 

 

 


シャッタースピードを上げて、タイミングを狙って。

 

車窓の風景はほんの一瞬で通り過ぎてしまって、もう取り戻せないもの。だから、思っていたような写真が撮れたときはとても嬉しい。

 

逆に言うと、こうやってお見せできるものより、ずっと良い風景を実際には見ていると思う。

ベトナムに限らず、いつも。どこでも。その風景は私だけのもの。

 

 

このあと、列車は完全にストップしてしまいました。

まったく景色が変わらないので、またコンパートメントに戻って、本を片手に、うたた寝。

目を覚まして、窓の外がまだ動いていないことを確認して、ページをめくって、また眠くなって。ひたすらゆっくりした時間が続きます。

 

 

でも、それはわたしにとって必要な時間だったかもしれません。

 

実は、旅立つ直前までとても忙しくて、気持ちもからだも疲れ果てていました。

そのまま慌しくベトナムにやってきて、詐欺にあったり、暑い中を歩き回ったり。

あのままだと、どこかで電池切れになっていたかもしれない。

 

ポッカリとした時間ができて、心のそこからゆっくりすることができたこと、遅延に感謝しなくては。

 

 

幸いにも夜行列車なので、ひとりのスペースがとても広い (寝台がある) んですよね。横になってダラダラできるし、寝てしまうことだってできる。(おじいちゃんたちは時々寝ていた)。

おなじ寝台にずーっといる感じは、シベリア鉄道ふたたび!みたいな感じです。

 

ときどき、車内販売がやってきて、食べ物や飲み物を売ってくれます。

 

 


かっぱえびせんとそっくりな 「Oishi」。あとで調べたらフィリピンのコピー商品だそう。

 

 

本から目を上げて、今日何十回目かわからないけど、腕時計を見る。いま、17時過ぎ。

10時 45分着予定だったので、すでに 6時間以上遅れているということです。

 

車内も、あきらめムードが再度、イライラ心配モードに変わりつつありました。

みんなお腹も減ってるんだろうな。


 

わたしもさすがにお腹が減ってきたので、回ってきた車内販売のお弁当をはりきって購入。

 

 

すきなおかずを選ぶと、その場でよそったご飯の上に載せて、おしょうゆをかけてくれます。



焼いたチキンを甘辛く味付けしたものと、揚げ春巻きをチョイスしました。高菜漬をいためたようなものは、デフォルトでついてきます。これで 120円。

 

 

 

 

結局、フエに到着したのは 19時過ぎでした。

8時間遅れで到着したことになります。

 

 


外はもう、真っ暗。

 

 

夏のヨーロッパを旅していると 夜10時くらいまで明るかったりするのですが、アジアだとそうはいかないんですね。なんだか 「夏の海外 = 遅くまで明るい」 みたいな感覚があったので、今回は日の落ちるのが早くて何度も意外に思ったりしました。

 

フエには鉄道で着いて鉄道で離れるつもりだったので、駅から歩けるホテルを取っています。

泊まったのは、ヨーロッパ系チェーンホテルの 「Mondial Hotel」。

 

 


できてそれほど間もない新しいホテルで、綺麗で快適でした。これで一泊 3,000円。

レセプションのスタッフが全員アオザイ姿の女性で、はんなりしててとても美しかった。

 


泊まったお部屋が 3F だったのですが、ちょうど3F にプールがあったんですね。

 

窓から見えたプールを見たら、我慢できなくてすぐに着替えてプールに直行! 誰もいない夜のプールで、ひとりきりでゆっくり泳いで、リラックス。

 

 

夜は、バイクタクシーで フエの街まで出ようかなとも思ったのですが、車内でお弁当も食べたし、プールでリラックスしたことだし、もういいかなと。

 

今日何も出来なかった分、明日は早起きして フエを回らないといけないので、早く寝ておこうと思い、早々と眠ってしまうことにしました。

 


 

 


 

ハノイ Hanoi 23.30 - 19.00 Hue フエ (19.5h)

 



 

 

「一号線を北上せよ」

沢木耕太郎 / 講談社文庫

「Into The Wild」

Jon Krakauer / Vintage

 


 

 

Mondial Hotel Hue

38 ドル

 



 

Oishi 10,000 VND (鉄道内)

お弁当 30,000 VND (鉄道内)

 

※ 1 ドル = 約 80 円

※ 1 VND (ドン) = 約 0.004 円

(カンマ以下の 000 を取って、4 をかけると簡単です。20,000 の場合、20 に 4 をかけて 80 円)

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