シベリア鉄道の旅 - モンゴル平原に沈む夕陽 | * たびばな * 旅好き女子のあちこち歩き

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主に鉄道でヨーロッパ34カ国、世界57か国をぐるぐると駆け回り、とにかく歩き回った、充実した旅の記録です。いろんな人に出会ったり、いろんなものを食べたり、旅のワクワクを少しでもおすそ分けできれば嬉しいです。持ち物やルート、予算についても情報いっぱい。

2011年 4月 28日。

 

昨夜は、モンゴル側の国境 「ジャミン・ウデ」 駅での入国審査がすべて終わって、就寝したのが 夜中の 2時前。入国審査が終わるまでは 同室の付 (フー) さんとお酒を飲んだりしていたのですが、昨日は朝早くから活動していたので、かなり眠く。

 

今朝は 9.30に起床して、コーヒーとビスケットで朝食をすませ、昨日の分の日記をつけたり、本を読んだり。外の景色はなぁんにもない平原に、ときおり思い出したように小さな集落と、かわいい駅舎が見えるくらい。

 

 

 

 

列車内が暖かいので、車掌さんがところどころ廊下の窓を開けてくれていました。

なので、窓の外にカメラを出して、走っていく列車の姿も撮影!

 


少しずつ標高があがっているらしく、遠くに小高い丘が見えたりしています。

同じように見える 「何もない風景」 が、微妙に変化するのが面白くて、目が離せません。

 

 

そうしている間に、お昼になりました。

K3 では 3カ国を越えて列車が走っていくのですが、実は、食堂車が国ごとに変わるんです。

(国境で切り離され、付け替えられる)。

 

ロシアに入る前に、ぜひともモンゴルの食堂車に行かなくては!付さんは行かないとのことだったので、今回は、ひとりで食堂車へ。

 


中国の食堂車とはうってかわって、木製の民族調で、ちょっと豪華な内装です。席に座って見まわしてみても、なんだか普通のレストランに来たみたいな感じがしたくらい。

 

 

テーブルにはお花 (造花だったけど) まで飾ってあるし。でも、昨日までの混雑がうそのように空いていました。食券がないと、欧米人しか来ないんですね。

 

 

モンゴル元はもっていなかったのですが、中国元が使えるとのこと。よかった!

(いちおう、USドルは持ってきていたけど)。

 

 

そこで、 まずは、モンゴルのビールがあるかな、と思って聞いてみました。(あった!)。

 

 

 

わくわくしながら、初めてのモンゴルビールと、(おそらくは一種類しかない) ランチセットをオーダー。

 


 

ビールは、日本のビールに似たさっぱり系。

ランチは、羊肉のミートボール (ハンバーグ) 的なもの。クセがなくて美味しかったです。


列車はすこしずつ標高をあげながら、ひとつひとつ丘を越えるように走っていきます。

傾斜を越えるために線路が蛇行していたり、ものすごく大きなループ線になっていたり、モンゴルでいちばん景色に起伏があって面白かったのがこのあたり。

 

 

 

そして、徐々に集落が増え、大きな建物が見えるようになってきたと思ったら、首都ウランバートルが見えてきました。駅に到着する前に見えた、山の中腹に描かれた 巨大なチンギス・ハーン (たぶん) の顔にびっくり。

 

 

 

ウランバートル駅は、さすがに首都だけあって、大きな駅。

北京から乗ってきた、たくさんの中国人 (モンゴル人) たちがここで降りていきました。

同室だった 付 (フー) さんとも、ここでお別れです。

 

 



そして、ここでもたくさんの乗客が乗り込んできます。

 

二等車の 「硬臥」 に乗ってくる乗客は、地元の人はもちろん、商品など物資を運ぶ人が多く、物売りもたくさん乗ってきます。いろんな人が乗り降りするので、車掌さんに 「ドアを閉めて、荷物に注意しておけ」 と (中国語で) 言われました。

 

 

 

 

30分ほど停車したのち、14時ごろ、列車はウランバートルを出発。

ウランバートルではわたしの部屋に誰も乗りこんでこなかったので、ここからはしばらく、部屋をひとり占めです。嬉しい半面、付さんがいなくなった側のベッドが、ちょっと物足りなくて寂しい。

 

 

 


ほんの少ししか触れあわなかった人でも、やっぱり分かれるときは寂しいもの。

ちょっとだけ、穴があいたような気分を味わったりね。

 

窓の外は、一面、砂の世界。

 

 


モンゴルといえば 「草原」 ってイメージがするけど、緑になるのは夏のあいだだけなのかな。今回わたしは見てきたモンゴルは、延々と砂色の赤い大地でした。


車内はすごく砂っぽく、室内いたるところがざらざらしてきます。机の上のマグカップにも、砂が入らないように本を置いてふたをしたり。髪の毛も顔も体も、口の中まで砂っぽかったです。

 

それにしても、モンゴルで驚かされたのは、なーんにもない大自然のど真ん中に、突然人が住んでいること。

 

集落の場合もあれば、遊牧民のゲルが数軒だけのこともあるのですが、ほんとうに何もない場所に突如、家があって、人がいる。

人って本当は、どこででも暮らせるんだなあ。

 

 

 


自分の生活とのあまりのギャップに、本当に不思議な気持ちがしたもの。


さて、夕方、また景色が変わってきました。

モンゴルに入って、こんな風に川が流れる風景を見たのは初めてかもしれない。

 

 

 

こんな風にしょっちゅう廊下に出て写真を撮っていると、部屋から出てきたほかの乗客たちと顔を合わせるので、挨拶をしたり、すこし立ち話をしたり、ちょっとした交流が始まります。


どうやら、わたしの車両にウランバートルで乗ってきたのは、バックパッカーの若いアメリカ人の男の子 2人組と、ロシア人の母子 3人、カザフスタンやトルクメニスタンにそれぞれ帰国する 3人のおじさんたち、みたいです。

 

わたしの名前 「ミカ」 は発音しやすく覚えやすいので、みんなすぐに覚えて呼んでくれるようになるので、とても便利。

 

そして 17時ごろ、「ジュンハラ」 駅に停車。

今日はずっと雲の多い感じだったのですが、いよいよ天気が崩れてきたかもしれない。

 

 

 

 

18時ごろ、そろそろ夕ご飯にすることにしました。

今日のディナーは、スープパスタです!ビスケットも少し。

 

 


そういえば、道中、長距離列車がとまらないような小さな駅をいくつも通り過ぎていくのですが、ときどき、旗のようなものを手にした駅員さんが見送ってくれるのが印象的でした。

信号のかわりなのかな。そういえば、崖の上で発煙筒をたいている人も見ました。



19時すぎ、「ダルハン」 駅に停車。もうすぐ国境駅。

完全に、くもり空です。

 

 

 

 

せっかくモンゴルを走るのだから、モンゴル平原に沈んでいく夕陽を見たい!と思っていたんですが、この日はあまりに曇っていたので、いつの間にか薄暗くなってしまい。きれいな夕陽どころではありませんでした。残念。

 


さて、この駅を過ぎたころ、隣の隣のお部屋から、かわいいお客さんがやってきました。

 

ロシア人のセルジュ君。ママと妹と一緒にロシアに帰るところなのですが、どうやら退屈してしまったらしく、おもちゃを手に遊びに来たんです。

 

いまハマっているのはルービック・キューブ。

 

 

ほんの少しだけ英語を話す (単語程度) セルジュくんと、ロシア語の会話集を開いて、ロシア語を教わったりしました。(どうやら、わたしのロシア語の発音は 「ゼンゼンダメ」 みたい)。

 

ロシア人の少年と日本人女性の、英語とロシア語ちゃんぽんの不思議な会話を、廊下を行く人たちが不思議そうに、面白そうに、覗いて行きます。

 

「ヘイ、ミカ、ずいぶん小さい先生にロシア語を習ってるんだね?」

 


お菓子を食べながら遊んでいるうちに、列車はモンゴル側の国境駅 「スヘバートル」 に。

 

 

車内でパスポートが回収され、出国手続きのための質問を受けたりしたのですが、少しだけ日本語のできるモンゴル人担当者がいたりして、やけにのんきなムードで出国検査は終了。

 

このあとすこし移動して、今度はロシア側の国境駅 「ナウシキ」 へ。

 

さすがロシア、ここでの入国審査はかなり物物しかったです。

麻薬捜査犬を連れた係員や、無口で威圧的なロシア語しか話さない担当者が次々に部屋を調べに来て。国境ではかなり長時間にわたって停車するため、トイレが使えないので要注意です。

 



 

食堂車でランチ 100元 (モンゴル食堂車)

 

※ 1元 = 約 12 円

 

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