真夏のルーマニア、リゾート地シナイア | * たびばな * 旅好き女子のあちこち歩き

* たびばな * 旅好き女子のあちこち歩き

主に鉄道でヨーロッパ34カ国、世界57か国をぐるぐると駆け回り、とにかく歩き回った、充実した旅の記録です。いろんな人に出会ったり、いろんなものを食べたり、旅のワクワクを少しでもおすそ分けできれば嬉しいです。持ち物やルート、予算についても情報いっぱい。

2009年 8月 2日。

 

さて、午後は鉄道に乗って、いよいよ、トランシルヴァニア地方に旅立ちます。

 

国土を大きく 「つ」 の字を描くようにカルパチア山脈が走っているルーマニア。国土の西側に位置し、北、東、南をぐるりと山脈に囲まれているのが、トランシルヴァニア地方です。

 

 

ブカレストの属するワラキア地方や北東のモルドヴァ地方とは、成り立ちや歴史の上で違いが多く、文化的にも民俗的にも異なる場所。ドイツ語がかなり話されている場所でもあります。

 

ルーマニア語で、「トラン (向こうがわ) シルヴァニア (森)」。

森の向こう側、と呼ばれる土地。

 

 

今日は ノルド (北) 駅から、まずはシナイア Sinaia という小さな町に向かいます。

 

ブカレストの玄関口、ノルド駅。国際線も止まる大きな駅ですが、どこかローカルな雰囲気。

 

 

 

本数のすくないルーマニア国鉄。時刻表も、1日ぶんすべてタイル張り。


 

 

13時の IC (インターシティ) に乗って、高原の避暑地、シナイアへ。

2時間ほどで到着です。

 

 

 


駅に降りてみてちょっとワクワク。

四方を山に囲まれた、ほんとうに山間の駅なんですね。

 

駅を出てみると、目の前はこういう感じ。

なんだか、日本の山間部の駅の、山寺に向かう参道に続くような。

 


家々の間の細い坂道を上って、さらに、山の斜面の階段を上って行きます。


暑い… ちゃんと水を買って持っていないと、脱水症状が心配なくらい。

冬は雪に埋もれたスキー・リゾートになるなんてウソのような炎天下。

 

10分ほど歩いたでしょうか。見えて来るのが、この名前の由来にもなった 「シナイア僧院」 です。

 


 

 

17世紀にワラキア公がこの地を訪れた記念に建てられたとか。



 

入口を入ってすぐに見えるこの茶色い大教会は、19世紀のルーマニア皇帝、カロル1世 (ドイツ出身) が建てたもの。

 


これはこれで美しい教会なのですが、敷地の中にある白い門をくぐって奥に行くと、花の咲き乱れる小さな庭に、もうひとつ、古い教会が建っています。こちらが、17世紀に僧院とともに建てられた古い教会。

 


 

入口には、当時のまま、フレスコ画が残っていました。
写真では分かりにくいのですが、こちらも塔が 2つついた、古いルーマニア正教会の建築です。

 

 

さて、僧院を出て、ぐるりと迂回するように歩くと、高原の気持ちの良い散歩道に出ました。風も気持ちよくて、急に気温も下がった感じ。

 

 


お土産屋さんや、トウモロコシを焼く屋台などが軒を連ねています。

 

 

森の中を歩いて行く、まるでマネの絵画のような小粋なおじさんの姿に見とれたりしていると…

 

 

 

ぁああっ!! 見て見て!!

森の向こうに、お城が見えてきましたっ!

 


ペレシュ城です!

 

19世紀にカロル1世が夏の離宮として 8年かけて建設した宮殿で、ルーマニアで最も壮麗な城と称される、ペレシュ城。

 

 

ドイツ・ルネッサンス様式で建てられていて、お城の周りを噴水が飾り、緑の森の中にたたずむ様子は、とてもとても可愛らしくて、美しい。

 

おとぎ話の中のお城そのもの。

 

ペレシュ城は見学ツアーで内部を回ることができますが、わたしはこのまま北上。

 


緑の小道をたどって行くと、向こう側に素朴な外観の小さなお城が見えてきます。

 

シナイアのもうひとつのお城、ペリショール城。

カロル1世の狩猟用のお城で、豪華な内部の装飾などは、見学ツアーで見ることができます。

 

 


そして、それらのお城からほど近い場所に建つのが、チャウシェスク大統領が使っていた豪華な別荘、フォイショール城。

 

 

こちらはルーマニアの負の遺産です。

 

さて、お城を見て回ったあとは、標高 2,000m まで上れるロープウェイに乗ろうと思っていたのですが、時間的に間に合わず。

 

歩き疲れたことでもあるし、レストランで、ひと休みすることに。

 

ルーマニアのローカル・ビールをください、と頼んだら、これを出してもらいました。URSUS とは、ラテン語で 「強い熊」。ラベルにも熊のイラストが。

 

 

ルーマニアではほとんどどこもそうだったけれど、ビールが普通に、中瓶サイズなんですよね。

500ml じゃなく、750ml あるんです。どっしり。1人だとちょっとキツイ。

 

 

ついでに軽く食事して、夕食代りにしてしまいました。グリルド・ベジタブル、ポテト添え。

 

 
 

これ、びーっくりするくらい安かったです。(あわせて300円)。


さて、そろそろ今日の宿泊地、ブラショフ に向かいましょう。

 

駅に着いてみたら、何やらおかしな雰囲気。顔をしかめていると、ルーマニア人の男の子が、アナウンスを訳してくれました。列車は 45分の遅延とのこと。

 

夏休みにシナイアの友人を訪ねに来ていたという彼(Adrian エイドリアン) は、私より少し先の駅まで帰宅するところなんだって。「でもいつもは鉄道じゃ移動しないんだ。遅いし、不便だから」。

 

たしかに、のんびり、ゆっくり走る、ルーマニアの急行列車。 列車の中で、「ルーマニアの鉄道って遅いんだねぇ」 って言ったら、「夏は暑さでレールが膨張してしまうから、速く走れなくなるんだよ。とくに今週はレールの点検をしているから、列車が遅れてる」 んだそう。

 

-----

 

さて、1時間後に列車はブラショフ Brasov に到着。

ほんの 2時間ほどの旅の仲間だった Adrian とお別れ。

 

駅では、ロンドンに住んでいて、ちょうど帰省したところだというパンクなお兄ちゃん (でも絶対年下) に、町の中心部までのバスを教えてもらったり。

 

さて、駅からバスで10分くらい、そこから徒歩 5分程度かな、今日の宿は、町の中心の広場に面した、「BELLA MUSICA ベラ・ムジカ」 というホテルです。

 

 

 

出発前にネットで調べておいたホテル候補のひとつで、アンティークな内装がとても綺麗なホテル。まずは駅から電話して、空きを確認してから向かいました。
 

ここは、こじんまりとしてとーっても綺麗なホテルでしたよ。

家具も木製、革張りで、すごく良かったです。女性にお勧め。

 


 

 

BELLA MUSICA

http://www.bellamuzica.ro/

シングルルーム (ダブルのシングルユース) 220 Lei

 

 


 

ブカレスト Bucharest 13.00 - 15.00 Sinaia シナイア (2h)

シナイア Sinaia 19.00 - 20.00 Brasov ブラショフ (1h)
ルーマニア国鉄

 

 


 

ビールと水 1.5L 9 Lei (北駅)

ブカレスト = シナイア 鉄道運賃 40 Lei (ブカレスト北駅)

シナイア僧院 入場料 4 Lei (シナイア僧院)

ネスティーピーチ味とチョコレートアイスバー 9 Lei (ペレシュ城付近のお土産店)

ポストカード 2枚 4 Lei (ペレシュ城近くのお土産店)

夕食 10 Lei (シナイア)

駅の荷物預かり所 2.2 Lei (シナイア駅構内)

シナイア = ブラショフ 鉄道運賃 18.5 Lei (シナイア駅)

路線バス 2.2 Lei (ブラショフ)

 

※ 1 Lei (ルーマニア レイ) = 約 30 円

 

 

___________________________________

ヨーロッパ 旅行 鉄道 一人旅 ルーマニア 周遊 トランシルヴァニア シナイア 城 ブラショフ