ヨーロッパのちいさな美術館 - フランクフルト | * たびばな * 旅好き女子のあちこち歩き

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主に鉄道でヨーロッパ34カ国、世界57か国をぐるぐると駆け回り、とにかく歩き回った、充実した旅の記録です。いろんな人に出会ったり、いろんなものを食べたり、旅のワクワクを少しでもおすそ分けできれば嬉しいです。持ち物やルート、予算についても情報いっぱい。

旅をしていて、ふと覗いたら意外と面白かったりする、小さな美術館や博物館。

 

今回は、ガイドブックにも載っていないような、ちょっとした隠れスポットをご紹介します。

 

フランクフルトにある、Struwwelpeter Museum (シュトルーヴェルペーター・ミュージアム)。

http://www.struwwelpeter-museum.de/

 


日本では 「もじゃもじゃペーター」 と訳されている、ドイツの作家 ハインリッヒ・ホフマンの絵本 「Der Struwwelpeter」 のミュージアムなのですが、実は、当時 (もう10年前?) はその絵本のことすら知らず、なーんにも前知識がないまま、何となく入ってみたんです。

 

そこで、この 「もじゃペー」 と衝撃の出会いを!

 

 

とにかく、インパクトの強いイラスト。

要するに、「髪を切るのヤダー、爪を切るのヤダー」 とぐずっていたら、こんなことになってしまい、みんなに嫌われてしまいました、ってことらしい。

 

この絵本、このペーターをはじめとして、子供への教訓がやたらストレートに描かれていて、怖いやら、笑えるやらで、強烈なんです。

 

たとえば、落ち着きのないフィリップは、夕食の席でふざけていて、テーブルをガタガタいわせてひっくり返してしまいます。残念!

 

 

 

 

 


また、ぼんやりなハンスは上の空で歩いていて川に落ちてしまいます。

 

 

 

危ない、危ない!


 

 

でも、ここまでは、まあ、まだ理解の範疇。
このへんでとどまらないのが、もじゃペーの破壊力のすごさなんです。

 


火遊びした女の子はドレスに火がついて…

 

 
 

なんと、灰になってしまいます!

 

ここまで燃え尽きるか! という、ある意味気持ちのいいくらいの燃えっぷりです。

 

猫たちの涙で池ができてしまいました。

 



 


そして、ゆびしゃぶりのクセが抜けない少年は・・・

 


ガーン!

 

あろうことか、飛び込んできた気味の悪い恐ろしい男 (仕立て屋らしい) に、指をちょん切られてしまいました!

 

ド、ドイツって、怖い!!!



 

そして、風の強い日に傘をさして外に出かけたロベルトは…

 

 

 

 

 

吹き飛ばされて飛んで行ってしまいました。

 

もう、ここまで来ると、何が何やら、という気すらして、若干の脱力を禁じえません。



 

「なんじゃこりゃ」 と思いながらも、なんだか奇妙で面白かったので、しばらくこの美術館でぶらぶら過ごしたんですが、日本に帰ってからふと思い出して調べてみたら、「もじゃもじゃペーター」 という絵本だったわけです。

 

迷った挙句にポスターを買わずに帰ってきてしまったのを後悔していて、いつかまた訪れたら絶対に買おうと思っています。

 

ちなみに、2年前に国際子ども図書館で 「もじゃもじゃペーターとドイツの子どもの本」 という展示会が開かれたので、そちらにも足を運びましたが、ポスターは販売していませんでした。残念。

http://www.kodomo.go.jp/event/exb/bnum/tenji2006-01.html

 

ちなみに、前にドイツに行った時に絵本を買って帰ろうと書店に行ったのですが、古い絵本なので扱っていないとのことでした。(ドイツ語ができなかったので、「あたまがモジャモジャで、爪が伸びた、ペーターの絵本」 と英語で繰り返してやっと理解してもらえた)。

 

今回またドイツに行くので、再度探してみようと思います。

 


美術館の紹介というより、「もじゃペー」 の紹介になってる? まあいいか。